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肉料理「滋ぃ家」を潰したレバ刺し密告事件「店主の好意」を警察に売ったチンコロ客の正体

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滋い家、チンコロ客

「いつから日本人は、こんなにいじけた性格のヤツが多くなったのか」

学校の優等生キャラ気取りで、他人の些細なルール違反をあげつらう。そんな窒息しそうな社会の縮図とも言える事件が、滋賀県ののどかな町で起きた。

 

1月21日、滋賀県警に食品衛生法違反の疑いで逮捕されたのは、同県豊郷町で「肉料理 滋ぃ家(しぃけ)」を営む今村圭司容疑者(55)。加熱処理していない牛レバーを客に提供したという容疑だが、問題はその発覚の経緯だ。

そこには、かつての日本にあった「粋(いき)」や「人情」を真っ向から踏みにじる、陰湿な悪意が潜んでいた。

常連の仮面を被った裏切り

 

警察の発表によれば、店はメニューには記載せず、信頼できる「常連客」にのみ裏メニューとして提供していた。衝撃的なのは、そのレバーを提供された客が、あろうことか現物を店から持ち帰り、そのまま警察署へ提出したという事実だ。

店主は「旨いものを食わせたい」という一心で、リスクを承知で包丁を振るったはずだ。それは法的には許されないことかもしれない。しかし、その「店主の好意」を、点数稼ぎの道具のように警察へ売り渡す行為。

これを“チンコロ”と呼ばずして何と呼ぶのか。品性の下劣なヤツが、表立って呼吸することが許されるようになった今の日本を象徴するような出来事である。

 

「最後の悪あがき」としての理想郷

今村容疑者は、単なる金儲け主義の店主ではない。滋賀で生まれ、京都で『お肉』の技術を磨き、人生半世紀が過ぎた時、「最後の悪あがき」としてこの店を開いた。

「楽しく、居心地の良い、テキトーなお店をこの場所でスタートさせていただきます」

ホームページに残された言葉からは、気取らず、少し「テキトー」なくらいが丁度いい、大人の隠れ家を目指していたことが伝わってくる。店と客が「自己責任」という阿吽の呼吸で結ばれた、稀有な空間だったのだ。

 

「あいつのせいで憩いの場が…」地元民の激怒

そんなコミュニティの輪を、たった一人の「いじけた性格」の人間が破壊した。この裏切りに対し、足繁く通っていた地元の常連客たちは、腸が煮えくり返る思いを吐露する。

「あそこは普通に上手い店だったんです。大将は肉への想いが深くて、本当にお客さんに喜んでもらおうとしてた。それを……」(40代・男性常連客)

別のお店でレバ刺しを食べたことのある客は今回の事件をこうまくし立てた。

「俺もよく食うよ、自己責任でな。それが大人の暗黙の了解やろ。それを持ち帰ってチクリに行くなんて、人間のやることちゃうわ。日本人はいつからこんな陰湿な人間が存在を許容されるようになったんだろうな。別に気に食わんかったら無視しとけばいいだけなのに、それをわざわざチンコロしにいくなんて、ろくな死に方せんだろうし、させちゃいけないわな。お店に通っていた人間の楽しみも、このお店の大将の人生も無茶苦茶や」(50代・自営業)

 

窒息しそうな「正義」の暴走

もちろん、法は法だ。しかし、かつて日本社会の潤滑油となっていた「まあまあ、そのへんは」という曖昧さや寛容さは、もはや絶滅してしまったのか。

嫌なら断ればいい。二度と行かなければいいだけの話だ。わざわざ証拠として持ち帰るという周到さには、正義感というよりも、他人の足を引っ張ることに快感を覚えるような、粘着質な悪意すら感じる。

『滋ぃ家』の灯が消えた後、残されたのは「安全」な町と、チンコロするようなクソ客が我が物顔で闊歩する、とてつもなく「退屈で息苦しい」空気だけである。

 

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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