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サステナブル・ラボ株式会社

SDGsの取り組み

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SDGsビッグデータをAIでスコア化 未財務データサイエンス集団 サステナブル・ラボ株式会社

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地球規模の気候変動、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、新型コロナウイルスの感染拡大など、企業経営を取り巻く環境変化の不確実性が一段と高まる昨今、企業はサステナビリティ(持続可能性)を重視した経営への転換が求められています。それが、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)です。

これまで持続的開発目標(SDGs)やESG(環境・社会・ガバナンス)は短期的な業績に直結しにくいと考えられがちでした。しかし、競争優位性(強さ)と持続可能性(優しさ)の両立により、さらなる企業価値を向上し、さまざまなステークホルダーから魅力的な企業として評価される企業経営の新たな軸として注目を集めています。

しかし、SDGsやESGなどへの取り組みは具体的にどう始めればいいのでしょうか?

今回は、これまで概念的に語られることが多かった企業のサステナビリティを、AI技術やビッグデータを用いて可視化し、指標として共有できるようにしたサステナブル・ラボ株式会社代表取締役の平瀬錬司さんを取材しました。同社のステークホルダーとの関わり方を伺いながら、持続可能な企業に必要な要素とは何かを探っていきたいと思います。

SX時代の納得解をAIでつくり、強くて優しい会社にスポットライトを

—サステナブル・ラボ株式会社の事業内容を教えてください。

当社の事業内容をご説明する際に重要となるのが、「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」という言葉です。SXとは、「企業が『持続可能性』を重視し、稼ぐ力との両立を図り、経営の在り方や投資家との対話の在り方を変革するための戦略指針」であると政府は発表しています。

このSXを当社では、「『強い会社が偉い』から、『強くて優しい会社が偉い』にルールが変わること」と解釈しています。企業の収益性や経済性だけでなく、環境性や社会性を重視して、長期的に事業が存続できるようにバランスをとっていきましょうという新しい戦略です。

—今後評価されるのは、「強くて優しい会社」であるべきだと。

いざ、「強くて優しい会社」になろうと思った時に浮かぶのが、「具体的にはどこを目指して何をすれば良いのか?」という疑問です。「強い」は簡単ですよね。お金が物差しです。では、「優しい会社」とは何なのか? 今までは、『イメージ』で語られがちでしたが、本気でサステナビリティを推進するならば、優しさを正確に測れる新たな物差しが必要です。

そこで私たちが行っているのが、ビッグデータとAIを用いた「優しさ」の納得解の提示です。さまざまな観点から企業の優しさを見える化することで、知名度はないが、素晴らしい「優しさ」を持つ企業にスポットライトを当てる。これが、当社が社会に提供できる価値だと考えています。

 

企業の「優しさ」をスコアリング、投資先や就職先選びにも

—「優しさ」の見える化とはどういったものなのでしょう?

例えば、『ESGテラスト』というサービスでは、上場企業2000社や47都道府県の環境・社会貢献度に関するビッグデータをあらゆる角度から見ることができます。SDGs達成度・推進度や、働きがい・働きやすさ、ダイバーシティなどをAIでスコア化することで、同業他社との比較や、その企業の伸び率をベースとした今後の予測などをたてることが可能です。

—AIによる数値化であれば、分かりやすいうえに、誰が見ても納得できるデータになりますね。

当初は、企業のIR担当者や機関投資家をメインユーザーに想定していましたが、就職活動中の学生や転職活動中の求職者の方、また個人投資家からも好評をいただいております。ダイバーシティや働きがい等20項目以上のランキングが無料で閲覧可能のため、優良企業選びに役立つようです。

—確かに、投資先や就職先を選ぶうえでも参考になりそうです。

企業にとっては、自社を客観視する際にも有用です。例えば、ある企業が気候変動への対応を印象づける情報開示をしていたにもかかわらず、実際にファクトを冷静に眺めれば、気候変動関連の数値はそれほど良くなく、しかし逆にダイバーシティなど他のテーマのスコアが良い場合もあります。また、トラッキング機能を使うことで学生や求職者が注目する自社のスコアも可視化できます。そういったデータからSDGsへの関心が高いということが分かれば、ホームページでの打ち出し方も変わってきますよね。

—企業に対する今までのイメージが一新したり、新たな注目企業が生まれたりするのは非常に面白そうですね。

投資家たちがSDGsやESGを投資判断として重視すれば、世の中は大きく変わると思います。しかし、近年ではさらに新しい潮流も起こりつつあります。

 

世界を変える鍵は「消費者」や「求職者」にあり

—世界の価値観や流れを変える鍵が機関投資家だけではなくなっているのでしょうか?

機関投資家などのキャピタリストに加えて、「消費者」や「求職者」が変わりつつあるのです。

—何か買うべきか、どこに就職すべきかといった判断が世の中を変える重要ファクターになると?

重要ですね。顧客や人材を必要としない企業は存在しませんから。当社のようなサステナビリティ関連企業にも、就活生や一般の消費者の方からの問い合わせが増えています。SDGsに注目して就職先や購入製品を考える人たちは確実に増加傾向にあります。そういった流れを受けて、当社では消費者に向けて『GIRIGO(ギリゴ)』というサービスの試験運用を始めました。

—消費者向けサービス『GIRIGO』について教えてください。

GIRIGOとは、「良い」商品を買ったり、「良い」会社に投資したりすることで生まれる社会への貢献度を可視化するSDGs貢献プラットフォームです。今までは、コスパ(費用対効果)における効果とは経済的リターンを指していました。しかし今後はコスパの概念を変えて、環境・社会利益も「効果」として考えていくことが必要になると思います。まだ実験段階のサービスではありますが、環境や社会への貢献度が高い商品を買うとSDGsマイルが貯まるなどの仕組みを考えており、既にポイントプラットフォームを運営する企業からの引き合いもあります。

 

世の中を良くしたいと頑張る社会起業家は儲からない?

—『ESGテラスト』や『GIRIGO』などユニークなサービスを展開するサステナブル・ラボ株式会社ですが、どんな思いで創業されたのでしょう?

根底にあるのは大学在学中に感じていたジレンマです。大学生の時からベンチャー企業と関わる中で見ていたのは、「世の中を良くしようという健全な想いで頑張る事業者ほど儲かっていないのではないか」という問いでした。いわゆる社会起業家たちや、額に汗して愚直にコツコツと「良い」価値創出を積み重ねる事業家たちが厳しい経営状態で運営する一方で、マネーゲームに秀でた企業ばかりがあっという間にレバレッジをかけてグロースしていっているように、学生の私の目には見えたのです。

もちろん、高収益な企業を悪と言いたいわけではありません。ビジネスである以上、経済性は当たり前に必要です。しかし、「お金儲けに特化しているタイプ」と、「社会貢献に特化しているタイプ」とで、あまりに待遇が違いすぎるのではないかと思いました。そして何より重要なこととして、お金が回らないと社会貢献もグロースしないのです。まさに「経済なき道徳は戯言」というわけです。

そこで愚痴を言っても始まりませんから、世の中を良くする活動を、経済価値にうまく換算する方法はないかと考えたのです。つまり社会貢献を「儲かる」ようにする必要があるということです。ビジネスという世界におけるメインストリームを納得させるには、いまのところ数字、貨幣価値しかありません。そこで、AIとビッグデータを活用し社会性と経済性の因果を紐解くという現在のサービスに辿りつきました。

—ベースに社会性と経済性の良いとこどりという考えがあるのですね。

環境・社会性と経済性の分断と対立は絶対に避けなければいけません。お金儲けが悪、社会貢献が善という単純な二項対立ではない。SX時代において皆が納得できる解をどこまでつくれるか。特に、グローバルスタンダードを無理やり当てはめるのではなく、日本ならではの特性を掬い取れる納得解が求められていると考えているので、まだまだ手探りではありますが追求し続けたいと思います。

 

サステナブル・ラボ株式会社のステークホルダーへの感謝

サステナブル・ラボがお世話になっているステークホルダーの一部を以下より、紹介していきます。

社員とその家族

ここに記す方たちは社員や取締役というよりは「同志」と捉えています。

加藤康之さん(社外取締役)

ESG投資の専門書籍の出版、またGPIFの経営委員を務めるなど、ESGの世界では知らない人はいない、第一人者です。国内最高峰の経験と知見を元に、当社のグロースに対してあらゆる角度から指針を示してくれる、まさに大黒柱のような存在です。当社のような創業間もないスタートアップの熱意と将来性を信頼しジョインいただいていることに深く感謝しております。

中村匡さん(社外取締役)

大手証券会社、大手CVC等の長年の経験を活かしスタートアップの応援を精力的に行っていらっしゃる方です。高い視座から、ゼロイチにおける生々しくもリアルな目線で、時には耳の痛いことも率直に指摘してくださる大変ありがたい存在です。中村さんのおかげでずいぶん論戦が鍛えられました。

鈴木紅良さん

当社の事業は、サステナビリティ、金融、データサイエンスの3つの領域の知見を必要としています。英国の大学院で環境経済学と計量経済学を学び、英国の研究機関でサステナビリティ研究に従事していた彼の知見と技術が当社の基盤の1つとなっています。当社のビジョンに非常に共感してくれており、「これこそまさに自分の研究者人生でやるべきことだ」という志を持って取り組んでくれています。

芝玲美さん

外務省、JICA(独立行政法人国際協力機構)を経て、当社の経営企画としてジョインしてくれました。実は彼女は入社して間もなく出産しており、現在は育児とスタートアップのコア業務を両立するという非常にパワフルな一面を持っています。当社のフルリモート・スーパーフレックス制を上手に利用し、早朝や夜の時間を使って経営企画やバックオフィス全般を担っています。育児も仕事も一切手を抜かず、安心して背中を預けられるスーパーウーマンですね。彼女なしに当社はありえません。

私の家族

妻と子供(5歳)が1人います。時間が限られている中で、事業創造と家族団らんを両立させるのは簡単ではないです。家族、事業、社会と3つの持続可能性を同期化させたいという、ハチャメチャとも言える私の生き方を支えてくれる家族には感謝しかありません。

 

お客様

クライアントの皆さまには、スタートアップである当社を信頼してお付き合いいただけること、深く感謝しております。

株式会社リコー

当社のサービスを活用いただきながら、新規事業開発に取り組んでいただいております。リコーさんもまた、誰もが知る大企業ですが、非常に意思決定のスピードが速く、変化に柔軟な姿勢にいつも刺激を受けております。スタートアップである当社にご期待いただいていることをきちんと形にして、恩返ししていきたいと考えております。

九州電力株式会社

大企業ですが、極めてスピーディに意思決定をしてくださり、当社のようなスタートアップの時間軸に合わせてくださいます。新しい取り組みやチャレンジに対して積極的で、当社として多くの学びをいただけるクライアントです。

オリックス株式会社

金融企業ですので、自社のお客様の見える化を行いたいという要望があります。担当者の鈴木さんが、極めて優秀で知見の広い方です。サステナビリティに関して日本有数の知見をお持ちで、官公庁にも出向し、さまざまな有識者委員にも所属されています。にもかかわらず、当社のようなスタートアップのデータドリブンなスコアリングにも興味を持っていただけることに、深く感謝しております。

これは大企業とスタートアップの関わり方として一般的に言えることでしょうが、大企業の中には、うちはもう大企業で何でも持っているから、スタートアップに頼る必要はないよと考えるところが多いと思うんです。一方で、鈴木さんは、もっともっと成長していかないといけないから、例えスタートアップからであっても貪欲に学ぼうとする姿勢をもたれています。当社のような新しいアプローチに興味を持っていただいて、またお客様になっていただけるということに感謝はもちろんのこと、深い尊敬の念を抱きます。

東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)

創業直後からお付き合いさせていただいているのは、NEXCO東日本さんです。当社のようなスタートアップ企業からも、新しい取り組みから未来に向けて学ぼうとしてくださる姿勢には、「私もこうありたい」と逆に学ばせていただいております。

株式会社グローバルキャスト

未上場企業の多くはSDGsやESGの重要度が高くないのが実際だと思うのですが、グローバルキャストさんは10年後を見据えてSDGsやESGを今の段階から会社の背骨に入れていくという判断をしています。視座が高く、未来を見通すことができる素晴らしい企業だと思います。今後とも長期的な視点でパートナーとしてお付き合いさせていただければと考えていますし、また成長への意欲や経営スピードについて常に学ばせていただけるクライアントでもあります。

取引先

京都大学ESG研究会

ESG投資について、いち早く体系的なレポートを編さんした加藤康之京都大学客員教授を座長に、ESGに野心的に取り組もうとしている事業会社や投資会社を対象とした研究会です。私も講師や運営サポートとして関わらせていただいております。常に国内最先端の事例に触れられる稀有な場で、これからの時代の経営戦略を学ぶためにも、今後ますます多くの企業に関わっていただきたいです。

三菱UFJフィナンシャル・グループ MUFG Digitalアクセラレータ

MUFGが主催するアクセラレータ・プログラムで、本稿を著している2021年3月、まさに佳境に入っております。金融業界を本気で変革しようとしている熱量が凝縮されたアクセラレータになっており、MUFGの未来を担う優秀な方たちが「巨大企業を中から変革しようとしている姿」を垣間見ることもできる、稀有な場です。当社のようなスタートアップのポテンシャルを信頼し、新たな価値創造に向き合ってくださる関係者の皆さまに深く感謝しております。

坂和宏展法律事務所

坂和先生は、大手クライアントを多く手がける優秀な弁護士です。実は私の高校の同級生ということもあり、結構無理を聞いていただいております(笑) 私の考えや当社のビジョンを理解し、ハイプライオリティで当社に対応いただけることを深く感謝しております。

 

株主

株式会社環境エネルギー投資(EEI)

EEIは環境・エネルギー分野に特化した日本で唯一のベンチャーキャピタルです。金融や環境領域などのプロフェッショナルが集まっており、当社に専門的な視点から指導を行ってくださっています。一言で言えば、当社の視座を高めてくれる存在です。粘り強いハンズオンの支援に対して感謝しかありません。

ハックベンチャーズ株式会社

当社のビジョンや業務内容に将来性を感じ、多くのサポートを行ってくださるベンチャーキャピタルです。起業家を徹底的に信頼し後方支援してくださるスタンスは非常にありがたく、感謝しております。

清水晴三さん

不動産経営者兼エンジェル投資家です。当社が創業間もない頃、ビジョンや構想を紙切れ数枚に纏めていただけの段階で、ご出資いただいた方になります。ビジネスってご縁で回るものですが、信頼関係の醸成は理屈だけではないという、人と人との関係の本質を垣間見させていただいた思い出です。私のような若輩者の熱意や可能性を信じて応援してくださったことを深く感謝しております。

金當一臣さん

連続起業家兼エンジェル投資家です。大手商社から独立し、日本最大規模の太陽光発電会社を短期間でつくり、今は「世の中を良くする」事業や投資をグローバルで展開されています。当社のビジョンや技術に深く賛同いただきご支援いただいています。普段は海外にいらっしゃるのでお会いできる機会は少ないのですが、いつもグローバルな観点から的確な助言をいただいています。値千金の得難い助言をいただけることが多く、当社の世界観を広げていただける方として深く感謝しております。

二枝たかはるさん

人と環境に優しい、世界初の「風の吹かない冷暖房」を開発・製造するFUTAEDA株式会社の代表取締役会長兼社長の二枝たかはるさんには、環境起業家の大先輩として大変お世話になっております。チームづくり、大企業との付き合い方、資本政策、それからお酒の飲み方など幅広く助言いただけることを深く感謝しております。

 

地域社会

アストロラボ株式会社

同社は、同じビル内で事業を展開する企業です。代表取締役CEOの日下ヤスユキさんとは、ビジネスプランコンテストでお目にかかって以来、10年以上お付き合いさせていただいております。起業家の先輩として、悩んだり迷った時にいつも的確な助言をもらえる、頼れる経営者です。これから我々が成長することで恩返ししていければと考えています。

<プロフィール>

平瀬 錬司

サステナブル・ラボ株式会社 代表取締役 CEO

大阪大学理学部卒業。在学中から環境、農業、福祉などサステナビリティ領域のベンチャービジネスに環境エンジニアとして携わる。これら領域において2社のバイアウト(事業売却)を経験。京都大学ESG研究会講師。

 

<会社情報>

サステナブル・ラボ株式会社
https://suslab.net/

設立:2019年1月

住所:〒100-0004 東京都千代田区大手町2丁目6-2 日本ビル4階

連絡先:03-6869-3615

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WRITER
ライター
佐野 友美
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1991年東京生まれ。中央大学法律学部出身。卒業後は採用コンサルティング会社に所属。社員インタビュー取材やホームページライティングを中心に活動中。

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