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ダイユウエンタープライズ株式会社

https://daiyu-ep.co.jp/

〒347-0011埼玉県加須市北小浜302-4

0480-63-0227

遮熱塗料や水性塗料で脱炭素を推進する職人集団|ダイユウエンタープライズ

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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ダイユウエンタープライズ 社員集合
ダイユウエンタープライズの職人の皆さん。(提供:ダイユウエンタープライズ)

近年冷房必須の酷暑が続く。ただ温度を下げたくも、世界的なエネルギー危機を前に燃料価格は高騰。その影響でもっぱら電気代が悩みの種という消費者は多いだろう。

さて、外壁の塗料を変えるだけで空間が快適になるといったら、あなたは信じられるだろうか。どうやら世の中には「遮熱塗料」と呼ばれる魔法の塗料があるらしい。

熱を遮断する効果に優れ、室内の温度を下げてくれる、その塗料を使うことに長けた会社が埼玉の加須にある。塗装工事や防水工事を行うダイユウエンタープライズだ。

社長の早水大輔さんは父と二人三脚で会社を立ち上げ、若い社員たちと会社を成長させてきた。

近年はSDGs達成に向けた宣言書を掲げ、持続可能な組織づくりに取り組んでいる。遮熱塗料とは何か、なぜ取り扱うのか、同社の社会性に焦点を当てて、お話を聞いてみた。

脱炭素・電気代節約に繋がる遮熱塗料を積極的に導入

遮熱塗装 L3
遮熱塗料を塗っている様子

−遮熱塗料の使用も推進していると聞いた。どういった効果があるのか?

近年猛暑が続いていますが、室内が暑くなってしまう大きな要因は屋根の熱ごもりとなっています。

そこで遮熱塗料を使用すると、屋根が熱を吸収せず、熱を跳ね返すことができるので熱ごもりを減らすことができるのです。

熱を減らすことで室内の暑さが軽減されるので、電気代の節約・脱炭素に繋がります。実際に弊社が使用している遮熱塗料「アドクールAqua®︎」では、電気料金を年平均で23.2%削減できたという事例もあります。

−遮熱塗料を使用し始めた経緯は?

ある工場からの依頼で、鉄板の屋根で工場がどうしても暑くなるので遮熱塗料を使えないかという相談がありました。以前から遮熱塗料の存在は知っていたのですが、本当に効果があるのかは疑問でした。

塗装した後にお客様から「効果がなかった」と言われるのは困るので、使用に躊躇していました。

ただお客様からご要望があったこともあり、実際に導入してみると、「エアコンが唸らなくなった。体感としてもだいぶ暑さが軽減された」というお声を頂き、以後積極的にご提案するようになりました。

-なぜ、アドクールAquaを選んだのか?

アドグリーンコートやアドクールAquaを販売しているNCKは、問屋さんからの評判も良かったんです。

遮熱効果が優れているという話を聞いており、NCKの営業担当者からもよく話を聞いていたので、NCKで試してみることにしました。

名称未設定 1
NCKのアドクールAquaの資料から抜粋

NCKのアドクールAquaは太陽光の近赤外線を効率よく反射し、さらに放熱効果にも優れる塗料だ。塗装した外壁の”熱だまり”を起こさせない。また、「水性で環境にやさしい塗料でありながら、安心安全のJIS認証を取得していることも特徴」とNCK社の小林秀和さんは語る。

−今後は脱炭素の取り組みをどのように推進していこうと考えている?

脱炭素という観点では、社内でCO2をどのくらい排出しているのかを算出することが重要だと考えています。

現状を知ると社員たちも実感を持って取り組むことができます。事業だけでなく、現場で働く社員や職人たちにもヒアリングを行い、現場での実感も大切にしていきたいです。

例えば毎日買う飲み物を自動販売機で購入するのではなく、マイボトルを使用するなど、日々の業務の中で変えていけることを見つけていきたいですね。

誰も追いつくことのできない技術力と知識力を磨き続ける

−そもそもダイユウエンタープライズとはどういった会社なのか。

もともとの歴史は1985年に、父が一人親方として塗装職人を始めたところまで遡ります。私は中学卒業後の1997年頃から父の仕事を手伝うようになりました。

2005年11月に法人化し、現在は東京・埼玉・群馬・茨城県などで主に塗装工事と防水工事を中心に行なっています。社員は12名で、うち2名は女性の職人です。

女性スタッフ
女性の職人の方たち。女性の職人は珍しそうだが、「最近はそれほど珍しくない」と語る早水さん。InstagramやXなどのSNSで女性の職人にスポットライトがあたる時代であり、職人であることの希少性が尊ばれるのだろう。

私は16歳から父と仕事していますが、創業当時は孫請けで仕事が少ない苦しい時期もありました。

丸々1ヶ月間働けるような環境ではなくて、1週間休みであることもザラでしたね。その経験から、技術力と知識力を磨き続け、職人としての信頼を重ねることを大切にしています。

「無双 ~唯一無二の企業・人となれ~」という社是を掲げ、誰も追いつくことができないほど、優れた職人になることを社員全員で目指しています。

伸び伸びゆっくりやるというよりも、仕事においてはがむしゃらに、勉強を欠かさないよう心がけています。

無双の社是を前に早水さん



−地域社会のために行っていることは?

私たちは本社が埼玉県加須市にあり、地域と深く結びついています。例えば、埼玉県の県管理道路(歩道部分)にてボランティアで清掃美化活動を行うロードサポートという活動に参加しています。

ダイユウエンタープライズは県道125号線にて、かれこれ10年以上参加しており、年に4回、日曜日の朝7時から8時まで掃除と挨拶運動を実施しています。

ロードサポート L

元々知名度のない会社だったことから、地域に貢献することで、「気持ちの良い挨拶をしてくれる人たちはどこの会社の人だろう?」と知っていただきたいという思いから始めました。

社員は地域の方々と触れ合うことが仕事のモチベーションにも繋がっているようです。

ロードサポート L2
ロードサポートの様子

水性塗料の使用率70%を目指して

−HPを見ると、SDGs達成に向けた宣誓書を掲げている。内容について教えてほしい。

ダイユウエンタープライズは、加須市では2番目に「埼玉県SDGsパートナー」として登録しました。

環境・社会・経済の3つの面から指標を掲げています。まず、環境面では水性塗料の使用率の向上を2030年までに70%に向上することを指標としています。

塗装工事で使用される溶剤系塗料に含まれるVOC(揮発性有機化合物)は大気汚染物質の原因の1つと言われているため、水性塗料の使用を増やすことでVOC排出量を削減しています。

単に水性を増やすのではなく、油性と同様に耐久性の高い塗料を使用することで塗装のクオリティは下げずに、環境に良いものに代替していっています。

−指標は達成できそう?

お客様からの受注があってこその事業ですから、水性塗料を指定するお客様はまだ少ないですが、提案をさせて頂きながら、達成に向けて動いています。

若い職人が挑戦できる職場へ

−社会・経済の面から掲げている指標についても教えてほしい。

社会の面では資格所得支援、女性管理職の向上 、先ほどお話ししたロードサポート制度の登録です。

実際に2023年3月に子会社としてウィズライフコーポレーションという会社を分社化しましたが、その子会社の常務に女性を起用しています。

弊社は若い社員も多いので、技術力・知識を身につけるためにも資格取得は積極的に支援しています。経済面では時間外労働時間の削減と、有給取得率向上を掲げています。

−今後のビジョンを教えてください。

弊社は若い社員が多いので、挑戦できる場所を増やしていきたいという思いがあります。そのためには社員たちを自分の手元から離し、支店や事業所を作ることができたらと考えています。

私がトップにい続けるのではなく、社員たちが自立して活躍できる場所を作っていきたいですし、それがきっと私自身の挑戦にも繋がるのではないかと思っています。

遮熱塗料は沖縄や海外でも需要があるため、私たちのノウハウを活かして新しい環境に挑戦してもらいたいです。

私たちが磨いてきた技術力や知識は、きっと今の場所を飛び出しても通用するはずだと信じています。

ダイユウエンタープライズが今日に至るまでにはさまざまな物語があった。

今日の御社があるのは誰のおかげか?そう問いかけると、早水社長はさまざまな関係者の名前をあげてそれぞれの物語を答えてくれた。

cokiは法人と多様なステークホルダーとの関係を明らかにすることを目的としたサイトだ。以下に、素敵な物語だなというエピソードを数点紹介する。

株式会社大川緑地開発 代表取締役 大川俊行さんへ

大川緑地開発 大川俊行社長

  • hayami
  • ookawa

青年会議所で出会った大川さんには、「ありがとう」という気持ちがたくさんあります。創業者の息子であるという共通点もあり、父とのすれ違いによる悩みや、「自分たちが社長になったらこうしていきたいよね」という将来についてなど様々なことを語り合った仲です。社長になってからは仕事先を紹介していただいたり、弊社が公共工事をやるきっかけをいただいたりと、会社としてもお世話になっています。公共工事をどうやるのか、入札の仕方から1から教えてもらいました。今の会社の売り上げがあるのは、大川さんがいたからと言っても過言でないです。7歳年上なのですが、友人のように接してくれ、友人としても企業のパートナーとしても、本当に感謝しています。

ダイユウエンタープライズ株式会社 専務 久保田さんへ

久保田専務

  • hayami
  • kubota

小学校から一緒の仲で、創業当初から父と私と一緒に3人でやってきてくれた人です。仕事が1週間ない時も、結婚し子供が生まれるという時なのに、一歳文句を言わず、給与についても何も言わずについてきてくれました。そんな大変な状況の中でも、私に申し訳ないからと気遣って、内緒で他の仕事をしながら生計を立ててくれていましたね。申し訳ないのはこちら側なのに、どんなに苦しい時も辞めずにずっとついてきてくれて、頭が上がりません。今は厳しい専務として矢面に立ってくれ、とても頼もしい存在です。家族のように大切な存在だと思っています。

ダイユウエンタープライズ 酒巻さんへ

法人化して間もない頃
写真左より 小暮翔太さん、一番右が酒巻智さん

  • hayami
  • sakamaki

中学校からずっと一緒にいる仲間です。会社に誘ったのも私からで、常に私が振り回してしまっているのに、真面目についてきてくれていることにとても感謝しています。下請け・孫請けが多く給与を上げられないのに現場が多い時期にも、ずっとついてきてくれました。せっかくついてきてくれたのだから、絶対に幸せにしたい、最後にはついてきてよかったと思ってもらいたいと思う存在です。私は学生の頃マジメな生徒ではありませんでした。そのため、同級生の親御さんたちからは息子が私と遊ぶことをあまり肯定的には捉えてくれない雰囲気を感じていました。酒巻の親御さんも当初はよくは思っていなかったと思います。それが弊社で一緒に働くようになり、酒巻が資格を取ったある時に、親御さんから私がある言葉をいただいたんです。「大ちゃん、ありがとね。うちの息子は大ちゃんのおかげでしっかり一人前になってくれた」とその感謝の言葉をもらった時、今でも思い出すと、自分の存在が肯定されたように思え、涙が出てしまうほど嬉しかったです。

ダイユウエンタープライズ 小暮さんへ

  • hayami
  • kogure

義理の弟です。妹との結婚を機に東京から埼玉に移り住み、最初はバイクいじりが好きだったのでバイク屋さんに就職したものの中々、理想と現実とのギャップと生計に悩み、バイトでダイユウエンタープライズに来ました。その際に塗装業の楽しさを覚え、「このまま雇ってほしい」とお願いされ承諾して現在に至ります。その後は、マジメにコツコツと努力してくれました。早く、丁寧な仕事は評判で、弊社の理念を体現してくれています。普段は大人しい性格ですが、内に秘める男気は後輩社員からも慕われる大きな存在となっています。2019年に立ち上げた新事業部の総括マネージャーを引き受けるとその手腕を発揮して、右肩上がりで業績を上げてくれました。そして、その業績と時期を考えて2023年3月にその事業部を分社化する決断をしました。

代表取締役社長を快く引き受けてくれたことを感謝しています。そして、これからの彼にとても期待しています。このように社内から多くの社長を輩出することも僕の仕事だとも思っています。

父へ

代表交代時 ダイユウエンタープライズ

  • hayami
  • hayami father

法人化する際、社長をやりたがらない父に、せっかくだから代表取締役という名刺と肩書きを作ってあげたい、という思いで社長をお願いしました。当時は恥ずかしくて言えなかったけれど、個人事業主からコツコツ努力してきた父に箔をつけてあげたいという密かな願いがありました。

法人化後は営業も経理も「好きなようにやれ」と信頼して任せてもらい、世襲で揉めることもなく、会社を継ぐことができました。任せるだけでなく現場が忙しくなったら快く現場を手伝ってくれ、父の背中を追い続けていました。父に、息子の頑張りで会社がこれだけ大きくなったと胸を張ってもらえるように、という思いでずっとやっています。今は亡くなりましたが、父のおかげで今の自分があると思っています。

ダイユウエンタープライズ 社員

◎企業概要
企業名:ダイユウエンタープライズ株式会社
URL:https://daiyu-ep.co.jp/
住所:埼玉県加須市北小浜302-4

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ライター:

慶応義塾大学文学部卒業。JTB首都圏(現:JTB)、リクルートコミュニケーションズ(現:リクルート)にて勤務したのち、独立。幼少期の海外在住経験や、大学時代にシェイクスピアについて学んだ経験から、演劇・ミュージカルの魅力をもっと日本で広めたいという思いを持ち、演劇webメディア「Audience」を0から立ち上げ。マーケティングからweb制作ディレクション、取材・ライティング、メディア運営と幅広く活動中。

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