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化粧品開発展に注目のエコ素材「バナナクロス」が登場

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廃棄物をおしゃれな資材に変える挑戦

アイグッズの当日のブースイメージ
当日のブースのイメージ(提供:アイグッズ)

東京ビッグサイトで2025年1月15日から3日間にわたり開催される「第15回 化粧品開発展」に、アイグッズ株式会社が出展する。同社は「エコでおしゃれな完全オリジナル資材」をテーマに、65種類以上の梱包・資材を展示する予定だ。

中でも注目を集めているのが、廃棄予定のバナナの茎を再利用した新素材「BANANA-CLOTH®」だ。

廃棄物を資源へ、バナナの茎から生まれた新素材

BANANA-CLOTH®を使ったおしゃれなサンプルを豊富に展示予定
BANANA-CLOTH®を使ったおしゃれなサンプルを豊富に展示予定提供:アイグッズ

バナナは世界中で人気の果物だが、これまで食用部分以外は廃棄されてきた。年間約10億トンにも及ぶバナナの茎が、環境負荷の原因となっていた。しかし、アイグッズが今回展示する「BANANA-CLOTH®」は、バナナの茎を繊維化して再利用することで、廃棄物を資源へと変える画期的な素材だ。

バナナファイバーとは

「BANANA-CLOTH®」に使用されるバナナファイバーは、バナナの茎をアップサイクルして作られる再生素材である。その特徴は、リネンに似たシャリ感のある手触りと、優れた吸水性にある。バナナの茎1本から得られる繊維はごくわずかだが、成長が早く、環境への負荷が少ない点がエコ素材としての大きな魅力だ。

原料はバナナ?
提供:アイグッズ

バナナファイバーの主なメリット

メリット説明
ごみの削減廃棄されるバナナの茎を再利用することで、ごみ問題の解消につながる。
環境保護焼却処分によるCO2排出を抑え、環境保全に貢献。
新市場の創出アップサイクル素材の普及が新たなビジネスチャンスを生む。
高い汎用性繊維としてさまざまな生地に加工できる。

バナナファイバーの主なメリットとして、「ごみの削減」「環境保護」「新市場の創出」「高い汎用性」が挙げられる。一方で、課題もある。まだ知名度が低く、バナナの茎すべてが繊維化できるわけではないため、安定した供給体制の確立が今後の課題となる。

消費者の心を掴む新しい梱包・資材

アイグッズはこれまでに3,000社以上の企業にオリジナルグッズを提供してきた実績を持つ。同展示会では「生地」「形状」「デザイン」の3つのカテゴリに分けた展示を行い、来場者がグッズ制作の流れを体感できるよう工夫している。

「形状コーナー」では、エコバッグや巾着、風呂敷など、多様な形状のサンプルが並ぶ。中でも透明素材を部分的に使った巾着袋は、中身が見える工夫が施されており、実用性とデザイン性を兼ね備えたアイデア資材として注目されるだろう。

また、「デザインコーナー」では、「ラグジュアリー」「ナチュラル」「シンプル」の3つのテーマに基づくオリジナル資材が展示される。ブランドの世界観に合った資材を提案することで、より強いブランドメッセージを消費者に伝えることが可能になる。

ステークホルダーからの評価

アイグッズのコーポレートサイトを見ると、顧客からは、同社の対応力と品質の高さに高い評価が寄せられている。花王グループの担当者は「アイグッズさんの提案力は非常に優れており、抽象的な要望にも具体的なアイデアをたくさんいただけた」と語っている。特に「1を伝えたら10のアイデアが出てくる」姿勢が印象深く、実際に制作したノベルティグッズはSNSでも話題となり、販促効果を高めたという。

また、タカラトミーの担当者も「細部にまで心遣いを感じられる製品づくりに感銘を受けた」と評価。新型コロナウイルス対策グッズとして依頼したオリジナルアルコールスプレーについても、スケジュール通りに細かな修正対応を行い、取引先に好評だったと述べている。

SDGsを意識したブランド作りを支援

アイグッズの取り組みは、単なる資材提供にとどまらない。同社は、「梱包・コスメ資材はメイン商材を引き立てる存在」との考えのもと、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した商品開発を行っている。

バナナは「自然」「健康的」「ナチュラル」の象徴であり、化粧品ブランドとの親和性が高い。これまで廃棄されていたバナナの茎を活用することで、環境に配慮したブランドイメージを消費者に訴求できる。アイグッズは、廃材を資源化するアップサイクルの取り組みを通じて、消費者に新しい価値を提供している。

展示会の見どころと来場者特典

展示会期間中、アイグッズのブースでは実際の資材サンプルを手に取って確かめられるほか、同社の営業担当者と直接相談することができる。また、名刺を交換した来場者には、化粧品業界向けの『グッズ制作アイデアブック』(全28ページ)が特典として配布される。

このアイデアブックは、新しいグッズ企画の方法や制作期間のポイントをわかりやすく解説しており、自社の企画にすぐに役立てることができる内容だ。名刺交換が条件となるが、貴重な情報源となることは間違いない。

未来を切り開くエシカル消費の一端を担う

アイグッズは、オリジナルグッズ制作を通じて、持続可能な企業活動を支援することを目指している。廃材を新たな資源に変え、環境負荷を低減しながらも消費者に魅力的な商品を提供する。同社の取り組みは、単なる製品開発にとどまらず、エシカル消費の推進や、SDGs達成に向けた新たなビジネスモデルの構築に貢献している。

今回の展示会は、化粧品業界における梱包・資材の新たな可能性を探る絶好の機会となるだろう。持続可能な未来のために、バナナの茎がどのようにおしゃれな資材へと生まれ変わるのか。その現場を目にしたい企業担当者にとって、見逃せないイベントだ。

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ライター:

株式会社Sacco 代表取締役。一般社団法人100年経営研究機構参与。一般社団法人SHOEHORN理事。週刊誌・月刊誌のライターを経て2015年Saccoを起業。社会的養護の自立を応援するヒーロー『くつべらマン』の2代目。 連載: 日経MJ『老舗リブランディング』、週刊エコノミスト 『SDGs最前線』、日本経済新聞電子版『長寿企業の研究』

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