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愛知県倫理法人会

https://rinri-aichi.jp/index.html

〒456-0034愛知県名古屋市熱田区伝馬2丁目16-13豊建ビル2F事務局3F会議室

052-799-4286

倫理法人会は実践に落とし込める学びの宝庫

ステークホルダーVOICE 地域社会
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久間博敬さん
東和精機株式会社 代表取締役社長 久間博敬さん(画像提供:東和精機)

「倫理法人会での学びは、とても一言では語り尽くせません」と語るのは、愛知県安城市で全自動歪取機を主力とする鍛圧機械の製造・販売事業を展開する東和精機株式会社の代表取締役 久間博敬さん。

20年前に経営危機を経験した久間さんは、2007年頃から雑誌「致知」を用いた社内勉強会を実施していた。これを耳にした倫理法人会のグループが見学に訪れたことを機に、入会した。

久間さんは、倫理法人会で愛読されている「万人幸福の栞」に記されていたことが20年前の体験に合致しており、「これは間違いないと確信した」と振り返る。

「倫理法人会は学びの宝庫。実践に落とし込める学びも豊富にあります」と、経営にも人生にも学びを活かす久間さんに、同会で学んだこととその実践、さらにこれから挑戦したいことを伺った。

自社紹介

当社は、1946年、私の祖父が愛知県安城市にて創業しました。鍛圧機械の製造・販売を事業内容としており、主力製品の全自動歪取機に関してはパイオニアを自負しております。

全自動歪取機は、熱処理でゆがんだシャフトのひずみを、1/1000mm単位で計測し、プレスする設備です。

シャフトは、自動車製造に使われる部品です。このため、当社の顧客の9割が自動車業界のお客様となっています。

このように、独自に開発・蓄積してきた技術を用いて、顧客の要望に沿ったオーダーメイドの設備設計と製作ができることが、当社の特徴です。

自動車業界に限らず、特殊なプレス技術を応用して、半導体業界・電気業界に向けたプレス機も制作しております。東南アジアに直接取引できる輸出先があることも、強みのひとつです。

インドでSUVのナンバーワンカーメーカーとして名高いマヒンドラ&マヒンドラには、20年ほど前から直接輸出をしております。

現在は現地の部品メーカーにも輸出を拡大しており、すでに当社の全自動歪取機30台超が現地で稼働しています。

倫理法人会に入会した経緯

私は2008年に入会しまして、今年で15年目になります。入会のきっかけは、雑誌「致知」を用いた当社の勉強会の様子を、倫理法人会の方々が見学しに来られたことでした。

当社では、2007年頃から「致知」を使った勉強会を社内で実施しておりまして、致知出版の方が「安城市にこんな会社があるよ」と倫理法人会に紹介してくださったそうです。

大体20~30人の方々が見学にいらっしゃいました。

その際に倫理法人会入会の勧誘を受け、朝礼で活用できる雑誌や倫理法人会のバイブル的書籍「万人幸福の栞」なども見せていただきました。

そこに書かれている内容が、20年ほど前に「会社が潰れてしまうかもしれない」という危機的状況に陥った経験と一致していたことから、「ほぼ間違いない」と確信して入会しました。

職場での朝礼シーン
職場での朝礼シーン(画像提供:東和精機)

倫理法人会での学びについて

倫理法人会での学びは、とても一言では語り尽くせません。

「朝起き」ひとつとっても、大切なことを学びました。実は私、「朝起き」を知る前も「早起き」は身についていました。でも「朝起き」と「早起き」は全く異なるものです。

「朝起き」に込められた意味は、「目覚めたら起きる」つまり「気付いたらすぐにやる」ということです。これは、私自身の人生にも会社経営にも生かされている概念です。

目覚めたら起き、朝を活かすことを徹底したら、大きな変化が生まれました。うまくいかないときは、いろいろなことを後回しにしたくなります。

しかしそれが状況を一層悪化させます。後回しを排し、気付いたらすぐやる。これはひとつの大きな学びでした。

また、当たり前のことですが、「物を大切にする」。しかも「物は生きている」という学びです。

そんなことを真面目に言うと、「ばかじゃないの」と笑われてしまいそうですが、実際、原子レベルで見ると物も生きているのです。

陽子の周りを電子が回転していて、さらに小さくなるとクオークになる。木や金属などの物質は「安定している」と言われますが、原子レベルで見ると動き続けています。

ですから、車や家、道具、機械にも、「今日も一日ありがとう」と感謝を込めます。気持ちの問題かもしれませんが、すべての物に「ありがとう」を言うことでパフォーマンスも向上します。

「気付いたらすぐやる」も「物を大切にする」も、どこまでいっても満点にはなりません。

限りない挑戦です。人として当たり前のことを説いている「明朗・愛和・喜働」も、いざ実行しようとすると、これがなかなか難しい。

学び続けなければ人間は簡単に忘れてしまいます。だからこそ、学び続ける必要があると思っています。

学んだことを経営にどう生かしているか

「物は生きている」という学びの実践のひとつが、全社一丸となって行う掃除活動です。

週に1回、就業前の45分間、トイレから社用車、手洗い場まで、自分たちが使っている場所や物を綺麗に掃除しています。

また、「お金は最も敏感な生き物」という学びの実践もしています。経営の指南書などでは大抵、手元の現金を最大化するために、「支払いは遅く」というのがセオリーです。

しかし、倫理法人会の「万人幸福の栞」には逆のことが書かれています。

「お金はもっとも敏感な生き物なので、取るべきお金は遅滞なく請求し、払うべきお金はすぐ払え。これをしなければお金は逃げていく」と説いているのです。

「支払いは遅く」ではなく、「すぐ払え」とあります。これは、「払わなくては入ってこない」という考えです。実体験でも確かにそうで、これを実践したことで資金繰りが改善しました。

当社では定期的に部品などを購入しますが、定期購入のものは月末締め、翌月末の現金払いを徹底しています。

そして、車検、エアコン修理、設備導入などの不定期な支払いに関しては、請求書が届いたら月末まで待たず直ちに払います。

これは会社だけでなく、個人的にも実践しています。請求書を受け取ったら、その日の帰り道にATMに立ち寄り振り込むようにしています。

このように、倫理法人会は学びの宝庫。実践に落とし込める学びも豊富にあります。

これから挑戦したいこと

今後も学びを継続しつつ、いろいろな方の話を聞いて「いいな」と感じたことを取り入れていきたいです。

また、先ほどの「『すぐに払う』を実践したら資金繰りが良くなった」というような、実感を伴った体験談を周囲の人に伝えていければと思います。

気付けば私も、倫理法人会のなかで古株になっていました。今後はより多くの人に自分の体験を伝えながら、学びたい人を増やすべく尽力していきたいです。

いまの世の中、政治は混迷し、人々の心もすさんでいます。効果的な経済対策も打てないままです。

しかし、その状況に文句だけ言っていても仕方がありません。現状を受けいれた上で、自分はどうすれば良いか、その考え方を身に付ける必要があります。

愛知県倫理法人会の会長の山口さんは、皆の意見を尊重し、和を尊びながら物事を進めることに長けておられます。

山口さんのように、状況を受けいれ、対処法を考え、逃げずに取り組める人が増えていけば、現状を打破できると信じています。

日本の企業の99.5%が中小企業です。中小企業の経営は大変ですが、苦難から逃げず、正面から受け入れ、淡々と対処できる中小企業経営者が増えれば、日本はより良くなっていくのではないでしょうか。

中小企業の経営者が考えの軸を学べる唯一無二の場所が、倫理法人会です。倫理法人会の仲間を増やし、ひいては日本がより輝ける国になれるよう、活動を広げていければと考えております。

◎企業概要
・社名: 東和精機株式会社
・本店所在地:〒446-0007愛知県安城市東栄町5丁目26番地7 
・TEL:0566-97-9181
・FAX:0566-97-9002
・創業:1946年12月
・設立日:1957年7月5日
・代表者:代表取締役社長 久間 博敬
・資本金:1億円(2013年12月現在)
・従業員数:36名(2021年11月現在、パート、派遣、技能実習生含む)
・事業内容:鍛圧機械の設計・製作
・HP:https://www.towaseiki.com/index.html

◎プロフィール
久間 博敬
1967年生まれ。軍艦乗りを目指し防衛大学校卒業後海上自衛隊入隊、以後護衛艦勤務を経験後に幹部潜水艦課程学生を経て潜水艦勤務となる。1997年に当時社長であった叔父が急逝したため海上自衛隊を退役し当社入社、2002年代表取締役就任、現在に至る。

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ライター:

1985年生まれ。米国の大学で政治哲学を学び、帰国後大学院で法律を学ぶ。裁判所勤務を経て酒類担当記者に転身。酒蔵や醸造機器メーカーの現場取材、トップインタビューの機会に恵まれる。老舗企業の取り組みや地域貢献、製造業における女性活躍の現状について知り、気候危機、ジェンダー、地方の活力創出といった分野への関心を深める。企業の「想い」と人の「語り」の発信が、よりよい社会の推進力になると信じて、執筆を続けている。

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