タブレットによる自習教材を提供するRISU Japan株式会社。
従来の教材では限度があった子ども一人ひとりに合わせた学習も、タブレットが苦手を自動で探知し、その子のレベルに合わせた最適な学習を行うことができることで支持されています。
今や学校でも当たり前となりつつあるタブレット学習ですが、地域によって「ネット環境が整っていない」「タブレットに教員が慣れていない」など、教育格差があることが課題です。
「質の高い教育をみんなに」という想いを込めた、RISU Japan株式会社の取り組みをご紹介します。
RISU Japanの特徴は「算数」に特化していること
さまざまな会社でタブレット学習のサービスが出ていますが、私たちRISU Japanの大きな特徴は「算数に特化している」ということです。
また、計算塾やそろばん塾との違いとして、ただ計算問題ばかり解かせるようなものではなく豊富な応用問題や文章問題を織り交ぜています。
では、なぜ算数に力を入れているのか理由を3つお伝えします。
①算数は積み上げ式の教科
たし算・ひき算・わり算・かけ算の基本がきちんとできないと、その発展である四則混合計算はできません。
また、「位」「単位」「図形」を苦手に思う小学生も多くいます。授業でつまずいた箇所を理解できないまま進んでしまうと内容についていけなくなり、ますます苦手になってしまうのです。
将来、理数系に進むということがないとしても、買い物の計算や時計・時刻、目盛りの読み方など、私たちの日常には算数的な考え方があふれています。
数や計算の基本原則を理解していないと子どもたちも暮らしづらさを感じるでしょう。
②子どもたちと教師の間に意識のギャップがある
3年生から6年生の子どもたちに苦手科目を聞くと、およそ4割の子どもたちが算数であると答えています。(※1)
集団で行う学校の授業ではわからないことがあったときにその場で質問し解決することが難しく、理解できないまま進んでしまいがちです。
また、子どもたちは問題が解ける・解けない、理解できる・できないのほか、そのときの親・教師といった大人がどうリアクションをしたかによっても、算数に対する好き・嫌いの意識が分かれていきます。
では、先生方は算数を教えることについてどう思っているのでしょうか?なんと、8割以上の先生方は「算数を教えるのは得意」という意識を持っているというデータが出ているのです。(※2)
それゆえに、授業をもっとより良くしようという向上心が湧きづらく、子どもたちに対する目配りもおろそかになってしまうことも。
算数を教えることが本当に得意であれば、子どもに苦手意識を持たせることもないでしょう。
しかし、皮肉なことに子どもたちと教師の間で算数に対するギャップが起こっているのです。
③将来に必要な「考える力」が身につく
現代はAI(人工知能)の発展により、将来多くの仕事が機械に変わっていくというのを聞いたことがある方も多いでしょう。
今後私たち人間に求められるものは「人間ならではの思考力・クリエイティブを必要とする仕事」や「人と接する仕事」が主になると考えられています。
それらの仕事には論理的に考えたり、周りの人たちとコミュニケーションをとったり、そして計画的に物事を進めていったり、という力が必要です。
これらの能力は簡単に身につくものではなく、幼少期からの経験を積み重ねていくことで育まれていきます。
算数の問題を解くことは、①現状を把握し、②方法を考え、③解決する、という3ステップです。このステップは日常生活にある「問題解決」などとまさに同じと考えていいでしょう。
よって、算数にきちんと取り組むことは考える力を育む土台になるのです。
子どもたちがつまずいている箇所を把握し、きちんとつまずいた箇所まで戻って学習すること。
また、学校の授業だけに任せっきりにしないこと。そして勉強に関わる時間をとれないご家庭でも算数に取り組み、子どもたちの考える力を身につけること。
これらをふまえ、算数をもっと身近に効率よく学べるように特化したタブレット学習を提供しています。
教育で子どもの未来は広がっていく
家庭でのタブレット学習サービスの提供にとどまらず、これまでRISU Japanはタブレットを通じ国内外でさまざまな学習支援活動をしてきました。
その中でも特に教育の大切さと可能性を改めて実感したのが、2016年に行われたマーシャル諸島の子どもたちへの支援です。
当時のマーシャル諸島は道路やインターネット環境が整いつつありましたが、教育に関しては税金が回らず、また授業を行える教師の数が足りていないという状況でした。
「このままでは子どもたちの未来が育たない、教育の悪循環を終わらせたい」と、RISUタブレットを全国学力ワースト1の学校の子どもたちに贈ることを計画したのです。
この計画はクラウドファンディングによって多くの賛同を得て、海外青年協力隊、現地のボランティアスタッフ、先生などたくさんの方々の協力のおかげもあり実現することができました。
そして、見事全国トップの成績向上幅の成果をあげ、子どもたちの将来のチャンスに繋げることができたのです。
「教育を手助けできるツールが届けば、どんな子どもたちでも未来のチャンスは確実に広がる」ということを実感した活動でした。
日本も直面している「教育格差」
先ほどのマーシャル諸島のように、「教育格差」と聞くと海外の発展途上国の子どもたちを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
教育格差とは、「生まれ育った環境や境遇によって受けることができる教育が不平等になること」を意味しますが、現代の日本もこの教育格差の危機に直面しているのです。
都市への人口集中に伴う教員の人員不足、公立校と私立校で利用できる設備や施設の差などは以前からあり、2020年に流行した新型コロナウィルスによりさらにこの格差は浮き彫りになりました。
学校が一斉休校になったときほとんどの学校でオンライン学習がスタートしましたが、ネット環境やタブレット配布が間に合っていなかった学校があったり、教員不足によって充分なカリキュラムを作れなかったり学校間での差が広がっていたことは事実です。
また、追い討ちをかけるように親の休業・失業による収入減など、家庭の経済状況の悪化による「子どもの貧困」も深刻化しています。
「住んでいるところが過疎地で教員が足りていない」「都市と比べて学習ツールが遅れている」という地理的理由。
「将来やりたいことがあるのに、塾や参考書に支払う余裕がない」「家庭環境の変化によって、これまでのように教育を受け続けるのが難しくなった」という経済的理由。
また、「難病を抱え学校に通うことが難しい」という身体的理由など、さまざまな事情を抱えている子どもたちが国内にはたくさんいるのです。
学ぶチャンスを広げていく「学びのバトンプロジェクト」
RISU Japanはマーシャル諸島支援の実施、日本国内の教育格差の件をふまえ、2017年から「学びのバトン」というプロジェクトを続けています。
RISUのタブレット学習を卒業した子どもたちの使わなくなったタブレットを回収し、学びたくても学べない困難を抱えた子どもたちへ貸与する活動です。
普段のRISUタブレットと同じように、東京大学をはじめとするトップ大学の先生たちによる動画での解説や、個別フォローアップサービスを無料で提供し、タブレットの配送料・返却料も一切かかりません。
wi-fi環境があれば、過疎地や病院など日本のどこであっても学習できることが大きなメリットです。
コロナ禍においても学びのバトンはその役割を果たしました。休校措置で学習の遅れが生じ、オンライン学習環境が整備中だった沖縄の多くの子どもたちに利用されたのです。
そして現在も、大学がないため子どもたちに勉強を教える塾講師の人材が確保できない奄美大島において、オンラインでの学習の場を提供するなど、学びのバトンは広がり続けています。
教育をすべての子どもに届けていくことは、日本全体の課題です。SDGsの17の目標のひとつでもある「質の高い教育をみんなに」、RISU Japanはこれからもその一翼を担い続けていきます。
◎企業概要
名称:RISU Japan株式会社
代表者:代表取締役 今木 智隆
住所:〒113-0033 東京都文京区本郷3-21-8 ケイアイビル6F
URL:https://www.risu-japan.com/
資本金:7,000万円(資本準備金含む)
社員数:79名(パート・アルバイトを含む)
設立:2014年7月16日