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30歳で日本代表初選出、E-1得点王へ。ジャーメイン良が掴んだ“遅すぎた輝き”

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ジャーメイン良
ジャーメイン良 Instagramより

サッカー日本代表がE-1選手権で2連覇を達成した。その立役者が、30歳にしてA代表初選出を果たしたジャーメイン良だ。初戦でハットトリック、最終戦の韓国戦で決勝点。大会新記録の5得点で得点王、そしてMVPも受賞した。だが、彼の名前を大会前から知っていた人はどれほどいただろうか。無名に近かった男が代表で躍動するまでの軌跡に迫る。

 

“代表初選出”の30歳、遅れてきたストライカー

ジャーメイン良。その名が脚光を浴びたのは、ほんの数週間前のこと。
神奈川県出身。桐蔭学園高から国士舘大を経て、J2の山形、水戸、町田などで地道に実績を積んできたが、代表には一度も縁がなかった。

2023年にサンフレッチェ広島に加入し、ついにJ1の舞台へ。30歳という年齢は、代表を目指すには“晩すぎる”とされても不思議ではなかったが、彼は諦めなかった。FWとして特筆すべきゴール数を挙げていたわけではない。しかし、前線での守備、裏への抜け出し、味方を活かす動き出し。そのすべてが高い水準で安定していた。

 

E-1で覚醒。史上初の快挙へ

E-1選手権の初戦・香港戦では、開始わずか4分で初ゴール。その後も怒涛のごとくゴールを重ね、前半26分までにハットトリックを達成。試合を終えれば、記録はまさかの4得点。

韓国戦を前にしても、ジャーメインは浮つくことはなかった。

「最初で4点取ったのでもう(得点王が)決まったみたいになっているけど、最後にもう一度ネットを揺らしたほうが形としてもいい」
(※ゲキサカ 2025年7月15日より)

その言葉通り、韓国戦では9分に勝負を決定づける左足ボレー。最終戦を白星で飾るとともに、彼は大会最多の5ゴールを記録し、MVPと得点王をW受賞。しかも、同大会における“単独得点王&MVPの同時受賞”は史上初の快挙となった。

 

なぜ今、代表に呼ばれたのか

代表常連の欧州組が不在となるE-1は、国内組の“実力派”にとって貴重な舞台だ。森保一監督が選んだのは、「年齢よりも今のパフォーマンス」を重視する方針。そこに、J2〜J1で実績を積み、広島でフィットし始めていたジャーメインがすっぽりはまった。

彼のような「派手ではないが確実に効く」選手を見つけ出し、代表で活かす。それが今回のチーム編成の狙いでもあった。

 

ゴールだけではない、“仕事人”としての存在感

ジャーメインの魅力は、ゴール前の決定力だけに留まらない。前線からの守備、ライン間のポジショニング、裏への抜け出しの精度。なにより、90分間を通してチームのために動き続けるスタミナと献身性が光る。

SNSでも飾らない人柄が人気だ。日々の練習風景や仲間への感謝をつづる投稿には、ファンから「地味だけど応援したくなる」「ようやく報われたね」といった声が並ぶ。

「こういう舞台に立てたこと自体が感謝でしかない。もっと頑張りたいですね」
──韓国戦後のコメントより

その言葉に、彼のこれまでのキャリアと人柄がにじむ。

 

W杯メンバー入りの現実味と、E-1が照らす希望

ワールドカップ本大会を1年後に控え、ジャーメインは“即戦力”としてのアピールに成功したといえる。
現代表はFWの世代交代期にあり、彼のような「守備も攻撃もこなせる万能型」は貴重な存在だ。年齢的には厳しいという声もあるが、“旬の力”を評価するのが代表という場であるならば、選出の可能性は十分にある。

そして何より、彼の活躍は多くのサッカー選手たちにメッセージを投げかけた。
「遅咲きでも、諦めなければチャンスはある」
「評価はどこかで、誰かが見てくれている」
そんな希望を、彼はその背中で体現してみせたのだ。

 

“遅すぎた”は、誰が決めるのか

30歳で初めて代表に選ばれ、史上初の快挙を成し遂げたジャーメイン良。
その歩みは、特別な才能の証明ではなく、日々の積み重ねと準備の大切さを教えてくれる。

一度も代表を諦めなかったその姿に、私たちはきっとこう思う。
「遅く咲いても、美しい花はある」と。

 

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ライター:

広島県在住。福岡教育大学卒。広告代理店在職中に、経営者や移住者など様々なバックグラウンドを持つ方々への取材を経験し、「人」の魅力が地域の魅力につながることを実感する。現在「伝える舎」の屋号で独立、「人の生きる姿」を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。​​https://tsutaerusha.com

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