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茶どころの耕作放棄地がレモン畑に。牧之原のタタラ商店が10年がかりで育てた国産レモンを加工品化

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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タタラ商店 レモン加工品
画像出典:タタラ商店株式会社 プレスリリース

全国有数のお茶どころで、使われなくなった茶畑がレモン畑へと姿を変えている。

静岡県牧之原市の農業資材会社タタラ商店が、地域農家とともに約10年かけて育ててきた「牧之原レモン」を使った加工品3商品を発売した。耕作放棄地の活用と地域農業の活性化を見据えた取り組みだ。

 

茶業の担い手不足が生んだ新たな挑戦

同社によると、牧之原市は全国有数のお茶産地として知られる一方、生産者の高齢化や担い手不足を背景に、管理が難しくなった茶畑や遊休農地の活用が課題となっている。地域の農業資材販売や農産物の集荷・販売を手がけるタタラ商店は、お茶だけに依存しない新たな農業の可能性を模索する中で、約10年前から地域農家とともにレモン栽培に取り組んできた。

選んだのは、農研機構が開発した国産レモン品種「璃の香(りのか)」だ。香りが高く酸味が比較的まろやかで果汁が豊富なのが特徴だという。牧之原市では温州みかんなどの柑橘栽培は盛んだが、レモン栽培はほとんど前例がなかった。そのため、日本有数のレモン産地である広島県へ視察や研修に赴き、栽培方法を学ぶところから始めたという。お茶という単一品目に依存してきた産地が、気候や土壌を生かせる別の作物へ踏み出すことには大きな不安も伴う挑戦だった。

 

生果から加工品へ、魅力を広げる3商品

約10年にわたり栽培を続ける中で複数の農家が取り組むようになり、現在は「牧之原レモン」として地域ブランド化が進む。今回、「生果だけでなく、もっと多くの人に魅力を届けたい」という思いから加工品開発に踏み切った。

発売したのは「牧之原レモネードのもと」「牧之原レモンゼリー」「牧之原レモンひんやりゼリー」の3商品。レモネードのもとは果汁80%の濃縮タイプで、水や炭酸水で割るだけで楽しめる。レモンゼリーははちみつを合わせたやさしい甘さが特徴で、ひんやりゼリーは凍らせるとシャーベットのような食感になる。いずれも牧之原レモンの爽やかな風味を生かした商品で、暑い季節の水分・クエン酸補給にも向く。生のレモンは日持ちや使い切りの難しさがあるが、加工品にすることで通年で手に取りやすくなり、地域の外へも届けやすくなる。

 

農産物に新たな価値を、次世代へ農業をつなぐ

タタラ商店が目指すのは、単にレモンを販売することではない。肥料や農薬などの農業資材販売を通じて長年地域農業に携わる中で、生産者の高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加といった課題を身近に感じてきた。牧之原レモンは、そうした課題に対する一つの挑戦として始まったという。

取締役副社長の多々良大吾氏は「耕作放棄地の活用にはさまざまな方法があるが、自然を相手に新たな作物へ挑戦することは決して簡単ではない。多くの試行錯誤を重ねながら今日まで歩んできた」とコメントしている。地域農家が育てた農産物に新たな価値を生み出し、次の世代へ農業をつないでいくことを見据える。

 

特産品づくりで地域農業の活性化へ

タタラ商店は1982年設立、牧之原市を拠点に農業資材販売や農産物の集荷・販売を行う地域密着型企業だ。「地域の農業を支え、未来につなぎ、人々の暮らしを支える」をミッションに掲げ、持続可能な農業の実現に取り組んでいる。

同社は今後、牧之原レモンを地域の新たな特産品として育てることで、農地の有効活用や地域農業の活性化につなげたい考えだ。加工品開発や販路拡大に取り組みながら、牧之原市の魅力と地域農家の想いを全国へ届けていく。全国の茶産地は需要の伸び悩みや高齢化で同じ悩みを抱える。茶どころの遊休地から生まれた一粒のレモンが、地域の農業を次代へつなぐ糸口になるか注目される。

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ライター:

Sacco編集・ライター。企業に直接出向く取材が中心。扱う記事はサステナビリティ、エンタメ関係が多め。

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