ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

国山ハセン氏が語る「AI時代の投資術」 “塩漬け”エピソードから見えた、生成AIとの距離感

サステナブルな取り組み イベント
コラム&ニュース 有識者VOICE
リンクをコピー
プロパティエージェント株式会社が主催する「“投資の日”を前に学ぶ『AI時代の投資リテラシー』セミナー ~AIのいいなり投資にならないために~」
プロパティエージェント株式会社が主催する「“投資の日”を前に学ぶ『AI時代の投資リテラシー』セミナー ~AIのいいなり投資にならないために~」より

2026年10月2日、プロパティエージェント株式会社が主催する「“投資の日”を前に学ぶ『AI時代の投資リテラシー』セミナー ~AIのいいなり投資にならないために~」が開催された。

登壇したのは、元TBSアナウンサーでFOX UNION代表の国山ハセン氏と、dentsu Japan チーフ・AI・オフィサーの並河進氏。中でも国山氏は、一個人投資家としての経験を交えながら、生成AIをどのように投資へ取り入れているのかを明かした。

 

「自分で根拠を持てるものに投資する」のが国山ハセン流

国山氏の投資スタイルは、投資信託を軸にしながら、日本株や米国株、金、暗号資産などにも資産を分散するものだという。一方で、債券や先物など、自身が十分に理解できていないものには手を出していない。

「自分の中でちゃんと根拠があるものというか、自信を持って投資できるアセットに投資をしている」と国山氏は語る。不動産投資の経験もある。20代半ばにはワンルームマンションを2室所有しており、その後いずれも売却。売却益も出たことから、「出口的にもよかった」と振り返った。

そんな国山氏が現在、投資の情報収集で積極的に使っているのが生成AIである。生成AIに気になる銘柄を聞き、関連ニュースを調べ、ポートフォリオの見直しまで相談する。投資においてAIを活用する場面は、すでに珍しいものではなくなりつつある。

ChatGPT、Gemini、Claudeなど複数のサービスを利用する国山氏の主な用途はリサーチだ。ニュースの理解、関心のある業界から関連銘柄を探す際の情報収集、さらに自分の考えを整理する「壁打ち相手」としても活用しているという。

 

「AIで知る」と「AIに決めてもらう」は別物

ただし、AIを使った投資で失敗した経験もある。

あるとき国山氏は、AIに「次に来る個別銘柄は何?」と質問した。そこで挙げられたのが、自身もよく知らない米国の電力関連株だった。実際に購入すると、翌日に株価が下落。しかし、その後いったん上昇したため買い増しし、「AIも俺も当たってるわ」と思ったという。ところが、その後再び株価は下がり、結果的には「塩漬け状態」になった。

国山氏はこの経験について、AIを通して知らなかった銘柄を知れたこと自体はよかったとしながらも、その先が問題だったと振り返る。AIが提示した情報を入り口にするだけでなく、「なぜその銘柄なのか」を自分自身でもさらに調べるべきだった。買った後には「売る」「買い増す」といった判断も必要になるため、最終的には自分の知識や経験、判断軸が欠かせないという。

現在の国山氏のマイルールも明確だ。

「AIはあくまでリサーチでしか使わない」。

株価そのものの予測をAIに委ねるのではなく、参考情報として利用する。保有するポートフォリオの見直しやリバランスを考えるときにもAIを活用するが、最後に判断するのは自分自身である。

AIは“答え”ではなく、判断材料を増やすために使う

AIとの距離感については、並河氏からも具体的な指摘があった。

AIには、学習した情報が古かったり、参照したWebサイト自体に誤りがあったりすることで、間違った回答を提示する可能性がある。さらに厄介なのが「説明不足」だという。AIの回答自体が間違っていなくても、判断するために必要な情報がすべて示されているとは限らない。自分が詳しい分野なら「この情報が足りない」と気づくことができるが、詳しくない分野ほど、何が抜けているのかすら判断できなくなる。

その対策として並河氏が提案したのが、一つの答えだけを求めないことだ。例えば複数案を出させ、それぞれのメリット・デメリットや根拠も併せて提示させる。AIに正解を選んでもらうのではなく、自分自身が判断するための材料を増やすという考え方である。

国山氏もまた、投資先そのものをAIに選ばせること以上に、AIを使って「自分自身を整理する」ことに可能性を感じている。どれくらいのお金を投資できるのか。どの程度のリターンを求めるのか。何のために資産を増やしたいのか。

そうした投資の目的を整理する際にもAIは活用できるという。また、日々の生活費やサブスクリプションなどの支出をAIに整理させれば、自分が何にどれだけお金を使っているのかも可視化できる。銘柄選び以前に、自分自身のお金の流れを整理する使い方である。

一方で、AIだけですべての情報が手に入るわけではない。自身が取材する立場でもある国山氏は、AIが扱えるのは基本的に表に出ている情報であり、人と会うことで得られる一次情報や、人のネットワークの中で初めて得られる情報もあると指摘する。

セミナー終盤には、「AIの精度がさらに上がったとき、人にしかできないことは残るのか」という問いも投げかけられた。

国山氏は、AIによる投資分析の精度が今後さらに高まる可能性を認めつつも、最後に残るのは「何のための投資なのか」という部分ではないかと語った。どんな生活を送りたいのか。何を応援したいのか。国山氏自身、好きな企業や銘柄へ投資することがあるといい、いわば「推し投資」のような感情も投資判断の一つになり得るとする。

AIに任せれば、情報は速く集まる。候補も増やせる。比較もできる。しかし、何を選び、どこまでリスクを取り、何のために投資するのかまでをAIに委ねる必要はない。

国山氏のエピソードから見えてきたのは、AIを「答えを出す存在」としてではなく、自分で判断するための情報収集や壁打ちに使うという現代の距離感である。2026年現在、投資で求められているのは、AIを使わないことではなく、最後まで自分の判断を手放さないことなのかもしれない。

Tags

ライター:

ウェブメディア、編プロ、制作会社、広告代理店を経て、2020年5月よりフリーランスとして活動。コンテンツ制作の営業やディレクションを生業としていたはずが、気づけば企業の発表会にも自ら首を突っ込み、記事を書くように。

関連記事

タグ

To Top