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クラウドワークス95%減益はAIのせい?決算の真相と「仕事が消えた」ライターの悲鳴

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クラウドワークス95%はAIのせい?

「今の20代は、この現実を目に焼き付けておいた方がいい」 「AIがフリーランスの仕事を奪い始め、決算が大幅な減益となった」

2026年2月18日、X上では、日本最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」の決算を巡り、悲鳴にも似た議論が巻き起こった。 発端は、同社が発表した2026年9月期第1四半期決算の数字だ。

 
  • 営業利益:5400万円(前年同期比-84.4%)
  • 純利益:700万円(同-95.6%)

ほぼ全ての利益項目が壊滅的な減少を見せたことで、「ついにAIが人間の仕事を奪い、プラットフォームが崩壊した」という解釈が拡散された。

しかし、この騒動を単なる「AI敗北論」や「経営悪化」だけで片付けるのは早計だ。Webメディアcokiとして、公開情報と現場のリアルを突き合わせると、そこには企業が生き残りをかけて脱皮する痛み(戦略的赤字)と、その影で行き場を失うライターたちの残酷なコントラストが浮かび上がってきた。

 

吉田社長の言い分:「これは『減益』ではなく『屈伸』である」

まず、公正を期すために会社側の主張を紐解く。SNSがパニックになる一方、吉田浩一郎社長は決算発表同日の2月13日、noteで冷静にこう綴っていた。

「数字の表面だけを見ると『減益』という文字に少し驚かれるかもしれません。(中略)私たちは今、中長期的な売上高1,000億円、営業利益100億円に向けて、一度深く屈伸をしている状態です」

吉田氏の主張は明確だ。利益が減ったのは「仕事がなくなって困っているから」ではない。これまでの「薄利多売なマッチング」から脱却し、アクセンチュアやデロイトといった大手出身のコンサルタントを採用してDXコンサルへシフトするための、計画的な先行投資(人件費や採用費)だというのだ。

実際、DXコンサル領域の売上は前年同期比で+12.6%と成長しており、単価も向上している。「AI-BPO」という新事業も立ち上げ、自社で実証済みのAI活用ノウハウを顧客に提供する側に回ろうとしている。

つまり、クラウドワークスはAIに負けたのではなく、AI時代に勝てる筋肉質な企業へと、自ら血を流して生まれ変わろうとしている最中なのだ。この経営判断自体は、時代に適応した攻めの姿勢と言えるだろう。

 

それでも隠せない「AIによる需要蒸発」

しかし、経営陣がいくら前向きなビジョン(屈伸)を語ろうとも、足元の地面が崩れかけている事実は否定できない。その証左が、今回の騒動の3ヶ月前、2025年11月14日に発表された『剰余金の配当(無配)』に関する知らせだ。

そこには、配当を出せない理由として、あまりにも率直な一文が記されていた。

「当期の業績につきましては、AIによるワーカー需要の変化(中略)により、当期純損失を計上する結果となりました」

会社は、構造改革(屈伸)の必要性に迫られた根本原因が、「AIによって従来のワーカー需要が変化(減少)したこと」にあると、公式文書ではっきりと認めているのだ。

かつてプラットフォームを支えた「データ入力」「SEOライティング」「バナー制作」「初歩的なコード書き」。これらの仕事が生成AIに置き換わり、収益源として機能しなくなった。だからこそ、吉田社長は巨額のコストを投じてでも、コンサル領域へ「逃げる」ように、かつ「攻める」ようにシフトせざるを得なかった――これが真相だろう。

 

「0.5円の案件すら消えた」ライターの悲鳴

この企業としての脱皮の影で、振り落とされようとしているのが、個人のフリーランスたちだ。 実際にクラウドソーシングを中心に活動していたライターのAさん(30代男性)は、ここ半年の急激な変化に肩を落とす。

「以前は『1文字0.5円』のような低単価でも、数をこなせば月20万円にはなりました。でも、ここ半年でそういう案件自体がパタリと消えたんです」

クライアントの動きはシビアだ。

「発注主から『構成と執筆はChatGPTでやるから、君はファクトチェックと違和感の修正だけやって』と言われました。単価は今までの5分の1。時給換算したら数百円レベルです。これではもう、専業では食っていけません」(Aさん)

クラウドワークスがDXコンサルへ華麗に転身しようとする一方で、そこに乗れない普通のライターたちは、ハシゴを外された形になっている。

 

編集部が見た異変:「プロ」までもが難民化している?

この余波は、メディアcokiのライター募集現場にも押し寄せている。これまでも一定のライター応募があったが、ここ半年で起きていることは異常だ。

毎月10件程度だった応募が激増しているだけでなく、応募者の質が劇的に変化しているのだ。

送られてくるポートフォリオには、誰もが知る大手ビジネスメディアや、有名カルチャー誌での執筆実績が並ぶ。かつては引く手あまただったはずのプロの中堅ライターまでもが、仕事を失い、新興メディアの門を叩いているのだ。

「ネットの情報をまとめて、綺麗に整える」。

その程度のスキルであれば、たとえベテランであってもAIには勝てない。クラウドワークスの決算が示したのは、「『書くだけ』の仕事は、もう人間がやるものではなくなった」という、残酷なまでの労働市場の決定なのだろう。

 

AI時代の生存戦略は「二極化」する

クラウドワークスの95%減益騒動。 それは、吉田社長が言うように「未来への投資(屈伸)」であると同時に、現場のライターにとっては「過去との決別(淘汰)」を告げる鐘の音でもあるようだ。

今後、生き残る道は二つしかない。 一つは、クラウドワークス本体のように、AIを使い倒して「上流(コンサル)」へ行くこと。もう一つは、AIが絶対に行けない「現場(一次情報)」へ泥臭く足を運ぶことだ。AIの流れを考えれば、必然的にそうならざるを得ない。

その中間にあった「そこそこのスキルで、パソコンの前だけで完結する仕事」は、2026年の今、完全に過去のものとなろうとしている。

 

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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