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串カツ田中の精神的支柱・田中洋江副社長が退任 ブランドの未来に影響は?

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田中祥江 串カツ田中HD
串カツ田中ホールディングスHPより

飲食業界に驚きのニュースが飛び込んできた。

串カツ専門店「串カツ田中」を展開する株式会社串カツ田中ホールディングスは、同社取締役の田中洋江氏(元副社長)が2025年2月17日付で退任することを発表した。

退任理由については「一身上の都合」としているが、単なる経営陣の交代では済まされない重大な意味を持つ。

 

串カツ田中の味の礎を築いた田中洋江氏

田中氏は、創業者の貫啓二氏とともに「串カツ田中」を立ち上げ、ブランドの成長に貢献してきた。だが、田中氏の存在は単なる経営陣の一人ではなく、「串カツ田中の味の礎を築いた人物」として知られている。

同ブランドの味の根幹であるソースは、田中氏の父親が大阪・西成の串カツ店の味を再現し、家庭で受け継いできたものだった。それが、2008年12月に東京・世田谷に1号店として誕生した「串カツ田中」の核となり、全国の店舗で提供されることになった。

創業から守り抜かれた「田中家の味」

田中氏は、2008年の創業から「田中家の味」を守ることを何よりも大切にしてきた。そのこだわりは、2016年の上場後も変わることはなかった。当初、フランチャイズ展開に対して慎重な姿勢を示していたのも、ブランドの拡大によって本来の味が損なわれることを恐れていたからだ。

「家の味を守り、串カツ田中のアイデンティティを維持することが使命」と語っていた田中氏。マーケティング部門を統括しながら、ソースの味を変えることなく店舗展開を進めてきた。その「精神的支柱」が抜けることは、ブランドにとって大きな転換点となる。

 

串カツ田中のファンはどう見る?

田中氏の退任について、串カツ田中のファンからはさまざまな声が上がっている。東京都内の店舗を頻繁に訪れる40代の男性客は、「ここまで大きなチェーンになったんだから、味が大きく変わることはないでしょ」と冷静に受け止めつつも、「やっぱり田中家の味があるからこその串カツ田中。長年通っている身としては、少し不安もある」と話す。

一方で、家族連れでよく訪れるという30代の女性は、「田中さんがいなくなっても、会社がしっかり味を守ってくれると信じています」とし、「これからも変わらない『あの味』を楽しみたい」と期待を寄せていた。

 

田中氏退任後の串カツ田中の経営戦略は?

今回の退任により、串カツ田中は新たな経営体制へと移行することになる。田中氏が築いた「家の味」を守る姿勢は、今後も維持されるのか、それとも新たな方向へ舵を切るのか。近年、飲食業界ではグローバル展開を見据えた味の標準化が進む傾向にあるが、「田中家の味」はどのように扱われていくのかが焦点となる。

 

FOOD STADIUMのインタビューでも語られたこだわり

2016年の上場時、田中氏は飲食業界専門メディア『FOOD STADIUM』のインタビューに応じ、起業当初のフランチャイズ展開に対する慎重な姿勢や、味の品質を守ることの重要性について語っていた。あのときから約9年、田中氏が退任する今、同社がどのような道を歩むのかが問われる。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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