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特定非営利活動法人 キーパーソン21 http://www.keyperson21.org/

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子どもの『わくわくエンジン®』を掘るのは親の特権。楽しまないともったいない|認定NPO法人くさつ未来プロジェクト堀江尚子さん

地域社会
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認定NPO法人くさつ未来プロジェクト
くさつ未来プロジェクトのイベント植松電機さんのロケットづくりの際の集合写真。提供くさつ未来プロジェクト(以下、KMP)

「勉強や仕事ができれば人生は勝ち。そんな“偏差値万歳”の世界で30歳まで生きてきた私を180度変えてくれたのが、キーパーソン21。代表の朝山さんは、私の人生のまさに”キーパーソン”。

感謝しかありません」。そう語るのは、滋賀県は草津市を中心に子育て支援事業を展開する認定NPO法人くさつ未来プロジェクト(以下、くさつ未来プロジェクト)代表理事の堀江尚子さん。

認定NPO法人キーパーソン21との出会いによって、自身の生き方や子育てに対するスタンスも変化したという堀江さん。

現在はキーパーソン21の法人パートナーとして、子どもたちが「自分を知り」「自立する」力を身につけていくプログラムを自身のNPOでも展開しています。

そんな堀江さんに、キーパーソン21との出会いから、現行の教育システムが抱える限界、そして子どもたちの生きる力を育むために今求められるキャリア教育について伺いました。

ギリギリの精神状態の母親たち。社会と繋がる親子の居場所が必要。

キラキラキッズの写真
キラキラキッズの写真 提供:KMP

堀江さんが代表を務めるNPO法人くさつ未来プロジェクトは、「子育て世代に対して、親になる方法を学ぶ機会を提供」することをミッションの1つに掲げていて、とても興味深いと思いました。

堀江

ありがとうございます。親になるって非常に責任が大きいにもかかわらず、私たちは多くの場合、誰からも子育てを教わらずにいきなり育児をスタートさせますよね。

特に子どもと接する機会の多い母親は精神的にも肉体的にもギリギリまで追い詰められてしまうことが多いと思います。

私もその1人で、結婚を機に30歳で滋賀県草津に移住して3人の男児の子育てを始めたのですが、当初は本当に毎日が地獄という感じでした。

地元熊本から遠く離れた土地での子育てのため、親や友人には頼れず、仕事で多忙な夫の帰宅は毎晩23時。今でいう「ワンオペ育児」でした。

もちろん子どもは可愛いけれど、寝不足や疲労が限界にきて、このままだと泣き叫ぶ我が子を窓から投げてしまうんじゃないか、そんなゾワッとする瞬間も何度か経験しました。

誰かに助けを求めるなどは難しかったですか?

堀江

行政の育児支援サービスは利用していました。ですが、月1回しか開催されていなかったので、そのタイミングで子どもが熱を出すと次に顔を出せるのは1ヶ月後になってしまうんです。

「辛くなったら気軽に参加できて、自分のモヤモヤをはき出せる母親と子どもの居場所が欲しい!」。そんな切実な願いから「くさつ未来プロジェクト」が生まれました。

具体的にはどのように活動をスタートさせたのでしょう?

堀江

私は今までずっと英語の先生をしていたので、英語なら、育児不安で引きこもっている尚ちゃんも家から出てくるんじゃないかと(笑)同じマンションに住む西川伸子さん(現理事)という地元出身のママ友が声をかけてくれて二人で2007年にサークルを立ち上げました。

再開発が進んだ南草津は核家族が多く、同じような悩みを抱えた母親がたくさんいたのか、予想以上に多くの方が参加してくれました。

英語だけでなく体を動かす運動系のサークルだったり、親子で歌をうたったり、子どもを預かるものだったり、様々な形態となって活動が拡大していったのです。

英語サークルから始まった活動が、現在の子育て支援事業を行うNPO法人に発展していったきっかけは何だったのでしょう?

堀江

立ち上げから10年くらいは母親たちが気軽に繋がれて笑顔でいられる居場所作りを目指して、任意団体としての活動を続けていました。

メンバーの子どもたちも小学校に入学する年齢になってきたくらいですかね、次第に不登校の問題を耳にすることが増えていったのです。

実際に、小・中学校における不登校の児童生徒数はどんどん増えていますよね。

堀江

子どもが小さいうちは親の目が行き届きますが、今後子どものコミュニティが広がって、思春期に突入していくなかで、不登校をはじめとした様々な問題が出てくるとなると、「親だけで何とかしていくのは無理じゃないか?」と思うようになったんです。

親だけで抱え込むのではなく、学校や行政や地域の大人の力を借りて子育てを地域全体で取り組む共通課題として扱えるようにしたいと思ったのが、NPO化を考えた理由ですね。

鳥肌がたつほど感動した1本のインタビュー記事

ダブルレインボーの際の写真
ダブルレインボーの際の写真 提供KMP

そうして設立したくさつ未来プロジェクトでは、子育て支援活動の一環として、株式会社植松電機代表取締役の植松努さんが開発した『子どもロケット教室』を開催したり、キーパーソン21の法人パートナーとして『わくわくナビゲーター』の養成講座を開講したりしていますよね。

堀江

そうですね。例えるなら植松さんのロケット教室は土日のアクティビティで、キーパーソン21のコンテンツは平日開催みたいなイメージです。2つともくさつ未来プロジェクトには欠かせない両輪ですね。

ご自身の団体活動に加え、植松さんやキーパーソン21といったパートナーと協働を行う理由をお聞かせください。

堀江

協働の理由は、私たちが目指すミッションを達成するためというのももちろんですが、単純に私が植松努さんと朝山あつこさん(キーパーソン21代表)の理念に深く共感し、おふたりのことが大好きだからなんですよね。

おふたりとも私の人生にとっての超重要キーパーソンです。

そんなおふたりとの出会いについて教えてください。

堀江

植松さんのことはNPOの発足を考えた2015年に、世界の著名人の講演会を配信しているTED(Technology Entertainment Design)で知りました。

NPOを立ち上げる以上、世の中に発信していく明確なメッセージを考えないといけないと思っていた折に、ロケット教室や講演会を通して子どもたちに「どうせ無理」を跳ね返して、夢を諦めないことの大切さを伝え続けている植松さんの存在を知ってビビッときたんです。

植松さんの話をもっとたくさんの親子に聞いてもらいたい!ロケット教室をNPOの事業としてたくさんの子どもたちに届けたい!植松さんの仲間になりたいです!と連絡し、それから一緒にロケット教室を作ってきました。

では、朝山さんやキーパーソン21との出会いはいかがでしょう?

堀江

朝山さんを知ったのは、「ふつうの主婦」が見つけた「わくわくエンジン」のかけ方というyahooニュースのインタビュー記事がきっかけでした。

朝山さんがご自身の子育てに奮闘するなかで確立したキャリア教育について書かれているのですが、今この文章を読んでくださっているすべての方にぜひご一読いただきたいくらい価値がある記事です。

記事はこちらから読むことができます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20170426-00069685

親がやるべき唯一のことは、わくわくエンジンという「わくわくして、動き出さずにはいられない原動力」を子どもから引き出してあげること。

そんな朝山さんのメッセージに鳥肌がたつほどぐっときた私はすぐにキーパーソン21に電話をかけて、同団体が実施する『わくわくナビゲーター』の養成講座に申し込みました。

その3日後に朝山さんから「養成講座にお申し込みいただきありがとうございます」といった趣旨の電話をいただいたのですが、朝山さんの声を聞いたら涙が出てきてしまい・・・。

まだお会いしたこともないのに、「私はあなたの右腕になります!」と宣言していました(笑)。

情熱が伝わってきます(笑)。

堀江

今思うと私自身の、わくわくエンジンが朝山さんだったのでしょうね。

わくわくエンジンを見つけると人は能動的になるといいますが、まさにその通りで、養成講座修了後にすぐキーパーソン21の法人パートナーになることを決め、朝山さんに滋賀県までお越しいただき滋賀県知事にご紹介し、くさつ未来プロジェクトのメンバーにも養成講座を受けてもらいました。

子どもの『わくわくエンジン®』を掘るのは親の特権。楽しまないともったいない

野菜作り体験
野菜作り体験 提供KMP

即断即決でキーパーソン21の法人パートナーとしての活動をスタートさせたということですが、どんなところに魅力を感じたのでしょう?

堀江

確実に効果が出るところは大きな魅力です。わくわくエンジンという考えを知って子育てに取り入れてから、うちの子どもたちが間違いなくいい感じに育ってるんです。

『わくわくナビゲーター』の養成講座を受けた後、すぐに子どもたちにプログラムを受けてもらったのですが、3回くらい実施すると答えが出るんですよね。

答えというと?

堀江

子ども自身の「こうしたい!」というやる気が出てくるんです。

長男はプログラムを初めて受けたときは、水泳でオリンピックに出場したいと言っていたのですが、回を重ねるごとに実は「美しいものが好き」「人と違うことがしたい」というような自身の本質、つまり、わくわくエンジンに気づいていき、昨年高校2年生で動力滑空機の操縦士免許を取り、現在はパイロットへの道を目指して努力しています。

三男は最初(小4)はゲームが好き!ハムスターが好き!と言っていたのですが、プログラムを繰り返す中で、本が好き、なかでも本の面白さをみんなに伝えるのが好きということに気づき、ビブリオバトル(
本を紹介するコミュニケーション-ゲーム。参加者がそれぞれ自分が読んで面白いと思った本について紹介し参加者全員でディスカッションする)にはまっていきました。

その後、絵本を描き始め、中2の今は小説を書いてネットで発表しています。

本が好きから、本の面白さを伝えるのが好きと、抽象度が高くなっていくのが面白いですね。

堀江

最初は今好きなことや今すぐやりたいことが出てくるみたいです。その気持ちを肯定して、実際に体験して、また好きなことを聞いていくなかで本当にやりたいことが発掘できるんです。

大切なのは子どもの夢を「無理だよ」と言って止めず、何とか実現できる方法を大人が一緒に考えること。

例えば子どもが「空を飛びたい」と言ったら、
「ジップライン」(森の中や湖畔、海辺などに架けられたワイヤーロープを滑車で滑り降りるアクティビティ)に連れて行ってあげてもいいですよね。

次男は「無人島にトカゲをとりにいきたい」と言ったので沖縄まで出かけましたよ(笑)。

末っ子は、チャーリーとチョコレート工場を書いた作家のロアルド・ダールの博物館に行きたいと言うのでイギリスまで行きました。

親にも覚悟が必要ですね!

堀江

そこまでやらなくても、例えば「ケーキ屋さんになりたい」と言うなら、ケーキ屋に連れて行ってもいいし、ケーキを一緒に作ってもいいんですよ。

親が嫌ならお菓子作りが好きな人にお願いする!とにかく子どもがやりたいと言うことを一つずつクリアしていくと次が出てくるので、それもクリアする。

すると、親への信頼が生まれるんです。自分の好きなものは好きでいていいんだ。大人は夢を応援してくれるんだという絶大な信頼です。

子どもが安心して自分のやりたいことや夢を追及できるようになる。

堀江

子どものわくわくエンジンを掘ってあげられるのは親の特権なのに、多くの親は「無理だよ」とか「現実を見なさい」と言って邪魔していますよね。

掘ってあげるプロセスは子育てのたまらなく面白い瞬間なのに本当にもったいない。でも、こんな偉そうなことを言っている私だって30歳までは偏差値万歳の世界で生きてきたんですよ。

学生のうちは受験のために勉強してきたし、大人になってからは英語の教師として生徒たちに受験のために勉強させてきました。それで素晴らしい人間に仕立てあげられると思っていたんですよね。

今はそんな勉強よりも好きなことを聞いてあげれば良かったと思っています。もちろん、その子が本当に勉強が好きなら学校の勉強を頑張ればいいんです。

でも、そうじゃない子たちは高校生くらいから解放してあげても良いんじゃないかなと思います。

100人中30人は現行の教育システムにきちんとはまれるけど、30人は無理やり合わせていて、残りの人は不登校などで苦しんでいるかもしれない。そういう子たちのわくわくエンジンを見つけてあげたいです。

誰もがやりたいことがやれる未来を作りたい

KMPのイベントの様子
KMPのイベントの様子

すべての人が『わくわくエンジン®』を持っているのでしょうか?

堀江

どんな人にもあると思うし、小さいときから本当は知っているのだと思います。というのも、ある人は小さい頃から穴があったら吹きたいと思っていたらしいんです。はたから見ると不思議ですよね。

でも、彼は今では笛の奏者として自分で土をこねて焼いて作った笛で日本各地の神社に奉納されています。

誰もが何らかの役割を持って生まれてきているのだと思いますよ。天命や使命というと大げさに聞こえるかもしれませんが、それらを日常レベルの話にまで持ってきてくれたのが朝山さんや植松さんだと思います。

みんな何らかの天命や使命を持って生まれてきている、と。

堀江

地球に生まれたのは何かを成し遂げるためで、その資質は生まれた時から持っているはずと考えてみるのはどうでしょう。

子どものそれを見つけてあげるのは誰でもない、親の役割です。そう思ったら子育てがグッと楽しくなると思いませんか?

子育てで何をすべきかが明確になると、親も子どもも笑って過ごせそうですね。では最後に堀江さんが今後実現したいことについて教えてください。

堀江

誰もがやりたいことがやれる未来を作りたいです。自分が好きで好きでたまらないことを追及し続ければ絶対に人の役に立つし、誰かを救うことができると思います。

社会の中で自分の好きなことで人のお役にたてるようになれば、そこがその人の居場所になります。誰もが自分の居場所を見つけられるように今後も支援を続けていきたいですね。

お弁当の日にはみんなで料理作りを体験
お弁当の日にはみんなで料理作りを体験。

感謝を伝えたい人たち

福井太加雄さんへ

  • 堀江尚子さん
  • 福井太加雄さん

草津市議会で議長を務められた後、地元玉川地区の自治連合会会長や保育園の園長先生を務めていた方です。

私たちが育児サークルを立ち上げようとしているとき、「良いことはどんどんやりなさい」とお父さん的な立場で見守ってくださいました。

自分たちの町は自分たちでよくする、ということを教えていただきました。子どもたちが障子を破ったりガラスを割ったりしてしまったときも、「いいよ、わしがなおしておくけぇ」と笑って自ら動いてくださる愛情深い方です。

残念ながらお亡くなりになってしまいましたが、この人なしに現在の私たちはありません。本当に感謝しています。

我孫子順子さんへ

  • 堀江尚子さん
  • 我孫子順子さん

玉川市民センター(玉川公民館)初の女性館長です。私たちの活動に深い理解を示してくださり、「草津市の社会課題として一緒に取り組んでいきましょう」と言ってくださいました。

おかげさまで2011年より行政と連携した活動ができています。我孫子さんとの関わりのおかげで私たちの活動は地域にとって必要なのだと実感でき、より一層頑張っていこうと思うことができました。

茶木修一さんへ

  • 堀江尚子さん
  • 茶木修一さん

(公財)草津市コミュニティ事業団のひとまちきらりという助成プログラムで私たちを担当してくださった方です。

茶木さんのサポートのおかげで、助成金申請のやりとりが単に申請書類を提出する無機質なやりとりではなく、プレゼンテーションを行うたびに審査員の方々はじめ地域の皆さんと仲良くなれるような素晴らしい交流となりました。

辻由起子さんへ

  • 堀江尚子さん
  • 辻由起子さん

大阪府子ども過程サポーターとして、子育て支援活動を全国的に行っていらっしゃる方です。辻さんと出会った当時、私たちの団体は「消極的なタイプで家にこもってしまっている母親たちは救えないのではないか?」などの厳しいご指摘を頂くことが多く、活動の方針に自信が持てないでいました。

そんなときに参加した辻さんの講演会で辻さんが、「堀江さんたちのような元気なママが、元気に発信することで、それを聞いた人が自分たちの地域に持ち帰り、必ずアクションを起こすから大丈夫!自信もってそのまま行って!」と私たちの活動の意義を多くの人の前で仰ってくれたんです。

辻さんのような実績も知名度もある方が励ましてくれたおかげで私たちも自分たちの活動に自信を持つことができました。とても感謝しています。

◎団体情報
名称:認定特定非営利活動法人 くさつ未来プロジェクト(定款PDF)
設立:2016年8月8日
所在地:草津市野路1丁目16番13-405号
連絡先:TEL:090-5087-9904
Mail:kmp.kusatsu@gmail.com
代表者:堀江尚子
1972年生まれ 熊本県出身。広島大学卒業後英国留学。帰国後英語講師を務める。2003年結婚を機に滋賀県草津市へ。2004年長男出産後、未就園児親子や育児中の親の交流の場となる育児サークルを立ち上げ、15年以上にわたり子育て支援に関わる。2016年NPO法人くさつ未来プロジェクトを設立。
主な活動
1.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動
3.まちづくりの推進を図る活動
4.子どもの健全育成を図る活動
5.地域安全活動

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