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認定特定非営利活動(NPO)法人いっぱい障がい者地域生活サポート会

http://home.catv-yokohama.ne.jp/55/ippai/index.html

〒241-0814神奈川県横浜市旭区中沢二丁目38番6号

045-361-1801

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ありがとうメッセージ サステナブルな取り組み コラム

「放課後等デイサービス事業」の草分け|認定NPO法人いっぱい障がい者地域生活サポート会 代表 瀬﨑忠雄さん

経営インタビュー
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認定NPO法人いっぱい障がい者地域生活サポート会 のんびりカフェ

横浜市では全国に先駆けて「障がい児居場所づくり事業」を制度化。その実績を国が評価し、現在の「放課後等デイサービス事業」がスタートするきっかけとなりました。

その横浜市の取り組みでモデルケースとなってきたのが認定特定非営利活動(NPO)法人いっぱい障がい者地域生活サポート会です。

私財を投げ打ち、この事業を継続してこられた代表の瀬﨑忠雄さんに、障がい児(者)福祉への想いや大切にしてきたことなどを伺いました。

草の根NPOの小さな活動が、国を動かす大きなムーブメントへ

貴法人の設立の経緯や事業概要をお聞かせください。

瀬﨑

横浜市は独自の取り組みとして地域ケアプラザという施設を141カ所(令和3年4月現在)運営しています。

もともと高齢者の支援施設と見られていましたが、横浜市から「高齢者、子ども、障がいのある人など、誰もが地域で安心して暮らせるようにしてほしい」との要請を受けて、私は88番目の地域ケアプラザの所長として赴任しました。

当時55名ほどいた職員と「どんな方の相談も承ります」というチラシをポスティングするなどの活動を展開しました。

平成14年の春、そのチラシを見た障がい児を持つお母さんから、「養護学校が終わった後に、子どもを預かってくれる場所がないため働きに出られない」という訴えがありました。

当時は該当する制度がなかったため、地域ケアプラザの指定管理者であるキリスト教系社会福祉法人の理事長に相談しました。

そのとき、私が「年間1,500万円の予算が必要になりますが、事業を立ち上げてよいか」と相談したところ、「それはぜひやってください」と即答してくれたことで、日本で初めて障がい児の預かり場所ができたのです。

その後、平成16年11月に任意団体「あさひ学齢障がい児地域生活サポート連絡会いっぱい」をスタートさせしました。これが当法人の前身です。

平成19年、横浜市こども青年局が日本で初めて「障がい児居場所づくり事業」を制度化し、当法人も平成20年、旭区における事業所として認定を受けました。

平成21年には、障がい児が社会に巣立ってから就労課題に取り組む「就労継続支援B型事業」の事業所認定も受けています。

横浜市の「障がい児居場所づくり事業」を勉強するために、厚生労働省からも担当者が当法人に来られました。

それが契機となって、平成24年には障害者総合支援法が成立し、国の制度の下で、障がい児の放課後預り支援事業である「放課後等デイサービス事業」が始まりました。

令和4年2月24日、認定NPO法人に指定され、現在に至っています。

貴法人の小さなムーブメントが、国まで動かしたということですね。

瀬﨑

いえいえ、そんな大げさなものではありません。国も必要だったから始めたのです。われわれがたまたま先にやっていただけだと思います。

ただし、確かに何事も前例のないこと始めるのは大変です。今でこそ放課後等デイサービス事業所は全国に3万カ所もできて事業も順調に進んでいますが、当時は制度も予算もない中で個人で事業を始めたものですから何時も財政は「火の車」でした。

1つずつ夢が増えていく障がい者の就労支援カフェ

障がい者の就労支援カフェ
(画像提供:認定特定非営利活動(NPO)法人いっぱい障がい者地域生活サポート会)

カフェも運営されているとのことですが。

瀬﨑

はい。施設内に『のんびりカフェ いつもはじまったばかり・・・夢夢夢』があります。来年には和菓子を扱う甘味処『のんびりカフェ いつもはじまったばかり・・・夢夢夢夢』をオープンする予定です。

『夢』が増えていくのですね。

瀬﨑

私は特別養護老人ホームの施設長をしていたことがあり、そのときにも施設内でカフェを運営していたのです。そのカフェの名前が『夢』でした。

そこでも障がいのある方たちに働いてもらっていました。そういうことがあったので、もっと夢が広がるように『夢』を3つ付けたのが今のカフェの名称です。甘味処もそういう思いで、さらに『夢』を1つ増やしていきます。

それぞれのカフェは障がい者が働いているのですね。

瀬﨑

はい。『夢夢夢』のほうは、「就労継続支援B型事業」として就職できるように訓練することが目的です。

来年からスタートする甘味処『夢夢夢夢』は、一般的な就職は難しいのではないかという障がい者のための施設です。あまり高くは望まず、現状を維持しようという目的ですので、彼らの生きがいを提供できる場になればいいと思っています。

事業というものは収益を視野に入れて行うのでしょうけれども、当法人は1度たりとも黒字になったことがありません。障がいがある人たちに必要だから始めただけです。

それでも毎期、プラス・マイナス・ゼロです。3年間で399名の方から寄付をいただいているので、赤字分は補填されています。私もクリスチャンですので、教会の関係者が助けてくれることが多いですね。

諸外国を見ても、クリスチャンの方は寄付や奉仕することが当たり前のように根付いていますね。見習いたいです。

瀬﨑

そういう面もありますが、クリスチャンが特別偉いというわけでもありません。諸外国は税法が整っているから寄付も多いのです。私が関係する教会のアメリカにある学校は、収入の60%が寄付で賄われています。

例えばアメリカでは、寄付金に対する所得控除は、所得の50%まで認められています。

「税金で取られて何に使われるか分からないよりも、慈善団体に寄付をしたほうがよい」と思うのは当然でしょう。日本でも税法が整えば、もっとこういった施設に寄付が集まると思います。

職員が意欲と誇りを持って働ける環境をつくる

「笑顔がいっぱい」な支援
(画像提供:認定特定非営利活動(NPO)法人いっぱい障がい者地域生活サポート会)

貴法人の目標(基本方針)には、『「笑顔がいっぱい」な支援』、『地域に根ざした施設』、『職員を大切にする』という3つの項目を掲げておられます。まず『「笑顔がいっぱい」な支援』についてお聞かせください。

瀬﨑

支援に対する国が定める評価の基準には、こういうことができるようになったとか、といった定義がありますが、私は笑顔があったかどうかでいいと思っています。それが『「笑顔がいっぱい」な支援』です。利用していて笑顔があれば十分です。

例えば、ある「放課後等デイサービス事業」では、学校が終わってから施設に来たら、また机の前に座らせようとします。でも私は、「もう学校が終わったのだから、ごろんとしていていもいよ」と言っています。

ご家族からは、「あまり甘やかさないでくださいね」と言われることもありますが、実際には「べたべた」にかわいがっています(笑)。

助けてくれる人がいるときは、思い切りケアしてもらえばいいのです。役所の人からも「他の施設と感じが違いますね」と言われます。

当法人は昭和の時代の福祉なのです。支援には、人手をかけることが一番大切です。当法人は収入もそれなりにありますが、たくさんの人の手を必要としているので、実際にもうけは出ることはないのです。

2番目の『地域に根ざした施設』とは、何を目指していますか。

瀬﨑

ある障がい児を支援するためには、その子と、その子の家庭、その家庭がいる地域、この3つ一緒に見ていかなければいけません。

両親が「この子はこうだから、こうしてください」と言っても、地域にそういう社会資源がないかもしれません。その子が支援を気に入っても、両親はその方法を嫌がるかもしれません。この3つのバランスを取ろうということを目標にしています。

ですから地域の催し物にはなるべく参加するようにしています。

あまり頑張ってやってしまうと、中心的な役割を担わされてしまい、土日が休めなくなるので、無理はしないようにしています。

また、地域の人たちは当法人のカフェでよく会議をしています。公民館で会議をする場合は食事や飲み物の準備をする必要があるので、カフェがあるのでとても重宝されていると思います。

3番目の『職員を大切にする』についてお聞かせください。

瀬﨑

愛されている実感を持つ人は、人に惜しみない愛情を注ぐことができます。同様に、職員を大切にすることで、その職員は支援相手を大切にすることができます。

残念ながら当法人は寄付で運営しているので給料を高くすることはできません。ですから甘い物を買って配ったり、農業をしている友人が送ってくれるお米を配ったりと、還元できるものは何でも活用しています。

ともかく笑顔を絶やさず、職員が意欲と誇りを持って働ける環境をつくる努力は惜しまないようにしています。

当法人は約20年の間、求人を出したことがありませんが、自然と働きたいという方が集まってくるのですね。他の施設で管理職もできるレベルの職員が何人もいます。

子ども事業だけでも、一般企業でも責任を持って「長」になり、仕事ができる職員は6名ほどいます。一般企業であれば、もっといい給料をもらえると思うのですが、お金が動機ではない人たちが集まってくるのでしょうね。

貴法人の未来を担う職員にはどのようなことを期待されていますか?

瀬﨑

そろそろ私も引退を考え始めています。将来的には、アイ・コンサルティングさんの勉強会で出会った大松運輸代表取締役社長 仲松秀樹さんに、事業を継いでもらおうと思っています。

そういった時期に不動産の寄付がたくさんありました。その土地を利用して、今ばらばらになっている施設を1つにまとめていき、さらに世の中に貢献できる事業に発展させていってくれると嬉しいですね。

瀬﨑忠雄さん

◎法人情報
特定非営利活動(NPO)法人いっぱい障がい者地域生活サポート会
http://home.catv-yokohama.ne.jp/55/ippai/index.html
代表者:瀬﨑忠雄
所在地:〒241-0814神奈川県横浜市旭区中沢二丁目38番6号
TEL:045-361-1801 FAX:045-878-2427
設立:平成16年11月(任意団体「あさひ学齢障がい児地域生活サポート連絡会いっぱい」として発足)
(文・小林浩)

ライター:

1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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