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守山市職員木曽俊也容疑者逮捕、電車内で18分間ものおさわり 性的暴行事件が問いかけるもの

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女子高生が電車で痴漢に合う

5月15日、JR山陰本線の電車内で15歳の女子高校生に性的暴行を加えたとして、滋賀県守山市職員の木曽俊也容疑者(42)が不同意性交等の容疑で逮捕された。この事件は、単独の犯罪としてだけでなく、私たちの社会が抱える構造的な問題を改めて浮き彫りにしている。

 

この事件、驚くべきは約20分近い長時間にわたる性的暴行が行われたというところ。警察によると、木曽容疑者は今年5月15日の午後10時過ぎから約18分間にわたり、京都府のJR山陰本線で右京区内の駅から南丹市内の駅へ向かう電車内で、隣に座っていた高校1年の女子生徒(15)の太ももや下腹部を触るなどの性的暴行を加えた疑いが持たれているという。

 

木曽俊也容疑者とは?

それにしても、だ。昼間は市民のために汗を流す真面目な市職員が、夜の帳が下りたとたん、走行中の電車内で狼に豹変したというのか。守山市役所の関係者は、報道では声を潜めてこう漏らしている。

「木曽容疑者? 普段は物静かで、施設工務課で黙々と図面を引くような男でしたよ。まさか彼にそんな『裏の顔』があったなんて、職員一同、開いた口が塞がりません…」

安定した職、社会的地位、それらすべてを棒に振る18分間の凶行。警察は余罪についても徹底的に追及する構えだが、彼が本当に失ったものは、一体何だったのか。次に彼が乗る「電車」は、決して市民が利用するそれではないことだけは、確かである。

 

氷山の一角か?データが示す電車内の性犯罪

今回の事件は決して他人事ではない。警察庁の統計によれば、痴漢の検挙件数のうち、電車内での犯行は依然として高い割合を占めている。また、被害者が恐怖や羞恥心から届け出をためらうケースも多く、実際の被害は統計上の数字をはるかに上回る「暗数」になっていると指摘されている。

特に、通学で電車を利用する未成年者が被害に遭うケースは後を絶たず、今回の事件も15歳の高校生が被害者となった。こうした現状は、多くの人々が日常的に利用する公共交通機関が、必ずしも安全な場所ではないという厳しい現実を突きつけている。

 

再燃する「女性専用車両」の議論

事件の現場となったJR山陰本線の京都エリアには、女性専用車両が導入されていない。この事実を受け、SNS上では議論が再燃している。

XなどのSNSでは、「娘が毎日乗る路線。ひとごとじゃない」「やはり女性専用車両は必要不可欠」といった、未成年者をはじめとする女性の安全確保のために専用車両の導入を強く求める声が多数上がった。また、「被害に遭ってからでは遅い。予防策として最も効果的だ」と、犯罪を未然に防ぐ意義を強調する意見も見られる。

一方で、「男性への逆差別ではないか」「痴漢対策は性別を問わず行うべきで、専用車両は本質的な解決にならない」といった慎重な意見や反対の声も根強く存在する。今回の事件をきっかけに、改めて安全対策のあり方について、多角的な視点からの建設的な議論が求められている。

 

なぜ犯罪は無くならないのか?厳罰化を求める声と法改正の現実

「公務員という立場でありながら信じられない」「被害者の心の傷を思うと、厳罰に処してほしい」。 SNSには、容疑者への厳しい非難と共に、性犯罪に対する刑罰が軽すぎるとの意見が殺到した。

2023年7月には、性犯罪に関する刑法が改正され、強制・準強制わいせつ・性交等罪が統合された「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」が創設された。これにより、被害者が「同意しない意思」を示すことが困難な状況を利用した行為も処罰の対象となり、被害者の実態に即した法整備が進んだ。

 

しかし、それでもなお国民の法感情との間には隔たりがあるとの指摘は多い。「法改正されたとはいえ、まだ甘い。再犯率の高さを考えても、もっと厳しい罰則が必要だ」という声は、自分や家族がいつ被害者になるか分からないという社会全体の不安を映し出している。

今回の事件は、一人の公務員による犯罪という側面だけでなく、鉄道の安全対策、社会の防犯意識、そして性犯罪を根絶するための法制度のあり方まで、私たち一人ひとりに重い問いを投げかけている。

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ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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