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サステナビリティ補助金の採択事例と効果的な申請方法を解説!

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pixabayより

事業や人への投資を推進するサステナビリティ補助金。

企業にとっては、返済不要で得られる投資資金であるため、キャッシュフローの改善をしながら、自社のサステナビリティトランスフォーメーション(SX)を実現できます

しかし、その一方で、申請にあたっては公募期間中に最新版の公募要領を読み込み、環境変化に適応しながら自社の課題と社会課題を同時に解決する事業計画書を作成しなければなりません。

これらすべて社内で行うのは負担が大きく、できるだけ時間も費用も抑えたいのが実際のところでしょう。

そこで今回は、20年以上にわたり多く企業の補助金や事業計画の策定に携わってきたコンサルタントが、できるだけ費用を抑えながら補助金を効果的に申請する方法をお伝えします。

補助金の採択事例と、申請支援を依頼する専門家の選び方、メリットや注意点も解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

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サステナビリティ補助金とは?

節約 フリー画像
pixabayより

補助金とは、主に公的機関(政府、地方自治体など)が政策目標の実現のため、その目的にあった企業や団体の活動をサポートするための資金です。

補助金の原資は税金ですので、社会的な利益再分配の仕組みの一つと言えるでしょう。

経済産業省・中小企業庁の「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」、厚生労働省の「雇用調整助成金」などが代表的です。

持続可能な社会づくりを推進するサステナビリティ補助金

サステナビリティ補助金とは、持続可能な社会づくりを政策目標とする公的機関が推進する補助金・助成金の総称です。

企業・団体が事業活動を通じて、SDGs・ESGなどサステナブル社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進することを後押しするものです。

企業・団体がサステナビリティ補助金を活用することで、中長期的なキャッシュフローの改善を通じた財務面での持続可能性を高めるのみならず、人的資本・人への投資等による非財務面の長期的な企業体質の改善も積極的に推進することができます。

その他にも、総務省・国土交通省・文部科学省・環境省などの省庁や、地方自治体・民間団体などが年度ごとに補助金制度を創設・改定しながら、年間6,000件もの補助金・助成金が公募されています。

ちなみに、補助金と助成金には厳密な定義はなく、一般的には、経済産業省系は補助金、厚生労働省系は助成金と称されることが多いのが実際です。

補助金の申請方法と上限金額

補助金を得るには、書類や面接による審査があります。一方で助成金は、一定の基準を満たせば受給できるものが多くあります。

競争率は補助金の種類によって異なり、難易度が高いものもあれば、書類さえ整えば比較的簡単に通過するものまで幅広いのが実際です。

補助金には、

  • 補助金額の上限
  • 補助率の上限


これら2つの上限が設定されています。

補助金の上限枠の例では、経済産業省の「ものづくり補助金」であれば、コース(枠)毎に上限が750万円、1000万円、1250万円、2000万円、3000万円を上限に補助が受けられます。

また補助率の上限例では、1500万円の事業経費がかかる案件で補助金を申請した場合、補助率2/3の場合、1000万円。補助率1/2の場合、750万円の補助が受けられることになります。

補助金は、それぞれ目的や条件が異なり、公募時期も不規則です。

サステナビリティ戦略の策定とサステナブル認証が鍵

こうした多種多様な補助金を自社の戦略に有効活用するには、事前準備が必要です。

  • 自社のサステナビリティ戦略(持続可能な企業の体質づくりに向けた戦略方針)
  • 具体的な企業体質改善計画(財務面・非財務面)の策定


これらの準備が、補助金を得るためには必要になります。

キャッシュフローの改善は企業体質強化の重要な手段のひとつですので、必要なタイミングで補助金を申請しやすいように事前準備を進めながら、自社にあった補助金情報を常に収集し、タイミングを見計らって申請することで、非財務面の体質改善を加速させることができます。

補助金の採択率を高めるには、「サステナブル認証」の取得がおすすめです。

補助金のみならず、サステナブルファイナンスでも審査上の加点やさまざまな優遇制度が受けられますので、積極的に活用するとよいでしょう。

サステナブル補助金の採択・支援事例集

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(DALL-Eで作成)

では、サステナブル補助金には、どのような事例が採択されているのか確認してみましょう。

老舗企業:地産地消によるご当地オリジナルブランド調味料の開発【500万円/製造業(食品製造業)】

江戸時代創業の老舗・醤油メーカー
戦後、無添加ソース製造事業で業容を拡大しました。

BtoB取引が中心であったことから、マーケットインのBtoC事業への展開を図るべく、地産地消によるご当地オリジナルソース事業のパイロット店を開店するために補助金の活用を検討したとのこと。

新規事業立ち上げに際し「経営革新計画」を取得して新会社を設立。地域資源を活用した事業計画を立案し、創業資金の原資となる補助金を取得されました。

本業は業況が厳しく、新会社は創業間もなく決算書がない状態からのスタートでしたが、補助金事務局と交渉の結果、当社は経営革新計画を策定・認証(承認)を取得していたことから、ゼロベースで資金繰り表の作成、弊社コンサルタントが実行支援までハンズオンする支援計画を策定したことで採択されました。

以降、イベントや補助金情報も行政側から提供を受けるようになり、地元商店街とのコラボレーションにより地域と一体になった活動を展開するなど、新たなビジネスモデルの確立に向けた活動を展開中です。

スタートアップ企業:教育機関・学生向け自律型キャリア教育支援アプリの開発【700万円/教育サービス業】

組織活性化・人材キャリアコンサルティング事業を手掛けるEdTech(エドテック)のスタートアップ企業の事例です。

法人向けの人的資本コンサルティング事業と個人向けのコーチング事業を展開する中で、パーパス経営を貫きながらもポストコロナ時代を見据えたピボット(事業再構築)が課題でした。

飛躍的な生産性向上を実現するため、教育機関向けのキャリア教育支援アプリを開発し、労働集約型から知識集約型のビジネスモデルへの転換を図る事業計画を策定して採択されました。

以前は創業間もないスタートアップ企業は採択されにくい傾向がありましたが、近年はスタートアップでも人材への投資を推進するサステナブル補助金は採択されやすい傾向があります。

ニッチトップ企業:オーダーメイド衣装3Dプリンタの導入【800万円/製造業(アパレルメーカー)】

大手芸能プロダクションのアーティスト衣装の製作を手掛けるスモールビジネス・アパレルメーカーです。

地域金融機関からの事業計画のブラッシュアップを含む申請支援コンサルティングの依頼を受け、弊社コンサルタントがプロジェクトを推進した事例です。

クールジャパンブランドでの海外展開を推進するにあたり、アーティストの前衛的なクリエイティビティを直感的に表現する必要性があることから、以前から購入を計画していたオーダーメイド衣装の3Dプリンタの導入を実現、製作工程の飛躍的な生産性向上を実現されました。

事業計画策定支援を含む申請支援コンサルティングにより、積極的な設備投資と人への投資による業界オンリーワンの技術開発、地域金融機関からの円滑な資金調達に成功

スモールビジネスでありながらニッチトップ企業としてグローバル展開に向けた業界ポジションの確立を実現されました。

認定支援機関:地域金融機関向け企業コンサルティング支援システムの構築【1,000万円/経営コンサルティング業】

地域金融機関(地方銀行・信用金庫・信用組合)のコンサルティング事業に必要となる融資先企業の販促支援を担う新サービスの開発プロジェクトにおける資金調達の事例です。

金融機関が新たな事業を立ち上げる際のインフラとなるシステム構築とパイロット事業を、認定支援機関である金融機関向けコンサルティング会社と弊社コンサルタントが連携して推進しました。

事業再構築に資する資金調達も兼ねて、挑戦的でありながら実現可能性の高い事業計画の策定が課題でしたが、複数の補助金を連続的に活用することで、喫緊のキャッシュフロー対策から中長期的な財務体質改善までの道筋をつけることができました。

グローバル展開:海外展開支援事業におけるシステム構築に関する調査事業【4,800万円/農業情報提供サービス業】

アフリカ・アジア諸国向けの農業情報提供サービスの展開を模索している地方企業の事例です。
先端テクノロジーの活用による食糧安全保障と保険制度の高度化によるSDGsへの取り組みがテーマ。

農薬に依存しないサステナブルな農業への転換や、気候変動に伴う農業災害の低減を目的に海外政府機関と国内政府系機関をカウンターパートに選定した事業計画策定コンサルティングを実施しました。

1年間にわたる海外視察、国内大手企業との連携等による事業化に向けた具体的なビジネスモデル構築のための調査計画の策定から、数百ページにわたる対象国の社会課題の解決につながる事業計画とサステナビリティレポート、実績報告書の作成のコンサルティングまでハンズオンでサポートしました。

その他にも多数の採択支援実績があり

JICA(国際協力機構)、中小機構(中小企業基盤整備機構)、経済産業省、中小企業庁、厚生労働省、文部科学省、農林水産省、都道府県(地域資源活用、経営革新計画等)等、さまざまな補助金・助成金の申請サポートの実績があります。

詳しくは以下までお問い合わせください。

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補助金申請を専門家に依頼するメリット

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pixabayより

補助金・助成金の申請は、事業計画のブラッシュアップや補助金の申請に精通する専門家のアドバイスがあれば採択されやすくなります。具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか?

申請書作成を効率化できる

難解な公募要領の読み込みや、膨大な申請書の作成の負担が軽減されます

数十ページ程度の比較的簡易な公募要領で済む補助金から、関連資料を含め百ページを超える関連資料の読み込みが必要な補助金まで多岐にわたります。

新たな補助金が創設されたり、年度毎に制度は改廃を繰り返すことが多いため、その都度の条件変更などのアップデートが必要です。これらの情報収集や申請書の作成の手間暇が大幅に削減されます。

採択確率を高めることができる

採択実績が豊富なコンサルタントであれば、申請書作成のコツや、審査のポイントを詳細にアドバイスできます。

補助金申請サポートの経験豊富なコンサルタントは、独自の情報網を持っていますので、業界の裏事情や最新情報が入手しやすく、より採択確率を高めるアドバイスが可能です。

事業計画や経営に関するアドバイスも受けられる

申請書の作成準備やアドバイスの際に、自社の事業にあった事業計画の立て方、アクションプラン策定の仕方、市場調査やドキュメントの作成、面接のポイントなどより体系的かつ具体的なアドバイスを受けることができます。

自社にあった補助金を紹介してもらえる

年間数千件ほど公募される補助金・助成金のなかから、必要なタイミングで自社の事業にあった補助金情報の提供や、受給可能性の診断を受けられます

採択可能性が低い補助金への挑戦は不要なコストの発生につながりかねませんので、申請の目的と採択可能性を考慮した補助金の選定が重要です。

客観的な視点から最適なコストパフォーマンスが期待できる申請プランの提案を受けることができます。

補助金申請の相談先の選び方

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pixabayより

補助金の申請を行うには、以下のような方法があります。

自社で作成する

補助金・助成金は自社で作成するのが基本です。

一方で、これまでご説明してきたように、複雑な補助金制度への対応をすべて内製化するのは難しいのも事実です。補助金の申請には一定の知識と経験が必須です。

内製化する場合は、特定の担当者が補助金申請支援のプロにアドバイスを受けることで、採択率を高めながら、効率的に事業計画や申請書の作成を進めることができ、かつ自社で申請ノウハウを蓄積することができます。

金融機関に依頼する

金融機関でも補助金の申請のサポートは可能です。
金融機関を活用する場合は、自社の事業にとって相乗効果が期待できるかどうかがポイントです。

新たな事業資金の調達をESGやSDGs認証などに基づくサステナブルファイナンス等の融資を検討している場合は選択肢になります

認定支援機関やコンサルタントに依頼する

税理士・会計士・中小企業診断士・コンサルティング会社などが認定支援機関として申請をサポートしています。

一般的に、税理士や会計士は資金計画が専門、中小企業診断士やコンサルタントは事業計画が得意など、それぞれに得意・不得意があります。

また、事務代行まで希望する場合は、行政書士や社労士などに任せることができますが、補助金の種類や、ビジネスモデルや事業計画のブラッシュアップ、技術の解説やクリエイティブ企画が必要となる場合は、コンサルタントの適性を見極める必要があります。

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補助金申請サポートに依頼する際の注意点

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(DALL-Eで作成)

申請サポートを依頼するにあたっては、以下のような点に注意する必要があります。

採択実績を確認する

コンサルを依頼するにあたっては、得意な専門分野、苦手な分野があります。

補助金の採択実績や採択支援の内容を確認してください。必ずしも士業である必要はありません。補助金の申請は、士業でなくても申請実務経験が豊富であれば問題ありません。

行政や事務局とのやりとりがスムーズにできること、金融機関や認定支援機関と連携して進めることが可能かどうかを確認するとよいでしょう。

業界や業種・業態の理解、事業計画やビジネスモデル構想力を確認する

申請支援の実務には、時代や業界を俯瞰しつつ、貴社の事業をマクロとミクロで深く理解できる幅広い経営知識が求められます。

実は、補助金の申請にあたっては、特定分野の専門家や士業よりも、幅広い業種・業態・規模の企業へのコンサルティング経験が豊富なコンサルタントのほうが適性がある場合があります

もちろん、特定分野のニッチな補助金を申請する場合は、当該分野の専門家のほうが適任ですので、申請案件に応じて使い分けるとよいでしょう。

申請サポート内容を確認する

申請支援業務がどこからどこまでをサポートしてもらえるかを確認しておきましょう

ミーティングでアドバイスするだけのコンサルタントもいますが、実務負担が軽減されないようであれば再考が必要です。

事業計画のブラッシュアップまで踏み込んだアドバイスや、申請書の書き方のテクニカルな部分までをサポートしてくれる実務に強いコンサルタントがよいでしょう。

ただし、法外な成功報酬を請求したり、申請代行まで行う業者は要注意です。

申請代行ができるのは、行政書士や社労士に限定されますので、コンサルタントにアドバイスを受けながら効果的に申請書を作成する方法を教えてくれる支援業者を選ぶのがおすすめです。

まとめ

補助金は、返済不要の企業の「利益」に相当する効率的な投資資金の調達手段です。
事業や人への投資を加速する中長期的なキャッシュフローの改善に効果的です。

ESG経営や人的資本経営をより一層推進するには、長期的な視点での事業基盤や企業体質の強化が必須です。

補助金は公共投資であり、個人や法人が納税したお金を、社会に「再分配」する仕組みの一つです。

従業員や地域社会のためにも安定的な財務基盤を確立し、雇用創出や人材育成などへの取り組みを推進することで、「社会の公器」としての役割を果たすことにもつながります。

しかし、補助金の申請は、毎年改定・創設される公募要領の理解から、ボリュームのある申請書の作成まで行う必要があるため、社内で内製化するのは業務負担が大きいのが実際です。

多くの場合、自社にあった補助金の情報や、事業計画の策定までアドバイスがもらえるため、プロに申請支援のアドバイスを受けることで、さまざまなコンサルティングメリットがあります。

自社にあった補助金情報をプロに相談・収集しながら、可能な範囲で申請準備をはじめておくことで、資金調達に最適なタイミングを見計らってスムーズに申請することができます。

cokiでは、サステナビリティ経営を推進する企業向けにオーダーメイドの補助金情報提供サービスも行っています。

「自社にあった補助金はどんなものがあるのか知りたい」「申請したい補助金があるけど申請が大変そう」などなど、補助金に関する疑問はこちらまでお気軽にお問い合わせください。

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<編集:水戸湊>

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