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佐賀県名門企業・有名企業 売上ランキング〈2025年版解説〉

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佐賀県名門企業・有名企業 売上ランキング〈2025年版解説〉
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物流ハブ・鳥栖ジャンクションと有明海沿岸の工業団地が育む自動車部品・貼付薬クラスター、そして急拡大するディスカウント流通――佐賀県の産業地図は多様な「中核」と「サテライト」が交差する。本稿は決算短信・有価証券報告書・官報公告など一次資料のみを突合し、売上(銀行は経常収益)順に並べた最新ランキングである。

 

20 位 オプティム〈佐賀市〉 売上 105億円(連結)〈2025/3〉


名門ポイント:佐賀大学発ベンチャーとしてAI/IoTプラットフォームを核に、農業DXサービス「OPTiM Agri」とLiDAR搭載スマホで行う3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を提供し、ストック型ライセンス収入が前年比109%と伸長した。

19 位 ミズホメディー〈鳥栖市〉 売上 114 億円〈2024/12〉


名門ポイント:感染症迅速診断薬専業で、抗原キット「クイックチェイサーAuto SARS-CoV-2」が厚労省リスト入り。共通抽出液でインフル・RS等多項目検査と専用装置Autoシリーズを展開。鳥栖本社工場・研究所で量産し、発症早期でも15分判定する高感度イムノクロマト技術を強みに、さらに高信頼性で国内シェア拡大を狙う。

18 位 ミゾタ〈佐賀市〉 売上 119 億円〈2024/6〉

 


名門ポイント:水の総合エンジニアリング企業。従業員448人。水門・大口径ポンプを国内外に供給。ISO9001・14001取得。特許『ゲートポンプ®』は高潮排水機場で多数採用され、川副工場で量産される。2024年度、国交省九州整備局発注の仲沖排水機場更新工事で工事成績評定81点を獲得し、高度な施工・設計力が認められた。

17 位 祐徳薬品工業〈鹿島市〉 売上 120 億円〈2024/3〉


名門ポイント:本社工場(敷地2.1万㎡)と鹿島工場(敷地6.3万㎡)の二拠点体制で「パスタイム」シリーズや救急絆創膏「カットバン」を製造。医薬品・医療機器の製造販売許可を保有し、全国営業網でOTC・医療用市場へ供給する。本社は佐賀県鹿島市に置き地域雇用にも貢献。

16 位 JSRマイクロ九州〈佐賀市〉 売上 133 億円〈2024/3〉


名門ポイント:半導体用フォトレジストを主力とし世界シェア約3割で首位を誇るJSRグループの国内製造拠点。九州地方知事会資料も「世界シェア首位」と明記。JSRサステナ報告によれば2050年GHG 排出『実質ネットゼロ』へ踏み出す。佐賀から最先端材料を安定供給し、国内半導体集積の波に応える。

15 位 中野建設〈佐賀市〉 売上 155 億円〈2024/4〉

 


名門ポイント:1918年創業、本社を佐賀市水ヶ江に置き、建築・土木部門を集約。2024年7月、国土交通省九州地方整備局の「工事成績優秀企業」に5年連続で認定され、直近2カ年17件の平均評定は81点だったとHPで公表。舗装用合材工場を佐賀・鹿島に展開する。

14 位 佐賀トヨタ自動車〈佐賀市〉 売上 176 億円〈2024/3〉


名門ポイント:2022年に西九州トヨタとネッツトヨタ佐賀が統合し、県内18店舗体制を築く県最大ディーラー。本店や新栄店などがCHAdeMO150kW急速充電器を備え、電動車の使い勝手を一段と向上させる。25年5月の本社・本店グランドオープンで販売・整備機能を集約し、地域密着のモビリティサービスを強化する。

13 位 友桝飲料〈小城市〉 売上 168 億円〈2024/2〉


名門ポイント:創業1902年、清涼飲料の受託製造を柱とし自社ブランド「こどもびいる」を含む年間150種類を開発している。小城本社のほか山梨〈富士山〉・長野〈木曽開田〉・福岡〈甘木〉に工場を持つ4拠点体制で小ロット多品種に対応。生産設備とシステムを改良し、CO₂排出原単位を約30%削減。

12 位 スーパーモリナガ〈佐賀市〉 売上 169 億円〈2025/1〉

 


名門ポイント:佐賀県発の食品スーパー。県内10店と久留米1店を展開。佐賀県AI・IoT実証事業でAIカメラとPOSを連携し客動線を解析、入口サイネージ商品動画で購入率0.417%、棚寄率85%を記録しデータ販促を標準化。紙媒体削減も進め、環境負荷低減へ。

11 位 アイ・ケイ・ケイホールディングス〈伊万里市〉 売上 232 億円(連結)〈2024/10〉


名門ポイント:伊万里で創業したゲストハウス婚礼専業。最新決算で連続増収を記録し、婚礼事業が売上の大半を占める。全国二十余の式場を展開し、都心部にも進出。株主優待の菓子詰め合わせがSNSで話題となり地方創生銘柄に選定。従業員の過半数を女性が占めダイバーシティを経営の柱に据える。絆や地域食材にこだわる演出で顧客満足度が高い。

10 位 佐電工〈佐賀市〉 売上 244 億円(連結)〈2023/12〉


名門ポイント:電気設備工事や空調・管工事会社。九州電力の配電委託を起点に全国展開し、ZEB改修案件では博多駅南RビルZEB Ready取得で電気設備を担当。九電のグリーン取引先に登録され脱炭素工事を強化する。

9 位 戸上電機製作所〈佐賀市〉 売上 276 億円(連結)〈2025/3〉

 


名門ポイント:高圧開閉器・遮断器を主力とする配電制御機器メーカーで、自動開閉器は国内有力シェア。EV充電回路向け直流遮断器が北米 UL 登録に掲載され、欧州 CE 適合モデルも製品カタログで示すなど国際規格対応を進めるIoT 遠隔監視「OUD」や。AI 画像判定を活用したスマート保安ソリューションを自社サイトで公開し、配電設備の保全効率を高めている。

8 位 東洋新薬〈鳥栖市〉 売上 307 億円(連結)〈2024/9〉


名門ポイント:健康食品・化粧品OEM大手。鳥栖に三工場擁し、19年竣工の第三工場は延床2.2万㎡超で既存二工場より1.5倍の生産能力を確保。機能性表示食品の届出実績件数No.1を自社サイトで公表し、九州経産局の脱炭素事例集に省エネ企業として掲載。さらにGMP・FSSC22000取得で品質体制を強化。

7 位 理研農産化工〈佐賀市〉 売上 313 億円〈2024/3〉


名門ポイント:食用油・小麦粉などを主力とする企業。福岡本社と佐賀本店のISO22000認証工場で生産を担い、佐賀工場では小麦・油粕まで一貫利用し資源循環を推進、サラダ油や県産小麦粉を製造。100%佐賀県産小麦粉「こむぎ子」シリーズを通販展開し、地元農業との共創を深化。

6 位 佐賀銀行〈佐賀市〉 経常収益 552 億円(連結)〈2025/3〉

 


名門ポイント:2025年3月期連結決算で経常収益は増収となり、県内預貯金シェアを「約4割」と広げ、地域資金を核に、OLTAと協業してクラウドファクタリングを導入し、請求書をオンライン即時買い取りで地元企業の資金繰りを後押し。さらに自社運営の佐銀ベンチャーキャピタル第五号ファンドを組成し、半導体を含む地場スタートアップの育成に取り組む。

5 位 小糸九州〈佐賀市〉 売上 643 億円〈2024/3〉

 


名門ポイント:小糸製作所100%子会社。佐賀市久保泉町に敷地13haを構え、LEDヘッドランプなどを一貫生産。2009年にトヨタ・レクサスRX向け九州初のLED前照灯量産を開始し、15年に前照灯累計2000万個を突破。ISO9001・14001も取得し、九州拠点として環境負荷低減に取り組む。

4 位 トヨタ紡織九州〈神埼市〉 売上 894 億円〈2024/3〉

 


名門ポイント:プレミアムブランド「レクサス」向けシートとドアトリムを神埼・宮田の2工場からトヨタ自動車九州へジャストインタイム供給する専業拠点。2024年3月期決算公告で売上高は過去最高を記録し、トヨタ紡織レポート2024は九州拠点での太陽光発電拡大と再エネ電力調達方針を明示。同社生産のレクサスUX用シートが米国JDパワー品質調査部門1位を獲得したことを紹介し、世界市場での技術優位を裏づけている。

3 位 松尾建設〈佐賀市〉 売上 930 億円(連結)〈2024/3〉

 


名門ポイント:本店佐賀市の九州最大ゼネコン。DX戦略でBIM/CIM活用と全案件3D化を掲げ、施工の前倒し最適化を推進。唐津営業所新社屋でZEB認証を取得し、ISO9001・14001下で脱炭素と品質管理を強化、官公庁新庁舎など地域インフラを担う。

2 位 久光製薬〈鳥栖市〉 売上 1,560 億円(連結)〈2025/2〉

 


名門ポイント:貼付剤「サロンパス」は世界100超国で商標登録され、ユーロモニター調査で鎮痛貼付剤シェア9年連続世界1位を維持(2025年5月公表)。鳥栖工場を核に外用鎮痛剤を供給し、研究開発機能を集約する新研究所を同市に建設中(2022年発表)。気候変動方針では2030年度に2013年度比46%のCO₂削減を掲げ、製薬団体の低炭素社会実行計画に参画する。

1 位 ダイレックス〈佐賀市〉 売上 3,422 億円(連結)〈2025/3〉

 


名門ポイント:佐賀本社のディスカウントストア大手でサンドラッググループに属す。全国418店舗で、佐賀などの物流網と全店自動発注でEDLPを実現、無借金経営を維持し、将来的には店舗数1500体制を目標に、ドラッグ+生鮮融合型店舗で地域密着を貫く。

総評

 

佐賀県の産業構造は「貼付薬+自動車部品+建設・設備+ディスカウント流通」の四本柱が定着した。久光・祐徳が経皮技術で世界市場を狙い、トヨタ紡織九州・小糸九州が高級車サプライチェーンを支える。建設・電設は松尾建設と佐電工が公共インフラを固め、戸上電機が電力インフラ高度化を牽引。流通のダイレックスは県内雇用 7 千人超で所得循環を生む。2025 年度は〈半導体新工場投資波及/西九州新幹線整備/医薬品サプライチェーン国内回帰〉が共通テーマとなり、各社の環境投資と DX 強化が競争力の分水嶺となる。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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