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法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

有限会社エイジ

http://www.prosol.co.jp/

広島県広島市安佐南区山本1-8-15-101

082-832-5265(OFFICE)

有限会社エイジ 代表取締役社長の三戸栄さんからJBCA(NPO法人日本ビューティ・コーディネータ―協会)へ
地域社会

ムラカミ

有限会社エイジ 代表取締役社長の三戸栄さんからJBCA(NPO法人日本ビューティ・コーディネータ―協会)へ

  • 三戸さん
右矢印
  • JBCA(NPO法人日本ビューティ・コーディネータ―協会)
有限会社エイジ 代表取締役社長の三戸栄さんからJBCA(NPO法人日本ビューティ・コーディネータ―協会)へ
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法人情報

「お役に立つ・美の創造・社会的地位の向上」を基本理念とし、広島で5店舗のヘアサロン「PROSOL」を運営し、トータルビューティ事業を展開しています。

名称有限会社エイジ
代表者名三戸 栄
住所広島県広島市安佐南区山本1-8-15-101
URLhttp://www.prosol.co.jp/
業種美容室
電話番号082-832-5265(OFFICE)

SDGs

  • 01. 貧困をなくそう
  • 05. ジェンダー平等を実現しよう
  • 08. 働きがいも経済成長も

法人メッセージ

広島でトータルビューティ事業を展開、有限会社エイジ|美容室はヘアデザインを提供するだけの場所ではない

ハワイ社員旅行(画像提供:有限会社エイジ)

従業員不足が深刻な理美容業界。業界を志す若者は少なくないにも関わらず、「1年目の離職率は約50%、3年目は約70%」と指摘される離職率の高さが原因の一つとされています。高い離職の背景には、給料が安い、長時間労働、休日が少ない、人間関係のストレス、キャリアアップに時間がかかるといった美容業界全体が抱える課題が存在します。

こうした業界の課題に独自の思想によって立ち向かい、業界では困難とされてきた休憩時間の確保と有給休暇の取得、さらに会議時間の短縮や、社会保障の充実、産休後の復帰支援など働く人が職場でもプライベートでも輝ける環境を整備してきたのが有限会社エイジです。

同社は1990年に創業。「お役に立つ・美の創造・社会的地位の向上」を基本理念とし、広島で5店舗のヘアサロン「PROSOL」を運営し、トータルビューティ事業を展開しています。様々な課題を解決するための新しい取り組みに積極的に挑戦し、社員とお客様から厚い信頼を得ている有限会社エイジ 代表取締役社長の三戸栄さんに、同社発展の経緯や、教育にかける想い、そしてステークホルダーとの関係性について伺いました。

広島でトータルビューティ事業を展開、有限会社エイジ

-有限会社エイジの事業や取り組みについて教えてください。

僕たちの始まりは1軒の美容室です。1990年当時のメンバーは、社長兼美容師としてお店に立つ僕、副社長の妻、アシスタントの3人でした。その5年後に法人化し、2004年からはネイルやまつげ、エステにも横展開したトータルビューティ事業に舵を切り、創業32年目を迎える現在では広島を中心にエステサロン・ネイルサロン・ウエディングサロンなどを併設した5店舗のサロンを構え、お客様それぞれに合った「美」を最大限に引き出すサービスを提供しています。

美容室からトータルビューティ事業に舵を切ったのはなぜでしょう?

最初はシンプルな話で、お客様が髪を染めたり、パーマをあてたりする際にネイルなどを同時進行で行うことができれば、時間を有効に使いながら綺麗になれるのでお得ですし、ニーズも十分にあると思ったからです。しかし、実際に挑戦してみると非常に大変でした。

美容師、ネイリスト、エステティシャン、アイリストの常識の違いから生まれた不和

-トータルビューティ事業を始めるうえで、具体的にどのような困難があったのですか?

「美容業界」と一括りにされがちですが、美容師、ネイリスト、エステティシャン、アイリストは仕事の進め方や、業界の常識が全く異なるので、スタッフ間の感覚の擦り合わせに苦労しました。

美容室の場合、お客様は来院するたびに受けたサービス分の対価を支払います。一方その当時のエステサロンの多くは、初回無料体験があり、その場のクロージングで半ば強引に長期の契約を結ぶことに重きを置きます。その結果予約が取りにくい、返金の申し出が増える、資金繰りが苦しくなり会社をたたむといった事例がよくありました。

しかし、弊社ではそのやり方は採用しません。都度払いももちろんできますし、契約をされた後もお客様が通ってメニューを消化していただいた時に初めて売上げに計上し、契約金は預かり金としてご要望があればいつでも返金できるようにプールする方法を採用することにしました。そうすることでエステティシャンは契約をとることに集中するのではなく、1回1回の施術に集中できますし、予約が取れなくなるほどの契約をとる必要もなくなります。ただこのシステムだとエステティシャンにとってはすぐに給料が上がらないので当初は多少不満も出ましたね。

次にネイル業界の場合、美容師と違って、スクール事業で生計を立てるネイリストが多い傾向にあります。技能資格の種類も幅広く、ネイリストたちは相当な金額を投資して将来講師になるために様々な資格をとります。うちに応募される方々も皆さん、「ジェルネイルの1級を持っています」などアピールしてくれるのですが、技能とお客様への接客スキルには大きな乖離があることが気にかかりました。うちはネイルの技能だけではなく、どれだけお客様に親身に接することができるかを重視していたので、資格取得を重視するネイル業界においては、有資格者ではなく新人を一から育てた方が良いと思うようになったのです。

このように、各業界の常識が異なりますし、「お役に立つ・美の創造・社会的地位の向上」を基本理念に掲げる僕たちが求める基準もある意味独特なので、採用や人材教育にはかなりエネルギーをかけました。

「お役に立つ・美の創造・社会的地位の向上」に込められた想い

-「お役に立つ・美の創造・社会的地位の向上」という基本理念から採用や人材教育など様々な基準が生まれているようですが、そもそもこの基本理念はどのようにできたのでしょう?

27年前にジム・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー  時代を超える生存の原則 』を読み込み、3日間ほど熟考して作成した案が基本となっています。

-3つの文言について詳しく教えていただけますか?

「お役に立つ」とは言葉通り、困りごとを解決することです。どの企業にも掲げられる基本的過ぎる理念かもしれませんが、仕事を通して自分の人生を幸せにしようと考えるならば、誰かの役に立つという人間としての根幹の部分を徹底することが不可欠だと思い、あえて理念として掲げています。

「美の創造」とは「いつまでも健康で美しく」という誰もが願う究極の願望を実現していくことです。キレイなもの・かわいいもの・かっこいいもの、これを日常的に創り続けることでお客様の生活を楽しくするお手伝いをするという意味が込められています。同時に、自分たちが勝負する領域は美容と健康であるという宣言でもあります。

「社会的地位の向上」に関してですが、僕が就職した頃は「美容師」というと、学生時代にちょっとやんちゃな人が選ぶ職業というイメージを持たれていました。特に男性の場合、仕事を聞かれた時に美容師と答えるのが若干恥ずかしい時代だったのです。今はだいぶ変わってきましたが、胸を張って自分の仕事について話せて、対外的にもきちんとした職業だと認めてもらえるようにしたいと思って、社会的地位の向上を理念に入れました。

-なるほど。お客さま、従業員はもとより、業界全体の発展まで見据えた「社会性」を重視した理念として掲げていらっしゃるのですね。非常に素晴らしいお考えですね。

ありがとうございます。特に「お役に立つ」や「美の創造」に関しては、公益資本主義推進協議会(PICC)の大久保秀夫会長が塾長を務めていた大久保秀夫塾で学んだ影響が非常に大きいです。大久保秀夫塾で経営の本質を学んだことが、現在の経営者としての自分を形成していると思いますし、社員の柔軟な働き方を可能にする環境整備や、右肩上がりの業績にもつながったと感じています。

理念を作成した当初は言葉をまだ飾っている状態でした。しかし、10年を過ぎたところで意味を持ち始めてきて、創業32年目の現在は事業の拠り所となっています。全ての指針である理念を持つことができて本当に良かったと思います。

※理念の形成に大きな影響を与えたという公益資本主義推進協議会(PICC)大久保会長と三戸さん(画像提供:有限会社エイジ)

美容室はヘアデザインを提供するだけの場所ではない

-それでは最後に、今後の意気込みを教えてください。

10年前と比べると、美容・健康業界は当時からは想像もつかないほど大きく変化しています。次の10年はさらに激しい変化があるでしょう。今回のコロナ禍でご自身の健康を見直し始めた方も多いはず。美容や健康が一人の人生に及ぼす影響はどんどん大きくなっています。

そうした時代の変化に伴い、今後美容室に求められるものはヘアデザインに留まらず、ネイル、アイ、フェィシャル、ボディーなどのアウトサイドビューティ、さらにプラセンタや酵素などサプリメントを含めた食事指導などのインサイドビューティにまで広がると思います。

それらのニーズにいち早く応え、貢献できる範囲をさらに拡大していくために、積極的に挑戦を続けていきます。最近は産業医の先生とタッグを組んで、社員の健康増進を図るいわゆる健康経営に注力しているので、この過程で得た学びをお客様にお伝えしていきたいと考えています。

将来的には、ヘアカットのついでに血圧も測定できるなどの美容と健康をトータルに考えられる場所にしたいと思っています。信頼できるスタッフがいて、気づけば2、3時間滞在できる居心地の良い場所。そんな空間を目指して今後も初心を忘れず、走り続けていきたいと思います。

マラソン大会に参加(画像提供:有限会社エイジ)

<企業概要>
有限会社エイジ
http://www.prosol.co.jp/

所在地:〒731-0137 広島県広島市安佐南区山本1-8-15-101
TEL:082-832-5265(OFFICE)

<プロフィール>

(PROSOL 企業HPより引用)

三戸 栄
有限会社エイジ 代表取締役社長
JBCA( NPO法人日本ビューティ・コーディネータ―協会)副理事長

ステークホルダーへの想い

お客様へ

弊社は創業当時からのお客様も多く、2世代、3世代と通ってくださっています。価格訴求型、業務委託型、単一メニュー型など色々な業態の美容室が乱立する中、人材育成型の弊社サロンを選んでいただき、また若いスタッフをともに教育していただき、非常にありがたく思っております。その感謝を少しでもお伝えする機会にすべく開催しているのが、サロンの上得意様をお招きする「新春VIPパーティ」です。メーカー協賛ブースを出展し、最新の美容機器からインナービューティ商品、アクセサリーやドライフルーツ、さらにはこだわりのコーヒーなど最新の美容情報を体験することができます。毎回スタッフ共々、「どうすれば来てくださった方々に喜んでいただけるか」を必死に考えているので、催しも徐々に増えていき、

2020年に開催した第8回パーティは、占いの先生による今年の運勢や、カンボジアのサロンの動画報告、豪華賞品が当たるゲームの時間など、かなり多様にお楽しみいただける空間になったのではないかと思います。そして実はこのパーティは、私にとって株主総会のようなイメージです。日頃から私たちを支えてくださっているお客様に、エイジが今後進んでいく方向をご理解いただき、その道筋を見守っていただきたい。そういう想いがあるからこそ、パーティでは私のプレゼンの時間も設け、率直にお話しさせていただいております。パーティに参加したあるお客様が次のようにおっしゃっていた言葉が忘れられません。「PROSOLのスタッフもお店も技術も好きだけど、会社が目指している姿が好きだし、そのように近づいていることが自分事のように嬉しいの」。エイジの成長を喜び、楽しみにしてくださっているお客様のためにも、引き続き努力を続けていきたいと思います。

 

お客様とのVIPパーティー(画像提供:有限会社エイジ)

 

社員・家族へ

僕はすでに現場から離れているので、直接関わって教育ができたのは主に10年以上社歴がある社員や店長以上の役職者などに限られています。若手社員と密接にコミュニケーションがとれていないことに対して申し訳なく思う気持ちがある一方で、今までついてきてくれたベテラン社員たちがしっかりと教育してくれているのだから絶対に大丈夫という安心感もあります。それくらい社員たちのことは信頼しています。

エイジでは多様なライフステージにいる社員ができるだけ働きやすいように仕組みを整えてきました。そのため、働き方に関しては厳しくはないと思いますが、人口統計、世界情勢、経済動向などから予測される未来を真面目に考えて行動することを要求しているので、他店とは違う独特な雰囲気があるでしょう。もしかしたら一般的な美容室が持つ華やかさや自由さは少ないかもしれません。しかし、これは社員一人一人が美容の仕事を通じて、一生涯モノとココロ両面の豊かさを追求できるよう考えて進んできた結果です。

 

最近は「人生100 年」とよく耳にしますよね。2007 年に日本で生まれた子どもの半数が 107 歳より長く生きると推計されています。100 年という長い期間をより充実したものにするためには生涯にわたる学習が重要なのは言うまでもありません。

この時代の流れに美容業界はまだ乗り切れていない現状があります。美容学校生や若い美容師、エステティシャンやネイリストに自分の将来のイメージを聞くと、「人気スタイリストになる」や「自分のお店を持つ」までで止まってることに気づきます。20代後半から 30 代前半に仕事人としてのピークが設定されているのでしょう。

美容学校は生徒を抱えないと成立しないので、集客として、華やかな世界観やデザイン、コンテストといった美容人生のほんの一部、主に若い時に経験するであろう美容の表面をクローズアップし過ぎる傾向にあります。就職したところで、先輩や経営者は若い人が多いため、50代、60代、70代になったときの仕事人生を具体的にイメージするのは極めて困難なはず。

そんな状態で提供される教育や評価制度は、若いうちに多くの指名売り上げをとれる人を対象としたものになりがちです。今も過去のカリスマ美容師ブームから抜けきれていない実業がある。

ですが、今は人生100年時代です。20代後半から 30 代前半にピークを迎える設計は通用しません。結婚や出産をするなら、​​子どもを育て終わってからの人生の方が圧倒的に長いことを伝え、60代になってもこの業界で食べていける力をつけるべきだと教えていかなくてはなりません。若いうちにカリスマを目指すのも結構ですが、チーム全体で売り上げアップを目指し、成長曲線はなだらかだけど、60代になっても安定した仕事があるという道も作る必要がある。そのためには教育体制、働く環境整備をしっかりと構築していく必要があります。

少し長くなってしまいましたが、エイジではこういう想いで人材育成や働き方改革に取り組んできた結果、現在の独特なシステムが存在しています。大変なこともあるかもしれませんが、たとえ独立しても十分この業界で食べていけるくらいの実力がつく環境です。そんな優れた実力を持つ社員が集まっているということがうちのサロンの強み。日々頑張ってくれている社員の皆には本当に感謝しているし、若手たちは将来を見据えて頑張ってついてきてくれると嬉しいです。

新人は最初は何もできないのが当たり前。不安を感じるでしょうが、実は店にとってはういういしさのある若い子がその場にいるだけでフレッシュ感が出るので価値があります。うちはお客様との信頼関係がしっかりあるので、お客様も「私が育ててあげる」くらいの懐の深さで見守ってくれます。成長のコツはいわゆる「愛されキャラ」になること。お客様にも先輩にも可愛がってもらえるように、現時点でできることをしっかり行い、考え続けることをやめないようにしてほしいと思います。

ライター:

1991年東京生まれ。中央大学法律学部出身。卒業後は採用コンサルティング会社に所属。社員インタビュー取材やホームページライティングを中心に活動中。

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