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規格外ピーマンがクラフトビールに生まれ変わる AGRIST FARM

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~フードロス削減と地域活性化の両立へ~

規格外ピーマンを活用したクラフトビール
クラフトビール「P’man」(提供:AGRIST)

AIとロボットを活用したスマート農業を展開するAGRIST株式会社の子会社、AGRIST FARMは、鹿児島県東串良町で栽培した規格外ピーマンを、クラフトビールの原料として活用する取り組みを開始した。

これは、福祉事業等を手掛けるひふみよ株式会社が運営するクラフトビール醸造所「ひふみよブリューイング」との協業によるもので、フードロス削減と地域活性化の両立を目指す。

規格外野菜の活用という社会課題への取り組み

世界で年間25億トンとも言われる食品ロス(世界自然保護基金と英国小売り大手テスコが2021年7月に発表した報告書より)。その削減は、SDGsの目標達成に向けても喫緊の課題となっている。
中でも、形や大きさが規格に満たないために廃棄される規格外農産物は、農家の収益を圧迫するだけでなく、環境負荷の増大にもつながることから、その有効活用が求められている。

AGRIST FARMは、独自の栽培技術で高品質なピーマンを生産する一方で、規格外品の発生に課題を感じていた。そこで、フードロス削減と収益向上を両立させる新たな販路開拓を模索していた矢先、ひふみよブリューイングから声がかかった。

地域企業との連携による新たな価値創造

ピーマン
(提供:AGRIST FARM)

ひふみよブリューイングは、「誰もが自分らしく生き生きと活躍できる社会」の実現を目指すソーシャルカンパニーであるひふみよ株式会社が運営するクラフトビール醸造所だ。2022年に鹿児島市に設立され、地元産品を使ったクラフトビール造りを通じて、地域貢献と雇用創出を目指している。

両社の理念が共鳴し、規格外ピーマンを使ったクラフトビール「P’man」の開発に至った。
「ピーマンの苦みを活かす」という発想の転換により、通常の黒ビールより飲みやすく、コクと芳醇な香りが楽しめる一杯に仕上がった。ラベルには、ひふみよが運営するアート事業「hifumiyo.artist」に所属する「N-Sinichi」のアール・ブリュットを採用。社会的なつながりを表現したデザインとなっている。

「P’man」 開発秘話と商品への想い

AGRIST FARMの農業生産部担当者は、「食べ物を捨てることに抵抗感があった。苦みをいかにマイルドにするかばかり考えていたが、その苦みを生かして商品化することになぜ気づかなかったのかと思った」と語る。

さらに、「クラフトビールに規格外品を活用することでフードロスを削減できることが嬉しい。ピーマンの取引が増えてくれば、収入の底上げにもつながるし、東串良はピーマンの産地なので、クラフトビールをきっかけに広まると町自体も盛り上がると思う」と、今回の取り組みへの想いを語った。

今後の展開

AGRISTは今後、他地域や他品種への展開も視野に、規格外農産物の活用を推進していく方針だ。ひふみよブリューイングも、「P’man」を契機に、更なる地域連携による商品開発を進めたい考えだ。
今回の取り組みは、食品ロス問題解決と持続可能な社会の実現に向けたモデルケースとなることが期待される。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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