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大塚実業は理念を共有する仲間であり目標|トライキッツ河合代表から見た大塚実業

大塚実業をトライキッツ河合社長はどのように評価しているか
高度な技術力を持った町工場がひしめく東京都大田区は、日本の工業の根幹として重要な役割を果たしてきました。その大田区で「ないモノをつくる」オーダーメイドのモノづくりに挑戦する株式会社トライキッツの代表取締役 河合広介さんは、一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)を通じて、大塚実業株式会社の代表取締役社長 大塚雅之さんと出会いました。

PICCは、企業は社会の公器であり、すべてのステークホルダーに貢献する経営を説き、その実践を促しています。トライキッツも企業の公器性を貫くため、売り上げの7割を占める事業からの撤退を決意するほどに信念の経営を実践しています。

そんな企業の公器性を実践するトライキッツの河合さんに、大塚実業とのつながりやPICC、大塚雅之社長の人物像についてお聞きしました。

最初は「そんなきれいごとで経営ができるのか」と思った

──御社と大塚実業とのつながりの経緯について教えてください。

6年ぐらい前に、私が一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)に入会したときに、大塚雅之さんと初めて会ったのがきっかけです。

──そもそも河合さんはどういった経緯でPICCと出会ったのですか。

実は、私の妻も会社を経営しているので、妻が先に入会していたのです。私自身は特に興味がなかったのですが、ちょうど経営に迷いが生じ始めていた時期だったこともあり、たまたま妻から「きょうはPICCの定例会に行くんだけど、参加してみない?」と誘われて、初めてゲストとして参加してみることにしました。最初は、企業の在り方、企業の公器性、三方よしという、PICCの理念に関しては「そのようなきれいごとで会社経営ができるのかなぁ?」と正直思いました。

──そのように感じていたことが、どのような出来事で転換したのでしょうか。

大久保秀夫会長の講演を聞いてからです。

実は、私が19歳で独立したとき入会していた、福島正伸さんが主宰する一般社団法人起業家育成協会の講演会に、当時30代の大久保会長が、株式上場の日本最年少記録ホルダーとして講演にこられたのです。そのときに「すごい人だな」という尊敬の念が強烈に残っていました。その数十年後、再びPICCで大久保会長の講演を聞き、再び出会ったというご縁があったのです。「いろいろ迷っているし、少し勉強してみるか」と思ったのが入会のきっかけになりました。

そのとき大塚さんにも初めてお会いしました。当時は大塚さんも、まだPICCの中で役職に就いてはおらず一般会員でした。むしろ私の妻のほうが事務局責任者の立場として、コアなメンバーとして参画していた時期です。一般会員同士で定期的に集まって勉強をし交流を深める中で、大塚さんとは同じ製造業、そして同い年であった事もあり懇意になりました。

大塚実業株式会社のステークホルダーとの向き合い方の記事
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公益資本主義の理念を学び生じた、在り方のないお客さまへの違和感

──大塚さんも自社の課題を感じる中でPICCに出会ったとお聞きしています。最初は社員の理解が得られなかったけれども、この1~2年、PICCの活動・理念が社員に浸透し、組織風土や企業文化が新しく醸成され、会社の業績も伸びていると言っていました。御社の場合はいかがでしょうか

弊社の場合は、大塚実業さんのように、まだ社員までに浸透させられていないのが現状です。まずは社長の私自身が変わることが先決だと思っています。自分も日々勉強中、修行中です。ただし、間違いなく自分自身の考え方は変わってきています。

PICCに入ってから、しばらくの間は違和感ばかり覚えていました。大久保会長がすごい方であるということはわかっていましたし、企業の理念、社会性、在り方などに関する考え方も理解はできました。しかし、会社を存続していくには利益を上げなくてはいけないし、どうしてもそちらが優先になってしまいます。

頭では理解できていても腹には落ちていない状態です。しかし、後進にアドバイスする立場になり、普段の会話の中でも「仕事というものは社会性が必要なのだ。まず人の役に立たなければ先に進まないのだ」というようなことを口にするようになっていました。そうなると自己暗示のように、だんだん自分自身にとってはそういった思考方法が当たり前になっていくわけです。入会から1年ぐらいたったときには、会社でもそういうことを社員に言うようになっていました。

すると今度は、企業として正しい在り方だと思えないお客さまに対して違和感を生じるようになりました。

トライキッツ河合代表
例えば、モノづくりをしている弊社は立場的に「下請け」ということになります。下請代金支払遅延等防止法(下請法)というものができるくらいですから、「下請けいじめ」のようなことは日常茶飯事に横行するわけです。振り返ると「下請けに仕事をやらせる」という上から目線の感覚の人はとても多かったのです。そういうお客さまに対して、強烈な違和感を覚えるようになりました。

PICCで勉強するまでは特に悩むこともなかった事柄ですが、公益資本主義の理念を学んでからは、取引先やお客さまの在り方までも気にするようになったのです。そこで思い切って、「在り方のないお客さまからの仕事は一切請けない」と社員たちにも伝えました。これが5年ぐらい前のことです。

売り上げの7割を占める事業から撤退しても社会性を優先

──PICCに入会することで、自社で取り扱う商材・製品に対しても、これでいいのかという自問が起きたということですね。

そういうことです。今は最初から「自分の事業で社会の役に立つのだ」ということを考えて起業する若い方も、本当にたくさんいることに驚かされています。私は全くそのようなことは考えてこなかったのだと、そのときに気付かされました。

それで、売り上げの7割を占める事業でも、正しい在り方でないと思える企業との取り引きを思い切ってやめたのです。仮にそれで倒産せざるを得ない状況になっても、そこまでの事業だったのだと諦めようと決めました。もちろん社員たちは大反対でした。しかし、私は違和感を抱えたまま事業を継続したいとは思いませんでした。

「お金にはなるけど、やらない方が良い仕事」は日常的に案外あるものです。それに目をつむるのではなく、公益資本主義の理念に照らし合わせて、やらない方が良いと思う仕事はきっぱりとやめることにしたのです。

今さらながら、自分と事業がいかに社会の役に立てるかに注力していきました。そこから、自分にとってのPICC効果というか、理念をしっかりたたき込まれた効果というものがはっきりと現れてきました。

大塚さんからもいろいろ聞いていると思いますが、一般的な企業活動では「経済性」が優先され、次に「独自性」、そして最後に「社会性」の順番になることが多いのですが、正しい考え方は全く逆だということをPICCでは最初からたたき込まれます。今では私も、そのようなことを偉そうに人に語るようになりました。最初は理解できなかったのですが、言っているうちにそれが当たり前になります。「弊社はモノづくりで社会に貢献するのだ」とずっと言っていると、本当に不思議なことに、そういう仕事が寄ってくるのです。これは実体験として味わってきました。

──思い切って事業方針を転換してから、そういった実体験が得られるようになるまでには、何年ぐらいかかったのですか

意外と早かったですね。売り上げの7割ぐらいを占めた事業から撤退しても、結果的に売り上げの3割減ぐらいで収まりました。「引き寄せの法則」ではないですが、すぐに他のお客さまが増えることになったので本当に不思議です。このような体験から、PICCの活動の意義を本当に深く感じ取っています。

トライキッツ大塚代表(社屋内背景)

大塚さんが全体を引っ張ってくれたPICC東京支部での活動

──大塚さんと一緒にPICCの中で活動を始めたのは、どういったタイミングですか。

本格的に一緒に動き始めたのは、彼が東京支部長になり、私が4年ほど前に副支部長という立場になってからです。同じく副支部長を務める株式会社FISソリューションズの山口勝宏さんと3人で活動することが多いですね。

──大塚さんは「東京支部の副支部長である山口勝宏さんと河合広介さんがいなければ、PICCの活動を軌道に乗せることはできなかった」と語っていました。

山口さんの場合は、まさにその通りだと思います。山口さんがいなかったら、いろいろと難しかったと思います。私はそれほど役に立っていないと思いますよ。それこそ大塚さんこそ、彼がいないと全体を引っ張っていくことはできませんでしたので、それぞれの役割があるのでしょうね。

──河合さんはPICCではどのような役割なのですか。

「特攻隊長」みたいな役割ではないでしょうか(笑)。入会したときは、私たちの世代が真ん中ぐらいだったのです。若い経営者もいたし、先輩経営者もたくさんいたのですけれども、気付くとだんだん若返りをしてきました。それはいいことですけれども、今は自分たちが最年長クラスになってしまいました。

──PICCの役職は定期的に年度で代わるのですか

本当は代わるのですが、なかなか適任がいません。大塚さん本人は嫌がっていますけれど「あなたは永久支部長だよ!」と言っています。初代支部長で以降継続されています。

──大塚さんは「弊社は千葉大学の水耕栽培プラントで使用されているフィルターを製造しており、今後は河合さんとも一緒に開発をしたい」と言っていました。

今のところ、まだ雑談レベルですが、そういったプロジェクトについては話をしています。大塚実業さんは水に関わるビジネスが自社の社会的使命だと言います。その一環として水耕栽培のプラントがあるのですね。フィルターは水ビジネスのコア技術ですが、周辺装置がないと性能が発揮されません。弊社はそういう実験装置なども製造している会社ですので、そこで協業していきたいということです。

トライキッツ製作による大塚実業社の製品
大塚実業株式会社のフィルター圧力試験機(画像提供:株式会社トライキッツ)

組織に属してこなかった自分が、今、中間管理職の立場で楽しんでいる

──御社にとって大塚実業さんはどういった存在ですか。

仲間という意識がとても強いですね。実は私の次男も大塚実業で働いています。

普段はタメ口がたたける間柄ですけれども、大塚実業さんは超優良企業ですから、やはり素直にすごい人だと思います。仲間であると同時に目標とすべき存在です。PICCの会員は製造業が少ないのですが、同じ製造業として、見習うべき点、目指すべき点を教えてもらえる存在です。

大塚実業さんの強みは、大塚実業さんにしかできないこと、大塚実業さんならできることを明確にしていることです。業界で随一の存在です。まねはできないですけれども、われわれもそういう存在感でありたいという思いはあります。そういう意味ではお手本にしていきたい会社ですし、大塚さんは本当に尊敬していますよ。

ついでに話しますと、自分は19歳で独立したので、組織に属したことがありません。組織を知らず、雇われる人間の心理が分からずに来てしまっています。

株式会社トライキッツは28歳のときに創業していますが、当時はとにかく会社を軌道に乗せ、利益を上げればいいという考えで40歳過ぎまで来てしまいました。そこで「何か違うな」という迷いが生じ始めたわけです。組織づくりができていなかったのです。

PICCでは、今は中間管理職的な立場です。初めて組織というものに属しています。大塚さんが上司で、私の下にも部下がいる。「組織とはこういうものなのだ」ということがよく分かりました。一般会員からいろいろなことを言われ、「まあ、そんなことを言わずに」となだめ、上からもいろいろ言われて、「なるほど」と思いました。そういう意味で大変ではありますが、自分にとって必要な経験を積んでいるので、案外楽しんでいるんですよ。

──大塚実業さんにより良くなってほしいところがあるとすれば、どのようなことですか。

より良くなってほしいというと上から目線になってしまうのでおこがましいのですが、水に関わるビジネスで世界に貢献できる企業を目指すという大塚実業さんのビジョンをぜひ実現してほしいですね。弊社もそのような社会に大きく貢献できる事業で微力ながらもお手伝いができるなら、これほどうれしいことはありません。

トライキッツ河合代表

<企業情報>

株式会社トライキッツ
http://trykits.com
代表者:河合広介
設立:1999年4月16日
本社:〒143-0003 東京都大田区京浜島2-17-6
連絡先:03-5755-9977

WRITER
サイエンスジャーナリスト
小林 浩
このライターの記事一覧

1964年生まれ、群馬県出身。国立群馬高専卒。専攻は水理学と水文学。卒業後、日刊紙『東京タイムズ』をはじめ、各種新聞・雑誌の記者・編集者を務める。その後、映像クリエーターを経て、マルチメディア・コンテンツ制作会社の社長を6年務める。現在は独立し、執筆と映像制作に専念している。執筆は理系の読み物が多い。 研究論文に『景観設計の解析手法』、『遊水モデルによる流出解析手法』、著書に科学哲学啓蒙書『科学盲信警報発令中!』(日本橋出版)、SFコメディー法廷小説『科学の黒幕』(新風舎文庫、筆名・大森浩太郎)などがある。

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