食品メーカーのZENB JAPAN(ゼンブ ジャパン、以下ZENB)は、伊豆シャボテン動物公園と提携し、動物のおやつ市場に参入する。これまで廃棄されていた野菜の皮や種まで活用した「まるごと野菜」を動物のおやつとして提供、フードロス削減と動物福祉の両立を目指す。
「まるごと野菜」で食品ロス削減と新たな価値創造を
ZENBは、これまで野菜や豆をまるごと使った食品を開発・販売してきた。食品ロス削減への関心の高まりを受け、これまで廃棄されていた野菜の皮や種まで活用する「まるごと野菜」の取り組みを強化。栄養価の高さに加え、環境負荷の低減といった点でも注目を集めている。
今回の取り組みは、食を通じた社会課題解決を目指す株式会社ゆとりの空間(東京・目黒)の代表であり、料理家としても活躍する栗原心平氏が懸け橋となり実現した。ZENBと伊豆シャボテン動物公園、ゆとりの空間の3社が連携し、人と動物、そして地球にとって良い食のあり方を目指す。
動物園との連携で「まるごと野菜」を動物のおやつに
今回の提携は、ZENBの「まるごと野菜」を動物のおやつとして活用することで、新たな販路を開拓するとともに、動物福祉の向上に貢献することを目指すものだ。伊豆シャボテン動物公園では、ZENBが提供する「まるごと野菜」を使ったおやつを、カピバラやリスザルなどの動物に提供するほか、来園者も参加できるイベントなどを開催する予定だ。
料理家である栗原氏は、今回の取り組みについて「食材を無駄なく活用し、人にも動物にもおいしい食をお届けすることで、フードロスなどの食に関する問題解決にもつながるような、地球にやさしい食のあり方を考えるきっかけになればと願っています。
ZENB、伊豆シャボテン動物公園、そしてゆとりの空間が手を取り合い、アイデアを集め、それぞれのビジョン実現に向けたアクションを続けることで、社会課題の解決につながる素晴らしい食の未来を目指したいと考えています。」とコメントしている。
成長続く動物おやつ市場、「まるごと野菜」で差別化図る
動物おやつ市場は、ペットフード市場と同様に近年成長を続けている。特に、健康や安全に対する意識の高まりから、高品質な原材料を使用したおやつへの需要が高まっている。「まるごと野菜」を使ったおやつは、フードロス削減、動物福祉、健康、安全といった点で、従来の動物おやつにはない価値を提供できる可能性を秘めている。
ZENBは今後、伊豆シャボテン動物公園での取り組みを皮切りに、他の動物園や水族館への展開も検討していく方針だ。また、「まるごと野菜」を使った動物おやつ専用の商品開発や、ECサイトなどでの販売チャネル も視野に入れている。