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愛知県倫理法人会

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〒456-0034愛知県名古屋市熱田区伝馬2丁目16-13豊建ビル2F事務局3F会議室

052-799-4286

経営者が保つべき心の状態を教えてくれるのが倫理

ステークホルダーVOICE 地域社会
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杉山運輸株式会社 代表取締役社長の吉田徹さん(画像提供:杉山運輸)

「日々決断の多い経営者だからこそ、倫理の教えが必須」と語るのが、名古屋市熱田・港倫理法人会会長であり、杉山運輸株式会社 代表取締役社長の吉田徹さん。

名古屋で運送業を営む会社の3代目として、創業精神を忘れず真摯に仕事と向き合い、時代にあわせた改革をおこなってきた。

そんな吉田さんにとって判断軸のように機能しているのが、倫理法人会のバイブル『万人幸福の栞』にある17ヵ条。「倫理は一生学び続けるもの」と考える吉田さんに、経営者が倫理を学ぶ意義について伺った。

自社紹介

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杉山運輸 藤前物流センター外観(画像提供:杉山運輸)

杉山運輸株式会社は、名古屋でトラック運送業を60年近く営んでいる会社です。所有トラック数は72台、社員数85名。私は3代目代表の吉田徹と申します。

1965年に、松下電工株式会社(現パナソニック)の専属運送会社として創業して以来、徹底しているのが「お客様からお預かりした大切な品物は家族のように大切に」という創業者、杉山史郎の精神です。

杉山は、上下逆さになった荷物を見つけると、たとえその上に何段もの荷物が積みあがっていてもやり直しを命じました。

「この荷物があって初めてご飯を食べられる」と普段から口酸っぱく言う誠実な人でした。

仕事への誠実さと並んで、当社の強みとなっているのが結束力です。お客様に喜んでいただくには、従業員同士が互いに助け合い、補い合うことが必須です。

困っている人がいたら必ず手を差し伸べる雰囲気は、私が入社した12年前には当然のようにありました。先代である私の父の人柄も大きいのでしょう。

父を慕う古参の社員を中心に根付いた互助の文化こそ、当社が選ばれる大きな一因であると感じています。

仕事に誠実な創業者、結束力を築いた先代からバトンを受け取り、3代目代表となった私は、「よろこび運ぶ、道づくり」を経営理念として杉山運輸を盛り上げています。

この経営理念には、物に詰まった送り主の真心も私たちは運んでいるということ、運送事業以外の道も今後積極的に作っていくといった思いが込められています。

2018年に経営理念を刷新し、ある意味生まれ変わったかのように、より精力的に経営に取り組めるようになったきっかけは、倫理法人会での学びでした。

倫理法人会に入会した経緯

倫理法人会に入会したのは、私の父でした。

父は、2005年に友人から誘われ当時の熱田区倫理法人に入会しました。しかし、活動の柱であるモーニングセミナーには一度も参加せず、ほとんど幽霊会員状態。

ただし、酒好きの父は夜の勉強会や式典はその後の懇親会を目当てに必ず参加していました。

それが熱心に活動しているように見えたのでしょう。なんと新設予定の名古屋市港区倫理法人会の初代会長に抜擢されたのです。

父から駆り出され、私も毎週のようにモーニングセミナーに出席するように。それが私と倫理法人会の出会いでした。

現在は、熱田区と港区の倫理法人会が統合され、名古屋市熱田・港倫理法人会となっており、私は7代目の会長を務めています。

今年で会長職は任期満了となりますが、倫理は一生の学びであると思うので、私の命が尽きるまでは会員を続けると決めています。

倫理法人会での学びについて

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名古屋市熱田・港倫理法人会のメンバーとの一枚(画像提供:杉山運輸)

私にとっての倫理法人会での一番の学びは、倫理法人会のバイブルである『万人幸福の栞』にある倫理17カ条の13番目「本を忘れず、末を乱さず」です。

命の根元(もと)である両親の恩を感じ、祖先を敬う心が大切。当たり前に聞こえるかもしれません。私も言葉として理解はしていました。しかし、腹落ちはしていなかった。

転機は、愛知県倫理法人会が実施する後継者倫理塾に2013年に参加したとき訪れました。

倫理経営を学ぶ10ヶ月間のカリキュラムのひとつに、「両親からしてもらったこと」を100個紙に書く課題がありました。

お乳をもらった、学校に行かせてもらったなど、細分化することで何とか数十個は書けました。次の課題は「両親にしてあげたこと」を100個。すると、ほとんど書けなかったんです。

これだけ自分のためにしてもらっておいて、相手にお返したことってほとんどないのか。衝撃でした。

そんな示唆を与えられるカリキュラムを続けた結果、中学2年生から続いていた父親との確執がわずか10ヶ月間でゼロになったんです。

口を聞きたくない、同じ空気を吸いたくないといった恨みや苦しみがパンっと霧散した。

「初心を忘れ、受けた恩を忘れるから、いつしか怠け、過ちをおかします」という意味を心の底から理解できました。この感覚は倫理法人会に出会わなければ味わえなかったと思います。

倫理法人会で学んだことを経営にどのように生かしているか

「本を忘れず」の精神でいると、自分一人で生きているのではないのだから、助け合いや人様に喜んでもらうことが自分の喜びになると思うことができます。

「よろこび運ぶ、道づくり」という経営理念もその考えから生まれました。

経営者にとって倫理17カ条はどれも非常に参考になります。なぜなら、経営者の最重要な仕事の一つが決断であるから。心が鈍っていたり、憂いていたりすると、その決断は間違いを導きます。

倫理17カ条は経営者としてどのように心を保つべきかを教えてくれます。

例えば、「苦難は幸福の門」。これは、苦難は生活の不自然さ、心のゆがみを教えてくれるものなので、苦難に直面したときは、嫌がったり逃げたりせずに、堂々と喜んで受け止め、自分を改めていくチャンスと捉えようという考えです。

私が代表に就任したのが2011年。お恥ずかしながら、3期連続赤字状態で、金融機関には利息しか払えておらず、社会保険料未納が3年続いていました。

今は笑ってお話できますが、当時は全く笑えない状況。なぜこのタイミングで継いでしまったのかと思い悩む日々でした。

しかし、代表の私がくよくよしても物事は好転しないと開き直ってからは嘘のように上り調子になりました。

自分の心がしゃんとして、これも高みに上がるためのステップだとここその底から思えることができれば、行動が変わります。

課題や困難にいやいや向き合うのか、喜んで挑むのかで結果は180度変わることを痛感しました。
全国の経営者が倫理の考えをもとに決断していけば、より素晴らしい日本になると確信しています。

何事もまずは自分からなので、倫理の教えを自分で実践し、その輪を広げていくのが大切だと思っています。私たちが全国の倫理法人会のお手本になれるくらい精進していきたいです。

倫理法人会での学びは、心を大切にする学びです。行動で人生がどのようにも変われることを身をもって体験してきました。

今後、倫理法人会を通してご縁のつながる皆様とともに、そうした素晴らしい体験をご一緒できれば嬉しいです。

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画像提供:杉山運輸

◎企業概要
・社名:杉山運輸株式会社
・本社所在地:〒453-0856 愛知県名古屋市中村区並木2丁目78番地
・TEL:052-411-5234
・FAX:052-412-7107
・設立:昭和40年3月
・代表者:代表取締役 吉田 徹
・資本金:5,000万円
・事業内容:物流事業/倉庫事業
・HP:https://sugiyama1965.jp/

◎プロフィール
吉田 徹
昭和40年3月 愛知県名古屋市 生まれ
昭和58年4月 中部電力株式会社 入社
平成元年中部電力㈱を退社後、小売業の道へ、平成17年に小売業破綻後に杉山運輸株式会社入社、平成23年社長就任
現在は、2つの子会社を持つホールディング会社の代表を務める

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ライター:

1991年東京生まれ。中央大学法律学部出身。卒業後は採用コンサルティング会社に所属。社員インタビュー取材やホームページライティングを中心に活動中。

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