ージョッゴ株式会社の自社ブランドである『UNROOF』とのコラボレーションはどのような点での共感からスタートしたのでしょう?
冒頭の太田さんからのメッセージにもありましたが、『UNROOF』の事業部長を務める岩城弘佳さんとの商談では「障碍があっても、自分の可能性を信じられる社会を創る」というコンセプトが話題となることが多かったですね。岩城さんは普段は気さくで、柔らかな印象ですが、当時は真剣さや熱さがダイレクトに伝わってくるイメージでした。弊社は以前から障碍者雇用は積極的に進めていたものの、まだ改善できる余地はあるということで、岩城さんの熱い想いを信頼してコラボレーションを決めました。もちろんビジネスメリットも考えましたが、「ともに成長していきましょう!」という想いが合致したのが決め手でした。
ー『UNROOF』の品質やデザイン性についてはいかがでしたか?
バイヤーとして納得できないクオリティのものは一つも店頭に出したくないという思いがあるので、品質やデザインにはつい厳しい見方をしてしまうのですが、『UNROOF』の製品はどれも素晴らしかったです。
岩城さんから「主に精神・発達障碍を持っている方が製品を作っている」と聞いた時、実は私の中ではかなり良いイメージがあったんです。特定の障碍を持つ人たちは、一つの作業に並々ならぬ集中力を発揮することを知っていたので、職人にはピッタリじゃないかなと。
実際に『UNROOF』の工場(東京・久米川)にお邪魔し、製作工程を見学させていただいた時に、その期待は間違っていなかったと思いましたね。『UNROOF』は当初オーダーメイド中心だったためか、「注文してくださったお客様のために良いものを作るんだ!」という意識を強く持って、丁寧に作っている印象を受けました。
そういうコツコツとお客様の信頼を積み上げていく姿勢が、我々と合うんじゃないかと思ったことも覚えています。
UNROOFとのコラボレーション第二弾は、SHIPSならではの「時代に流されることなく本質を表現する」デザインを追求した。
ー「コツコツとお客様の信頼を積み上げていく姿勢」が原点だったのですね。
SHIPSの前身は、東京上野アメ横の1坪半の区画で始まった「三浦商店」という個人商店です。地域のお客様の顔を見て販売していた個人商店から始まった私たちと、目の前のお客様のために心を込めてモノづくりをする『UNROOF』は相性が良いだろうなと思いました。生産者と消費者の対話がベースにある『UNROOF』システムに、ものづくりの原点を感じたんです。
相乗効果を生み出す関わりを継続していきたい
ー今回のコラボレーションでどんな収穫がありましたか?
人事スタッフと工場に何度も足を運ばせてもらい、障碍を持つ当事者やともに働く方々にお話を伺う中で、多くの気づきを得ることができました。以前からかなり働きやすい職場環境だと思っていたのですが、さらに改善できる点が見つかりましたね。とても参考になることばかりで成長させていただきました。当初はほとんど知名度ゼロからスタートしたコラボですが、開始から2年経ってようやく一つのブランドとしてSHIPSに根付いてきた感じがしています。私たちの想いが詰まった商品を求めるお客様も多く、第二弾の商品を現在企画しているところです。
ー第二弾の商品はどういったものをお考えですか?
第一弾はまず『UNROOF』をご紹介するのが目的の一つだったので、革製品の仕様やデザインなど全て既存のままご提供していました。第二弾となる今回は、『UNROOF』をを理解した私たちが、SHIPSというフィルターを通して、魅力をより発揮できるように工夫したデザインとなっています。経年変化が少ない素材を使用し、スタイリッシュスタンダードをスローガンに掲げるSHIPSならではの「時代に流されることなく本質を表現する」デザインを追求しました。
老舗セレクトショップという看板に恥じないように細部まで、正直かなりうるさくこだわりました(笑)。同じ皮でもちょっとした油分の違いで見え方が変わるため、常にサンプルの素材を持ち歩き、蛍光灯や太陽光でどう変化するかといった細かいニュアンスもチェックしました。こだわりが詰まった自慢の製品ですが、より多くのお客様に手にとってほしいという願いから、ミドルプライスに設定しています。『UNROOF』と初めて一緒にゼロから作った素晴らしいボーダレスな製品ですので、ぜひチェックしていただけると嬉しいです。
ーありがとうございます。それでは最後にジョッゴ株式会社に今後期待することを教えてください。
今回コラボさせていただいたことで、ジョッゴさんは『UNROOF』の認知度を上げることができ、私たちは障碍者雇用について多くの示唆を得ることができました。そして何より『UNROOF』のモノづくりに対する真面目な姿勢に、我々の色が加わった素晴らしい製品を世に送り出すことができました。これからもともに成長し、お互い相乗効果を生み出す関わりを継続できたらと思います。ともに成長できるパートナーとして、どうぞ引き続きよろしくお願いします!
◎会社概要
社名 株式会社シップス
URL https://www.shipsltd.co.jp/
所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座1-20-15
TEL 03-5524-2255(代表)
Fax 03-5524-2277
代表 代表取締役社長 三浦義哲
創業 1975年