
医療業界のデジタル化が進む中、新潟ビジネス専門学校(NBC)が日本医療秘書学会で最高賞を受賞。医療秘書の未来を見据えた実践的な教育が評価され、次世代の医療人材育成に新たな可能性を示した。
日本医療秘書学会で最高賞受賞、新潟ビジネス専門学校の挑戦
医療業界のデジタル化が進む中、次世代の医療秘書に求められるスキルも大きく変化している。そんな中、新潟ビジネス専門学校(新潟県新潟市、以下NBC)が、全国の専門学校・大学・医療従事者が参加する日本医療秘書学会において、最高賞である「日野原重明賞」を受賞した。受賞の背景には、医療現場の課題を捉え、実践的なスキルを重視する独自の教育方針がある。
10年後の医療秘書を見据えた研究が評価
NBCのIT医療情報学科2年生2名は、2月16日に大阪で開催された日本医療秘書学会第22回学術大会に参加。「10年後のメディカルスタッフ」と題した発表を行い、全国26団体が参加する中で最高賞に選ばれた。
発表では、医療業界の人材不足が深刻化する中、今後の医療秘書に求められるスキルとして、ITリテラシーの向上や多職種連携の重要性を指摘。特に、電子カルテの普及やオンライン診療の拡大に伴い、医療秘書が果たすべき役割の変化を具体的に考察した。
ITと医療知識の融合、他校にない独自のカリキュラム
NBCの強みは、医療事務だけでなく、ITスキルや接遇能力を重視したカリキュラムにある。具体的には、国家資格「ITパスポート」や、マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)資格の取得を支援し、電子カルテの管理やデータ分析能力の向上に力を入れている。
また、医療秘書には患者や医療スタッフとの円滑なコミュニケーションが求められるため、接遇スキルの習得にも注力。こうした学びを通じ、学生たちは即戦力としての実践力を養っている。
「医療秘書は単なる事務職ではない」— 背景にある教育理念
NBCがこうした教育を重視する背景には、「医療秘書は単なる事務職ではなく、医療現場を支える専門職である」という考えがある。特に、超高齢社会を迎える日本では、医療スタッフの業務負担軽減や効率化が求められ、医療秘書の役割はますます重要になっている。
同校のカリキュラムは、単に資格取得を目的とするのではなく、医療現場の実情に即したスキルを提供することに重点を置く。これにより、卒業生は即戦力として多くの医療機関から高く評価されている。
未来の医療現場で活躍するために
今回の受賞は、NBCの教育方針の成果を証明するものだ。学生たちは、単なる座学にとどまらず、現場を意識した研究や発表を通じて、社会で求められるスキルを磨いている。
医療業界は今後も進化を続ける。そんな中、医療秘書としての役割を再定義し、変化に対応できる人材を育成するNBCの取り組みは、他の教育機関にとっても示唆に富むものといえる。次世代の医療従事者を目指す人々にとって、同校の教育が提供する価値は大きいだろう。