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チャットGPTの開発者が手がける新仮想通貨「ワールドコイン」とは

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チャットGPTを開発したオープンAIのCEOサム・アルトマン氏が手掛ける新たな暗号資産『ワールドコイン』について解説する。

新たな暗号資産(仮想通貨)ワールドコインが7月にスタート

対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発したオープンAIのCEOであるサム・アルトマン氏が手掛ける新たな暗号資産(仮想通貨)「ワールドコイン」が2023年7月にスタートした。

ローンチから数日で世界的に急速な広がりを見せており、開発者であるサム・アルトマン氏のTwitterでは以下のようなツイートが見られた。

7月27日
day 3 of @worldcoin launch, crazy lines around the world. one person getting verified every 8 seconds now.(ワールドコインのスタートから3日、世界中でクレイジーな行列ができている。8 秒に1人のペースで認証中)

ベータ期間中に200万人以上のユーザーを集めており、仮想通貨トークンも発行され、すでに取引可能な状態になっているという。

ワールドコインの特徴とは

ワールドコインの特徴は、虹彩認証にある。虹彩とは眼球の色がついている部分のこと。虹彩の模様は、同一人物の左右でも一卵性双生児であっても異なっており、遺伝的な影響がほとんどない。顔や指紋と違って、満2歳以降は一生経年変化しない。そのため虹彩認証は、なりすましや不正を防ぐのに効果的だと考えられている。

ワールドコインでは、「orb(オーブ)」と呼ばれるデバイスで虹彩をスキャンし、World IDというデジタル身分証明を作成する。World IDを用いれば、名前やその他の個人データを開示することなく、さまざまなオンライン上のサービスで身元を確認できるようになる。つまり、ワールドコインとは、虹彩というデータを提供した対価として発行される暗号通貨であるとも言える。

AIの普及が進むにつれて、オンライン上で人間とAIをどう区別するか、すなわち自分が人間であることを証明する重要性が高まっていく。WebサイトにIDとパスワードを入力するとき、「私はロボットではありません」にチェックを求められる経験をした人は多いだろう。そんな世の中だからこそ、虹彩を利用することで人間だけにIDを発行できる仕組みを持つワールドコインに注目が集まっている。

ワールドコインの目的とは

ワールドコインの共同創設者であり、Tools for HumanityのCEOであるアレックス・ブラニア氏は、ワールドコインの目的について以下のように語っている。

「ワールドコインは独自の技術を駆使して、バックグラウンドや、地理的条件、収入に関係なく、世界中の誰もが、プライバシーを守りながら非中央集権的な方法で、成長著しいデジタル経済やグローバル経済にアクセスできるようにすることを目指しています

(原文 “Through its unique technology, Worldcoin aims to provide anyone in the world, regardless of background, geography or income, access to the growing digital and global economy in a privacy preserving and decentralized way.” )

また、チャットGPTを開発したサム・アルトマン氏だからこそ考える別の目的もある。それは、ベーシックインカムシステムの普及だ。

チャットGPTなどのAIを活用した技術が急速に進化するにつれ、人間が行う仕事が激減する未来が待っているかもしれない。そこで注目されるのが、年齢、性別、所得水準などに関係なく、すべての人間に一律の金額を恒久的に支給するベーシックインカムシステムである。

サム・アルトマン氏は、チャットGPTの開発者として自らがベーシックインカムシステムの普及に役立つ仕組みを作る必要があると感じ、ワールドコインをスタートさせたとも考えられている。ワールドコインを活用すれば、全世界80億人にアカウントを付与して、パスワードを管理する手間とコストを省くことができる。

ワールドコインは人類に恩恵だけをもたらすのか

普及すれば人間の生活をより豊かにすることが期待されるワールドコインだが、プライバシーに関する危険性は忘れてはならない。民間企業による生体認証情報によるデータベースの構築についてプライバシー保護の観点から懸念の声もあがっている。英国個人情報保護監督機関(Information Commissioner’s Office:ICO)は、「個人データを処理する明確な合法的根拠を持つ必要がある」として、サム・アルトマン氏に対して調査を行う予定であると発表している。

暗号資産(仮想通貨)が世の中をどう変えていくのか、今後も注視していく必要がある。

【参考】
OpenAI’s Sam Altman links 2 hot tech trends with his new Worldcoin: artificial intelligence and crypto. But there’s a lot more to the story
WORLDCOIN PROJECT LAUNCHES
UK Information Commission to Make Inquiries About Worldcoin
アングル:仮想通貨ワールドコイン始動、生体情報収集に懸念も

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ライター:

1991年東京生まれ。中央大学法律学部出身。卒業後は採用コンサルティング会社に所属。社員インタビュー取材やホームページライティングを中心に活動中。

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