
婚姻届の画像を添えた報告投稿が大きな注目を集めた一方で批判の声も上がり、予定されていた配信の数時間前に取りやめとなった。
双方は配慮が不足していたと謝罪し、発端となった結婚報告投稿もその後削除された。
「結婚しました」報告
8月18日、冥鳴ひまりはXで「ご報告」と題した投稿を公開した。
内容は「この度、私冥鳴ひまりは春日部つくしさんと結婚いたしました。これからは人生のパートナーとして支え合いながら、それぞれの活動も大切に、二人で楽しい日々を歩んでまいります」というものだった。
投稿には婚姻届の写真が添付され、指輪が3つ並び「令和8年8月19日届出」と手書きされた様子が写っていた。
リンク先には8月19日21時開始予定のYouTube配信が案内され、サムネイルには花に囲まれた2人と「結婚」の文字が大きく配置されていた。
春日部つくしもこの投稿を引用し「ひまりさんと結婚させていただくことになりました」と報告した。
投稿は短時間で数万件のいいねを集め、2人の名前がXのトレンドに並ぶなど大きな反響を呼んだ。
配信の概要欄には「本配信は現実における法律上の婚姻を発表するものではございません。二人による特別な企画としてお楽しみください」との注記が記されていた。
「クィアベイティング」との指摘も 企画か本物かで反応二分
X上の報告投稿には当初、企画である旨の明確な注記がなく、リアルな婚姻届画像が添えられていたことから「本当に入籍したのか」「演出なのか」との判断が分かれる反応が相次いだ。
批判側からは「クィアベイティングではないか」との指摘や「日本では同性婚が法律上認められていない中でこうした形で扱うのは無神経だ」といった声が上がった。
クィアベイティングとは、作品や発信者が同性愛的な要素をほのめかして注目を集めつつ、実際には本気でそのテーマを扱わずネタやファンサービスで終わらせる手法を指す。
一方で支持する側からは「ネタをネタとして楽しめない人が増えた」「嫌なら見なければいい」「準備していた企画を潰すのは残念」といった意見が目立ち、「こうした軽い企画ができる空気の方が議論を前に進める」との声もあった。
ひまりは同日中に「説明が足りず申し訳ございません。本配信はVTuberとして配信内で二人の挙式を行う特別な企画です」と補足したが、批判は収まらなかった。
配信開始数時間前に急遽中止
8月19日16時頃、ひまりは「結婚企画中止のお知らせとお詫び」と題した投稿を公開した。
寄せられた意見を重く受け止め、2人で話し合った結果、企画を中止すると説明している。
企画は配信内で挙式を行う特別作品として式次第や映像、誓いの言葉、ゲストからのコメントなどを準備していたものだったとし「同性婚や結婚そのものを軽く扱う意図は一切ございませんでした。しかし結婚という多くの方にとって大切で重みのある事柄を題材として扱うことへの配慮が不足していたと深く反省しております」と述べた。
つくしもほぼ同時に引用する形で中止を発表し「現実社会における同性婚を軽く扱う意図は一切ありませんでした。しかし私たちの知識や配慮が不足しており同性婚が現実社会では法律上認められておらず今も結婚を望みながら苦しんでいる方がいることまた多様な形の結婚や家族のあり方を願っている方々がいることへの配慮を欠いた内容となってしまいました」とより具体的に言及した。
双方とも楽しみにしていたファンや協力者、不快な思いをした人々に謝罪している。
なお発端となった8月18日の結婚報告投稿は中止発表後に削除された。
「つくひま」コンビのこれまでの交流
冥鳴ひまりは2021年頃にデビューした死神設定のVTuberでYouTube登録者数は約17.8万人。
ゲーム実況や企画配信を中心に活動しVOICEVOXの音声ライブラリとしても採用されている。
春日部つくしは2018年から活動するバーチャル埼玉県民で登録者数は約18.9万人。
埼玉バーチャル観光大使を務めVOICEVOX「春日部つむぎ」の声のベースとしても知られる。
2人はこれまでも共演を重ねファンからは「つくひま」の愛称で親しまれてきた。
2025年には初のオフコラボも実施するなど交流を深めていた。
今回の一件はエンタメとしての企画と社会的なテーマの扱いをめぐる議論を改めて浮き彫りにした形となった。



