
指定暴力団・住吉会幸平一家傘下組織の組員が、違法薬物密売グループ「東京ウーバー」の指示役として警視庁に逮捕された。グループはラッパーやクラブ関係者らを誘い、SNSと匿名性の高い通信アプリを使って客を集めていたとされる。アジトなどからは末端価格でおよそ4500万円相当の覚醒剤やコカイン、乾燥大麻などが押収された。
「東京ウーバー」指示役とみられる34歳組員を逮捕
麻薬特例法違反や覚醒剤取締法違反の疑いなどで逮捕されたのは住吉会幸平一家傘下組織の組員、鷲頭悠史容疑者34歳。鷲頭容疑者は仲間とともに、2024年から2025年にかけて、3回にわたりコカインを譲り渡した疑いなどが持たれている。
FNNプライムオンラインによると、都内にあるアジトなど関係先から、覚醒剤、コカイン、乾燥大麻など、末端価格でおよそ4500万円相当の薬物が見つかった。客層や用途に応じて複数の薬物を扱い、これまでに数千万円以上を売り上げていたとみられている。
鷲頭容疑者は「東京ウーバー」という名前で活動していた違法薬物の密売グループの指示役とみられ、東京・新宿区の路上などで覚醒剤やコカインを販売する目的で所持していた疑いを持たれている。取り調べに対しては「私には全く分かりません」と容疑を否認しているという。
ラッパーやクラブ仲間を勧誘、SNSから匿名アプリへ誘導か
「東京ウーバー」という名称は、都内の配達サービスを思わせる軽い響きを持つが、その実態はSNSで客を募り、匿名性の高い通信アプリに誘導し違法薬物の取引につなげる密売網である。
FNNプライムオンラインによると、鷲頭容疑者はラッパーやクラブの仲間を誘い、匿名性の高い通信アプリ上に「東京ウーバー」と名付けた薬物密売グループを作り、そこで指示を出していたとされる。グループは東京のほか、栃木、茨城、福島を拠点に活動していたという。
密売方法も組織的で、匿名アプリ上でやり取りしたうえで、レターパックで郵送するなどして密売を繰り返していたと報じられている。対面の路上取引だけでなく、通信アプリと郵送を組み合わせる密売方法からは、従来の密売にデジタル上の接点を重ねた手口が見て取れる。
警視庁は「トクリュウ」実行役とみて捜査
今回の事件では、暴力団と匿名・流動型犯罪グループの関係も捜査対象となっている。FNNプライムオンラインによると、警視庁は住吉会幸平一家の指示を受け、「トクリュウ」が組織的に密売していたとみて、実態解明を進めている。
「トクリュウ」は、匿名・流動型犯罪グループを指す言葉として使われる。固定的な組織名や拠点だけで動くのではなく、SNSや通信アプリを介して人員を集め、役割を分けながら犯罪を実行する形態である。今回の「東京ウーバー」も、ラッパーやクラブ関係者らを勧誘したとされる点、匿名性の高い通信アプリを使っていた点などから、従来型の暴力団組織と流動的な実行役が接続した事案として捜査が進められる。



