「日本の天然水の価値を伝えていきたい」と語るのは、良質な天然水をウォーターサーバーを通じてご家庭に提供しているプレミアムウォーター株式会社。
日本有数の水源地から採取した天然水を、おいしさもミネラル分もそのままに保つ非加熱処理を施してそれぞれのご家庭やオフィスにお届けしています。
私たちが将来にわたっておいしい水を飲めるようにするためには、水を育む採水地の環境保全が重要です。そのため、プレミアムウォーターではSDGsにも非常に力を入れています。
今回は、プレミアムウォーター株式会社が考える「水と地方創生」そしてSDGs、ステークホルダーへの感謝の言葉についてお伺いしました。
自然本来のおいしさにこだわった天然水を届ける
-プレミアムウォーターさまの事業内容について教えていただけますか。
プレミアムウォーター株式会社では、ウォーターサーバーをご家庭にレンタルし、厳選した全国の水源地から採取した天然水をご家庭にお届けしています。
日本は火山国なので、地層由来のミネラルが自然と水の中に溶け込み、ミネラルバランスが非常に良いお水になるのが特徴です。
硬水が多い海外の天然水に対して、日本の天然水は飲みやすい軟水。日本の文化である和食やだしのおいしさを引き出します。
-他社と比較した場合に、プレミアムウォーターさまの強みはどういったところにあるのでしょうか?
当社の強みは、自然本来のおいしさにこだわった天然水を提供していることです。
厳選した水源地を選ぶことはもちろん。水の処理にもこだわっています。
水のおいしさや品質を決める条件の1つに、水に溶け込んだ酸素、つまり「溶存酸素」があります。しかし、溶存酸素は加熱すると失われてしまいます。
当社では水質の高さやおいしさの目安となる溶存酸素を保つために、フィルターなどで除菌する「非加熱処理」を施し、自然に近い状態でご家庭にお届けしています。
当社が取り扱う全ての天然水は、国際的権威ある食審査機関 「モンドセレクション」の2022年度の審査にて、優秀品質最高金賞及び優秀品質金賞※1を受賞いたしました。優れた品質は世界でも高い評価を多くいただいております。
※1:優秀品質最高金賞:北アルプス・吉野・朝来、優秀品質金賞:富士吉田・富士・金城・南阿蘇(採水地:岐阜北方を除く)
-水質だけでなくおいしさを保全する処理にもこだわっているということですね。ほかにはどのようなことで他社との差別化を図っているのでしょうか。
当社は製販一体型の経営を行なっています。ウォーターサーバーの開発からお水の製造、品質管理、販売、アフターフォローまで全て一貫しているのが特徴です。
そのため、製品の利便性や、お客さまから求められているサービスや要望を素早く反映できる体制が整っています。
例えば、お水の追加注文や定期配送日の確認・変更など、他社ではコールセンターに電話したり、PCのWebサイトから設定したりするなど手間がかかりますが、当社では公式アプリやLINEアカウントで簡単に設定変更できます。
こうした利便性においても当社を選ぶ方が多くいらっしゃいます。
また、お水の購入金額に応じて「プレミアムウォーターポイント」を付与しており、貯まったポイントは契約者限定の EC サイト「プレミアムモール」で1ポイント(=1円)からご利用することができます。
当社は、製販一体型のメリットを生かし、お客さまにより満足いただけるサービスの開発・提供を心がけています。
日本の天然水には唯一無二の価値があることを、ウォーターサーバーを通じて伝えたい
-御社の社会的意義や、事業を通しての社会的価値についてはどのようにお考えでしょうか?
当社は経営理念として「日本の天然水の価値を日本人へ、そして世界の人へと発信する」ことを掲げています。
さらに当社プレミアムウォーターホールディングスグループ全体のビジョンは「自社の活動を通じて人々の生活を豊かに そして世界で一番愛される会社へ」です。
それを達成するミッションとして「『日本の天然水』と言う唯一無二の価値を日本人にそして世界に伝えることで社会的意義を果たし、地方創生を実現する。」を掲げています。
また、同時に提供したいのは「天然水のある快適な暮らし」という価値観です。
当社のビジネスコンセプトで、「家に井戸を持とう」というものがあります。「水のあるところ」は古くから交流の拠点となってきました。
例えば、江戸時代には、井戸のあるところに皆が集まり、水をくむだけでなく井戸端会議などのコミュニケーションが生まれるという、日本ならではの文化がありました。
現在では、インフラの発達によりそのようなことはなくなりましたが、ウォーターサーバーが「井戸」のような役割を持ち、自宅においしい天然水があることで、家庭の団欒が生まれるような、お水を中心とした快適な暮らしを提案していきたいと思っています。
-ウォーターサーバーが現代の「井戸」というわけですね。
ウォーターサーバーの一番のメリットは、冷水と温水をいつでも簡単に提供できることです。「ちょっとお茶でもしようか」が簡単にできます。また、家事労働を軽減することで、団欒に必要な時間を創出する効果もあります。
-ウォーターサーバーがあると、家事労働の時間が減るのですか?
お客さまからは家事や育児の負担が軽減したとのお声を多数いただいております。最もご好評をいただいているのが、赤ちゃんのミルク作りやお子さまの離乳食作りです。
出産や育児・子育てをきっかけにウォーターサーバーを利用する方は多いですね。
例えば、赤ちゃんのミルクを作る時、その都度お湯を沸かして冷まして作るのは大変な手間です。
ましてや真夜中の授乳となると、親御さんも1分1秒でも時間を短縮したいはずです。ウォーターサーバーがあれば、すぐにお湯が出るので、ミルク作りが簡単にできます。
また、コロナ禍によってご自宅で過ごす時間が増えた分、スーパーやコンビニでお水を買う機会が増えた方も多いと思います。
お水って結構重いですよね。毎回の買い出しのほかにお水もとなると、荷物がかなり重くなってしまいます。当社は定期配送でお水をご自宅までお届けしますので、重たい水を運ぶ手間がありません。
こうしたことから、家事労働の負担軽減になると、お客さまに喜ばれています。
-そういえば、ウォーターサーバーは災害時の備蓄としても注目されていますね。
ウォーターサーバー業界は、 2011 年の東日本大震災の際に大きく認知された経緯があります。市場がそこでグッと伸びました。
昨今でも、自然災害などで水道が止まるという事象がたびたび起きています。国からも「災害に備えて水などを備蓄しましょう」と言われていますよね。
当社のウォーターサーバーでは、基本的に12リットル2本が1セットになっていますので、通常利用するだけで水の備蓄が可能です。
いざという時、もしもの時のための備えとしてウォーターサーバーを契約するお客さまも増えてきています。
日本の天然水を飲むことが地方創生につながる理由
-ミネラルウォーターと言うと、海外製のものが多いというイメージがあります。
外国では、飲料水を買う文化が根付いています。レストランではお酒と同じくらいの価格でミネラルウォーターが売られていますよね。
でも、日本には優秀な水道技術があり、そのまま水道水を飲むこともできます。だから、天然水の価値に気が付いていないことが多いのです。
私たちは、日本の天然水の本来の価値を皆さまのご家庭に伝えることで、改めてその良さを見直してもらえればと考えています。
日本の資源である天然水を飲んでいただき、その売り上げを、水源地に還元することで地方創生につながっていきます。ひいては、日本経済が少しでも活性化してほしいというのが当社の考えです。
-地方創生につながるという部分についてもう少し詳しく教えていただけますか?
良い水源となる場所には、豊かな自然が残されています。
そのため、場所によっては限界集落に近いようなところもあり、産業が生まれにくいという現状があります。何もしなければ豊かな地下水があるにも関わらず、そのまま海に流れ出てしまうという状況です。
当社は、日本各地の水源地にプレミアムウォーターの採水工場を設置することで、現地での雇用を促進、税収を増やし、地域の活性化を目指しています。
日本の水を飲むことで、国内に資金を循環させ、経済も地方も循環させて活性化させていく流れです。もちろんその土地の自然の豊かさを守りつつ、将来的には、様々な企業に来ていただければベストですね。
-水源地はどのような基準で選定されているのでしょうか?
大きく3つあります。1つ目の条件はミネラルの成分です。特にミネラル成分の比率はおいしさにも関係してきますので、当社独自の基準を設定しています。
さらに重視しているのは、体に悪影響を及ぼすといわれている「硝酸」「亜硝酸」の含有量です。硝酸・亜硝酸は、どんなお水にも含まれてしまう成分ですが、当社では、国が定める最低基準よりもかなり厳しく基準値を設けております。
2つ目の条件は、飲みやすい軟水であること。そして3つ目の条件は水の貯水量です。製品として安定的に供給できるだけの豊かな地下水が水源地にあるかどうか。こうした基準をもとに、水源地を選定しています。
天然水を届ける会社が手掛けるSDGs
-御社の公式サイトを拝見すると、SDGsに対する多様な活動に驚かされます。SDGsやESGについて、主要な取り組みについてお聞かせいただけますか。
大規模な取り組みとしては、プラスチック量の削減です。ミネラルウォーターを提供するボトルについては、当初は他社からペットボトルとして膨らませる前の段階の中間製品であるプリフォームを購入していました。
しかし、プラスチックが環境に及ぼす影響を鑑みて、自社でプリフォームを製造できるような体勢を整えました。現在、プラスチック使用量について20%の軽量化を実現しております。
-このほかにも森林整備の取り組みもされているそうですね。
水を育む森を保つことは、天然水を扱う企業としてやらなければならないことだと思っています。
第一の水源地がある富士吉田では2018年9月ごろからスモールスタートではありますが、森林整備活動に取り組んでいます。現在は自治体と協力しながら行なっている状況です。今後も活動をアップデートしていきたいですね。
-地下水を守る取り組みについてはどのような活動を行なっているのでしょうか。
地下水は世界的にも減少傾向にあります。そのため、様々な取り組みが行われていますが、その1つとして当社は南阿蘇で行われているプロジェクト「地下水を守るん田゛」を支援しております。
南阿蘇は、当社の水源地の1つですが、都市化と水田面積の減少によって地下水がだんだん減っています。水田には水質浄化作用があるため、水田の減少は地下水の汚染を招きます。
このプロジェクトは、水源地の田んぼに年間を通して水を張ることで、地下に水を浸透させ地下水を保全していくというものです。南阿蘇の工場を開設した年から支援を始めました。
また新型コロナウィルスの影響で近年は開催できておりませんが、「食育」への取り組みの一環として、南阿蘇では毎年5月に田植え、9月に稲刈りイベントをお客さま向けに開催しています。
南阿蘇の天然水で育ったお米を、現地の天然水で炊き、皆さんに味わっていただくことで地下水保全活動にもつながっていると考えています。
-子ども食堂への寄付や小学校への出張授業もされているとお聞きしました。
当社の水源地がある富士吉田で収穫したお米や天然水を子ども食堂に寄贈するという活動も行っています。
また、当社は、お水を扱う企業という立場から、自然や環境の大切さを子どもたちにも伝えていきたいと思い、出張授業を始めました。
府中第五小学校の先生方と協力して、小学校のキャリア教育やSDGsについて授業作りからタッグを組んで行なっています。
―日本の貴重な森林資源を守り、未来につながる教育に取り組むことが、地域活性化や持続可能な社会づくりへの貢献となり、ひいては御社のサステナビリティ経営へとつながっているのですね。
はい。さらに現在は、SDGsを推進するために社内体制を整えるなど、今後のための準備をおこなっているところでもあります。
-プレミアムウォーターが思い描く、SDGsを通じた未来というのはどのようなものなのでしょうか。
当社はグループのビジョン「自社の活動を通じて人々の生活を豊かに そして世界で一番愛される会社へ」を将来のあるべき姿として位置付けています。
当社の企業活動を通じて地方創生を行うことで、日本を豊かにしていきたいと考えております。
当社の場合、天然水を扱うわけですから、自然環境が破壊されてしまっては継続性がありません。大きなビジョンを達成するために、持続可能な社会環境を作っていくことが非常に重要な課題だと認識しています。
◎cokiの視点
プレミアムウォーター株式会社のSDGsの取り組み(https://premiumwater-hd.co.jp/sdgs/activities/)は、貧困家庭・孤食をサポートする子ども食堂、福祉施設や災害時における飲料水供給、被災地復興支援、水質保全活動、少年サッカーへの特別協賛、食育、採水地域の地方創生など、子どもから大人、教育から地域活性化まで、様々な社会貢献活動を行っている。
人々の暮らしに安全安心な「水」を届け続ける事業活動そのものが、社会に貢献する取り組みとも言える。
◎企業概要
プレミアムウォーター株式会社
https://premium-water.co.jp/
代表取締役社長 金本彰彦
創業:平成28年4月
所在地:東京都渋谷区神宮前1-23-26神宮前123ビル
事業内容:
ミネラルウォーター等の飲料水の製造及び販売
各種付帯サービスの提供