
東京・六本木での人間シャンパンタワー動画騒動は、現場にいたとされる丸の内レイナ氏によるLINE画像の公開や、プロモーションを疑う声の浮上など、新たな展開を見せている。
前回の記事で報じた「ADHDの薬」発言による批判の広がりから現在に至るまで、情報が錯綜する本件の推移と、背景にある暗黙のルールを巡る議論について整理する。
AI生成説の主張とSNS上での発信の変遷
動画の当事者として名指しされている経営者・坂井秀人氏は、SNS上での発信を続けている。
同氏は3日に自身のXアカウントで、ADHDに関する発言が不適切であったとして謝罪文を投稿した。いかに混乱の最中にあったとはいえ、自身の非を認めてすぐに謝罪する姿勢に対して好感の意を示したユーザーも一定数いたことだろう。
しかしその後、自身のSNSで新たな提案を行っている。
該当の投稿では、「SNSはリスクが高いのでアカウント削除するので、その代わり皆で動画はAIで作られた偽物だったと言う事実を作れないですか?」と記載されており、フォロワーに対し、動画がAIで作成された偽物であるという体裁を整えるよう協力を求めた。さらに、否定的なリプライを削除し、代わりに「AIの偽物」と書き込むことで、まとめサイト等での誤解を防ぎたいとする旨も記されている。この発言は、当初の「自身はAI生成動画の被害者である」という主張と矛盾する内容として受け止められた。
その後、坂井氏は再び姿勢を転換する。生成AI「grok」に対して「あの動画はAIで作れる?」と質問し、「作れる」という回答を得たとするスクリーンショットを添付。「AIがAIで作れるとハッキリ言っている」「AIじゃないと言うなら証拠出してください」と記し、AI生成説を重ねて主張した。こうした一連の投稿の変遷に対し、SNS上では事の真偽を巡る疑問の声が上がっている。
丸の内レイナ氏によるLINE画像の公開
坂井氏の主張に対し、現場にいたとされる当事者の一人、丸の内レイナ氏は自身のXアカウントで異なる見解を示した。
丸の内氏は「人間ピラミッドのトップの景色見れて、嬉しかったです。AIでは無くリアルです」と投稿し、動画の内容が事実であると主張。同時に、坂井氏と思われる人物から送られてきた長文のLINEメッセージのスクリーンショットを公開した。
公開されたメッセージには、「れいなさんがやったって発信したせいでそれ証拠に炎上してます」「あれ消してくれませんか?」という動画の削除要請が含まれていた。また、「炎上のせいで家庭内やばくて、切られる取引先と(中略)経済的な損失ヤバすぎてこれ全部れいなさんに請求することになるけどいい? 今消してくれたらこの責任は問わないんで」と、経済的損失を同氏に請求する可能性に言及する内容も確認できる。
さらに、「これやるために必要な金額あるなら言ってください」「あの時少ししか渡さなかったのはごめんなさい」という記載もあり、何らかの金銭の授受があったことを示唆する文面となっている。
暗黙のルールへの言及とSNSの反応
公開されたLINE画像の中には、次のような一文も含まれていた。
「ああいう飲みは何があっても口外しないのが暗黙のルールみたいなとこあって。そうじゃなきゃ僕の接待や他で悪さしてる人達が安心して飲めないですよね?」
一般論として、当該動画のような行為は倫理的な観点から批判の対象となり得るが、一方で、特定のコミュニティ内における「クローズドな場での取り決め」という観点からは、この主張に一定の合理性を見出す意見もある。
あるライターのXでの投稿によると、この騒動は「金持ちが金で『尊厳』を買う遊び」であり、「結局男性から金で買われていて、そのレベル感が違うだけなのに、一生その立ち位置で女同士はプライドや顔面をかけている時がある」と、夜の街におけるヒエラルキーの構造について指摘している。多額の金銭が介在し、参加者が合意の上で同席しているのであれば、それを外部に持ち出す行為は該当のコミュニティにおける重大なルール違反にあたるという見方である。
一方で、行為そのものへの嫌悪感を示す声も根強い。別のXユーザーの投稿によると、「何よりもすごいと思うのは、女性ってあんな犬畜生以下の下卑た扱いを受けても、なお売女業であることのステータスに固執してしまう生き物だということよな」と、尊厳を対価とする構造そのものへ厳しい意見を投げかけている。
プロモーションを疑う声と残る疑問点
当事者間の主張が対立する中、事態を俯瞰する層からは、一連の騒動が巧妙に仕組まれたプロモーション(いわゆるヤラセ)ではないかと推測する見方も出ている。
映像制作に関わるあるXユーザーの投稿によると、「どのアングルで撮影しても、女の子の顔が絶妙に映り込んでいない」という映像の不自然さに触れ、「バー行く→テコ呼ぶ→お金払ってこのシーン撮影※撮影前提だからわざわざマスクつけてる→リークポストを流す→ある程度伸びる→レイナさんやらなんやら参戦で2時バズ→ニュースいっちょ上がり」と、事前の筋書き通りに進んでいる可能性を示唆している。
告発から情報の拡散、そして当事者の登場という一連の流れがスムーズに展開していることから、何らかの意図を持った炎上マーケティングを疑う声が一定数存在している。
しかし、この推測には疑問点も残る。仮にプロモーション目的であった場合、一人の経営者として実名と顔を出している坂井氏が負う社会的信用の失墜というリスクが、あまりに大きすぎるという点である。虚偽の釈明や疾患に対する不適切な発言などで批判を浴びる状況は、プロモーションの代償としては不釣り合いであるとの指摘もある。
交錯する情報と今後の展開
該当の動画がAIによる生成物なのか、事実の記録なのか、あるいは意図的なプロモーションなのか。
丸の内レイナ氏によるLINE画像の公開により新たな情報が提示されたが、SNSというプラットフォームの性質上、公開された画像自体の真偽を含め、確定的と言える客観的事実はいまだ少ない。本件が浮き彫りにしたのは、特定のコミュニティにおける特異な遊興の実態と、不確かな情報が瞬時に拡散・消費されるSNS社会の構造的な特性である。事の真相については、当事者からのさらなる説明を含め、事態の推移を客観的に注視していく必要がある。



