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スルガ銀行の創業家融資訴訟、旧取締役側が控訴 47億円賠償命令は東京高裁へ

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スルガ銀行の創業家ファミリー企業向け融資をめぐる損害賠償請求訴訟が、再び東京高裁に移る。同行は5月20日、静岡地裁の差戻審判決に対し、旧取締役側から控訴が提起され、東京高裁から控訴状を受領したと発表した。

 

旧取締役4人側が控訴、差戻審判決に不服

スルガ銀行によると、控訴は3月25日付で提起された。同行が控訴状を受け取ったのは5月20日で、事件は東京高裁に係属することになる。対象となるのは、創業家ファミリー企業に係る与信管理の問題をめぐり、同行が旧取締役4人とその相続人側に損害賠償を求めていた訴訟である。

静岡地裁は3月13日、差戻審判決で旧取締役側の任務違反を認め、スルガ銀行側の請求を全額認容した。認容額は、故岡野喜之助氏の相続人らが36億円、岡野光喜氏、故白井稔彦氏の相続人、望月和也氏がそれぞれ47億6200万8000円とされた。スルガ銀行は、複数の責任が連帯債務となるため、同行が支払いを受けられる金額の合計は47億6200万8000円になるとしている。

一審棄却から高裁差し戻しへ、判断は二転した

この訴訟をめぐっては、判決の行方が大きく動いてきた。2024年4月、静岡地裁はスルガ銀行の請求をいずれも棄却した。これを受けて同行は同年5月、判決を不服として東京高裁に控訴。2025年3月、東京高裁は一審判決を取り消し、事件を静岡地裁に差し戻した。

その差戻審で銀行側の請求が認められたが、今度は旧取締役側が控訴した。これにより、創業家ファミリー企業をめぐる与信管理について、旧経営陣がどの範囲で責任を負うのかが、再び高裁で審理される。

 

創業家ファミリー企業への与信管理問題

スルガ銀行は2018年12月、創業家ファミリー企業に係る与信管理の問題について、現旧取締役に対する損害賠償請求訴訟の提起を公表した。同行は当時、取締役責任調査委員会の報告書を踏まえ、旧取締役らに善管注意義務違反などがあったとして責任を追及する方針を示していた。

この訴訟の背景には、スルガ銀行が長く抱えてきた創業家ファミリー企業との関係がある。銀行と創業家側との間に融資・資本関係が残るなか、取締役会や経営陣が与信リスクをどこまで把握し、適切に管理していたのかが争点となった。同行はその後、創業家ファミリー企業との融資・資本関係の解消に向けた対応も進めてきた。

シェアハウス融資問題で表面化した内部管理の課題

スルガ銀行をめぐっては、2018年に投資用シェアハウス「かぼちゃの馬車」関連融資問題も表面化した。女性向けシェアハウスを展開していたスマートデイズが経営破綻し、多くの個人投資家が多額の借り入れを抱えたことで、同行の融資審査や営業姿勢に厳しい視線が向けられた。

金融庁は2018年10月、スルガ銀行に対し、一部業務停止を含む行政処分を出した。第三者委員会の調査では、審査資料の改ざんや不適切な融資審査、営業現場への過度な業績圧力などが指摘され、同行は経営体制の刷新や業務改善計画の提出を進めることになった。

今回の創業家ファミリー企業向け融資をめぐる訴訟は、シェアハウス融資問題そのものを対象にしたものではない。ただし、旧経営体制のもとで融資リスクをどう管理していたのかという点では、同じ時期にスルガ銀行が抱えていた内部管理上の課題と重なる。同行は今回の開示で、シェアハウスに係る融資問題に関する旧取締役らへの損害賠償請求訴訟も、旧取締役側の控訴により東京高裁に係属していると明らかにしている。

業績影響は軽微、法的処理はなお続く

スルガ銀行は、今回の控訴が今期業績に与える影響について軽微としている。差戻審で銀行側の請求が認められたとはいえ、旧取締役側の控訴により、賠償責任の有無や範囲は高裁で改めて判断される。

一連の問題は、2018年の訴訟提起から7年以上にわたって続いている。創業家ファミリー企業への与信管理をめぐる旧経営陣の責任追及は、静岡地裁で銀行側勝訴となった後も終結せず、東京高裁で次の局面に入った。

 

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ライター:

東京都出身。一日中ネットに張り付いている。

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