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株式会社土屋

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〒715-0019岡山県井原市井原町192-2久安セントラルビル2F

050-3733-3443

地域との共創で社会に希望を

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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tsuchiya_高校生イベント ファイティングポーズ
(画像提供:土屋(以下同))

土屋グループでは創立当初より地域との共創を視野に入れ、さまざまな社会課題に取組んできました。現在、それが実を結びつつあり、地域の活性化の一助となっています。今回は、「閉鎖性からの脱却」および「地域の橋渡し」をテーマに、土屋グループの取組みの一端を、企業における共創の意義を踏まえてお伝えします。

共創がもたらす社会への貢献

介護業界は現在、倒産件数が毎年過去最多を更新するなど、厳しい局面に立たされています。その大半が介護業界を支える中小零細企業であり、その理由として経営体力の脆弱さが挙げられます。

介護事業所は国の予算で運営しているため、単品経営であれば、その箇所の報酬単価削減が起きると即座に潰れます。倒産を避けるには、潰れにくい経営体質になること、すなわち事業の多角化、協業および共創が非常に重要となります。

一方、社会保障費が膨らみ続ける現状では介護報酬の増額は期待できず、介護業界の今後の流れとして、大手が経営体質の脆弱な中小零細企業を吸収し、運営していくことは疑い得ません。

当社は創業3年で従業員数約2,500名、売上50億円超と、業界では大手となりますが、今までに10件以上のM&Aを手掛けてきました。対象の多くが、年商約3,000~5,000万円の中小零細企業に当たります。

中小零細企業が倒産すると、利用者はサービスを受けられなくなり、介護従事者は失業するなど、社会に深刻な影響を及ぼします。そのため当社では、倒産の手前で事業者を救い上げ、利用者・介護従事者をサポートするという社会貢献的なビジョンの下、M&Aを積極的に推進しています。

今回は、そのような形で子会社化した有限会社ノーマルライフ(デイサービス・グループホーム)の地域連携プロジェクトについて責任者・杉隆司より報告するとともに、当社のCSR活動として地域に根差して活動を続ける子育て支援事業・ベビーサロンメイについて管理者・野呂一樹より紹介し、地域との共創がもたらす社会課題の解消についてお伝えします。

(有)ノーマルライフとの取り組み

tsuchiya_杉隆司
~株式会社土屋 顧客創造部長・(有)ノーマルライフ代表 杉隆司~


①スケッターの活用による高校生イベント

株式会社土屋は2022年11月、スケッター事業を運営するプラスロボ社(東京都港区)と資本業務連携を行いました。スケッターは、「無資格・未経験の方でも隙間時間で働ける」をコンセプトとする有償ボランティア事業であり、介護資格を必要としない業務を有するデイサービス等高齢者事業において汎用性が高くあります。

当社では2023年4月、高齢者事業(デイサービス・グループホーム)を運営する(有)ノーマルライフ(東大阪市)をM&Aにより子会社化したことから、当施設にてスケッターの導入を開始し、現在まで11回の受け入れをしてきました。

今回は、近隣にある大阪府立みどり清朋高校・地域貢献部との共創で、2023年9月に当施設内で「ヒーローショー」が開催されました。

同校の地域貢献部は、以前より川辺の清掃活動や、保育園等でヒーローショーを行っていましたが、生徒の活動の場を広げようと、顧問である野口雄史教諭がたまたま目にしたスケッター事業に応募したことがきっかけで動き始めたものです。

tsuchiya_高校生イベント ヒーローショー
ヒーローショーの様子

②イベントで紡がれた価値
今回のヒーローショー・中河内戦隊「セイホージャー」は、当施設のレクリエーションの一環として、ショーに声出しやストレッチなどの軽運動を組み込むことで高齢者向けに作り変えて行われました。

野口教諭と生徒2名が、23名のご利用者と約10名のスタッフの前で実演し、ヒーロー・セイホージャーが怪人に倒されそうになると、ご利用者から「おい、頑張れ」という声が飛んだり、「セイホージャー」という掛け声を何回も取り入れたり、ヒーローにパワーを与えるために手を伸ばしてストレッチするなど、非常によい運動にもなりました。

なにより、ご利用者の眼差しが真剣で、普段は無表情で過ごしているご利用者でさえもずっと笑っている状況で、テンションもみな高く、記念撮影ではファイティングポーズを取られたり、順番待ちになるなど活況を呈しました。

生徒の方も高齢者向けということで最初は不安だったようですが、非常に楽しかったという感想もいただけましたし、なにより野口先生が活動の場が広がったことに喜ばれ、今回は参加できなかった部員とともに、今後もいろいろなショーを続けさせてほしいと、ありがたいお言葉もいただきました。当施設としても、ご利用者にとって非常に良い刺激になったことから、継続して取組みを行いたいです。

tsuchiya_高校生イベント ストレッチ
ヒーローと共にストレッチ

③スタッフの変化に見る閉鎖性からの脱却
今回のイベント開催で、なにより大きかったのがスタッフの変化です。ご利用者・スタッフともに近隣住民であり、自宅から施設に来られると、施設の中ですべてが完結してしまうことから、「施設の閉鎖性」が最大の課題となっています。

かつ、多くの事業所が経営に苦労する中で、いかに現状を回し事業を運営するかという目の前の仕事に掛かりきりになり、外からの情報や刺激もない中で、外に向けた思考をする余裕もありません。そういう負のスパイラルに陥っているのが、施設系の現状です。

介護業界は変化を嫌うという側面は確かにありますが、こうした中で新しい考えを上から降ろされても、変化自体がスタッフにとって負荷としか受け止められません。実際、今回のイベントを開催する前は、内部の反発も少なからずありました。「今のままでも悪くないのに、なぜわざわざそれをするのか」と。

けれど、実際に行ってみると面白く、なによりご利用者の変化にスタッフが喜んでいました。「普段そんな顔しないのに」と、ジェラシーを感じている人もいるくらいで(笑)そこから、日常の業務にも変化が起こりました。ミーティングでは、レクリエーションに関して「マンネリ化してたのかな」「流れでやってたのかな」という言葉も出て、その後は新しいレクリエーションを一から作ったりと、幅も広がっています。

また、今回のイベントはローカル新聞にも掲載され、Yahoo!の記事にも上がりました。スタッフも自分の勤めている会社が公に取り上げられたことに、「私たちの施設がこんな記事になるなんてすごい」とテンションも高まり、「次はどんなイベントをしよう」と、前向きな発言や行動にもつながっています。河内音頭や紙芝居、人形劇をできる人を連れて来てくれたりと、地域との接点も増え、非常に良い効果が出ています。

変化もプラスの感情にもっていければ内向から外交へと変わっていくことが実感できたため、今後も引き続きスケッターを活用し、脳トレピアノやシニアダンスを予定しています。


④今後の取り組み
「閉鎖性」をなくすためにも地域との連携は大切ですが、人材不足が危惧される介護業界では人材確保のためにも地域との協業は欠かせません。とりわけ地域密着型の高齢者施設ではマーケットも施設周辺に限られるので、いかに地域の人に「知ってもらうか」が大切です。

今回の高校生スケッターの件では、他事業所からもご質問等をいただきました。今後もイベント等を積極的に行い、それによってもたらされた効果や、新たな取り組みなどを発信していくことで他事業所や地域とのつながりを作り、同時にスタッフやケアマネジャーの信頼度を高めることで、ご利用者等の獲得につなげていく方針です。

また、事業所間で送迎ドライバーやスタッフの交流・共有を図ることで、各事業所の継続や人材不足の解消の一助としたいと考えます。

■地域子育て支援・ベビーサロンメイの活動

tsuchiya_野呂一樹
~株式会社土屋 障害者日中活動支援チーム ゼネラルマネージャー・野呂一樹~


1.地域に根差した活動を
子育て支援事業・ベビーサロンメイは、当社のCSR活動(テラテット)の一環として、2021年夏に広島県福山市能島で活動を開始しました。2022年秋には同市津之郷に拠点を移し、古民家を改装した広々とした空間で、保育士2人による無料預かり保育を中心に、子育て中の母らの孤立化を防ぎ、地域の人と人とを繋ぐ橋渡しを軸とする保育事業を行っています。

具体的には、地域の母親らに気軽に訪ねてもらい、乳児から幼児までのお子さんを預かったり、親御さん方が悩みを相談・共有したりする交流の場を作ったり、毎月1回ベビーマッサージのイベントを開催するなどしています。

古民家のオーナーが当活動に非常に強く賛同してくださっていることから、お借りした畑で芋掘りをしたり、地域のプロジェクトである津之郷祭りや七夕まつりに参加してお手伝いなどもしています。今後は地域住民のご好意でブドウ狩りなどもさせていただく予定です。

tsuchiya_メイ 外観
子育て支援事業・ベビーサロンメイ 外観

②地域の橋渡し

津之郷は、細い道路を挟んで旧市街地と新興住宅地に大きく分けられ、当施設は旧市街地に属します。事業のターゲットが新興住宅のお母さま方という関係から、ベビーサロンメイは旧市街地と新興住宅の橋渡し役を担うべく活動していますが、課題が大きく二つあります。

一つは新興住宅地における母親の「孤立化」です。離れた地域から引っ越して来られた等で住民の多くが核家族であり、周りに知り合いもおらず、一人で子育てをしていかねばならないのが現状です。

そうした中でストレスが溜まったり、うつの発症や虐待につながることもあるので、ベビーサロンメイでは一緒に手遊びをしたり、本の読み聞かせなどをすると共に、保護者同士で和やかに話せる時間を作っています。そうすることで母親の孤立化を防ぎ、問題を抱えている場合は早期に発見して、行政につないでいくことも大切な役割としています。

二つ目の課題は、地域が抱える問題です。旧市街地は高齢化と孤独化が進み、古くからの土地の文化や風習、価値観や年齢の相違ゆえに、時には新しい住民との摩擦が引き起こされます。近年、ニュースなどでも、引っ越ししてきた人が自治会に入らない、地域とかかわりを持たない、逆に新しい住民が土地の決まり事を押し付けられて断絶が深まっていくなどの地域問題がよく取り上げられます。こうした中、ベビーサロンメイでは、子どもを通じた地域のパイプ役として、新旧の間をとりもつ活動に力を入れています。

2.口コミによる知名度の高まり

ベビーサロンメイが津之郷で事業を開始する前は、「昔からある保育園をつぶす気なのか」といった空気感が確かにありましたが、保育園に入れないお子さんがベビーサロンメイのターゲットであるなどの丁寧な説明をした上で運営を開始したことでトラブルもなく、最近では旧市街地の高齢者の方も「何してるの」と、ふらっとよく訪れるようになりました。

草刈りや芋を植えていると、近所の人が「そんなやり方じゃダメ」と色々教えてくれたりもします。もっとも、畑にハブが出るようになって、芋も猪が食べつくしてしまったので野外活動は中断中ですが、これも地域との共生ですね。

また口コミが広がって、新興地域の住民の方が「ここで子どもを見てもらえるって聞いたんですけど」と訪ねてこられることも多くなりました。ベビーサロンメイの活動で旧市街地と新興住宅地の交流も増えて、人が和んでいっている様子が見えますし、地域活性化の一助となっているように思われます。

ただ、大盛況すぎて手が回らなくなりつつあるので予約制に移行する予定で、人員不足が新たな課題となっています。


④今後の展開
今後は、同じ思いを持っている保育士を増やして福山市で二店舗目のベビーサロンメイを作ったり、他の地域にも設立するなどして、地域に根差した事業を展開していきたいです。また、福山市では医療的ケア児が多く、運営の中で感じたニーズもあることから、それらを事業化するなどして、事業の幅を広げたいですね。

先日、朝日新聞に掲載された当社の広告を見て、保護者の方が「土屋さん、すごいですね」と感想を下さいました。全国規模で事業を展開している土屋が、津之郷という一つの地域に根差してCSR活動をしていることで当社自体の評価を上げている印象がありますし、重度訪問介護を知らない方にも、その存在を知っていただけることが価値だと考えます。

多くの一般の方に当社の重度訪問介護サービスの存在を知っていただくことで、障害を持っている方への声掛けにもつながる機会になると思いますので、当社にとっても、こうしたCSR活動は良い影響を及ぼしていると感じています。

tsuchiya_メイ 親子

◉会社概要
会社名  :株式会社土屋 https://tcy.co.jp/
所在地  :岡山県井原市井原町192-2 久安セントラルビル2F
代表取締役:高浜 敏之
設立   :2020年8月
事業内容 :障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業、介護保険法に基づく居宅サービス事業、講演会及び講習会等の企画・開催及び運営事業、研修事業、訪問看護事業

◉代表プロフィール
高浜_土屋
高浜 敏之
1972年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学文学部哲学科卒。大学卒業後、介護福祉社会運動の世界へ。自立障害者の介助者、障害者運動、ホームレス支援活動を経て、介護系ベンチャー企業の立ち上げに参加。デイサービスの管理者、事業統括、新規事業の企画立案、エリア開発などを経験。2020年8月に㈱会社土屋を起業。代表取締役兼CEOに就任。2023年1月には、重度障害者を24時間在宅で支援する重度訪問介護事業所「ホームケア土屋」を全国47都道府県に広げる。ALSなどの難病や重度の障害があっても、望む地域で望む人と安心して暮らせる社会の実現を目指し、日々奔走している。

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