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蚊は真夏より今が危ない?5月から増える理由と「ピーク2回」の意外な正体

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蚊
PhotoACより

まだ5月だから、蚊の心配はもう少し先。そう思って窓を開けた夜、耳元でかすかな羽音が聞こえてくる。寝ようとした瞬間に足首がかゆくなり、朝になって赤く腫れた跡に気づく。今年は、そんな声が早くも各地で聞かれている。

蚊といえば真夏のイメージが強い。ところが近年は、7月や8月を待たず、5月の段階で「もう刺された」と感じる人が増えている。これは偶然ではない。蚊は暑さが本格化してから突然現れるのではなく、冬の間から次の季節に向けて静かに準備をしているからだ。

 

 

なぜ5月から蚊が出るのか 冬を越した卵と成虫が動き出す

蚊がこの時期から発生する理由を知るには、まず「蚊は冬にいなくなるわけではない」という点を押さえる必要がある。

屋外でよく見られるヒトスジシマカは、主に卵の状態で冬を越す。寒い時期には活動しないが、植木鉢の受け皿、雨水ます、古いバケツ、落ち葉が詰まった排水口などに産み付けられた卵は、春を待っている。気温が上がり、そこに雨水がたまると、卵がふ化してボウフラになる。

一方、夜に家の中で耳元を飛ぶことが多いアカイエカは、成虫のメスが物陰などで冬を越すことがある。暖かくなると再び活動を始め、人の血を吸って産卵する。つまり5月の蚊は、急にどこかから湧いて出てきたものではない。冬を越した命が、気温と水を合図に一斉に動き出しているのだ。

 

25度前後が蚊にとっての好条件 真夏より初夏が危ない理由

蚊は、気温が15度ほどになると少しずつ活動を始める。そして25度前後になると、飛び回り、吸血し、産卵しやすい環境になる。人間にとって「今日は少し汗ばむ」と感じるくらいの気温が、蚊にとっては動きやすい条件になる。

ここで見落としやすいのが、真夏の猛暑が必ずしも蚊にとって快適ではないということだ。35度を超えるような日が続くと、蚊も活動しにくくなる。強い日差しの下では体が乾きやすく、日中は草むらや日陰、室内の暗い場所に身を潜める。

そのため、蚊の活動は真夏に一直線で増えるわけではない。むしろ、5月から6月の初夏に一度目立ち、猛暑でいったん落ち着き、暑さがやわらぐ9月から11月に再び増える。近年「蚊のピークは2回」と言われるのは、この気温の変化が大きく関係している。

 

少しの雨が蚊を増やす 発生源は家のすぐそばにある

もう一つの大きな要因が雨だ。蚊は水がなければ増えない。卵から幼虫であるボウフラになり、成虫になるまでの一部の期間を水中で過ごすからだ。

ただし、必要な水の量は驚くほど少ない。深さ数ミリの水でも、蚊にとっては十分な発生源になる。植木鉢の受け皿に残った水、ペットボトルのキャップ、レジ袋のくぼみ、屋外に置いたおもちゃ、ブルーシートのたるみ、エアコンの室外機まわりの水たまり。人間が気に留めないような小さな水が、蚊を育てる場所になる。

大雨であれば、ボウフラが流されることもある。しかし、弱い雨が断続的に降ると、水があちこちに残りやすい。さらに気温が高ければ、ボウフラの成長も早まる。蚊は条件がそろえば、卵から成虫になるまでが比較的早い。つまり、春の雨と気温上昇が重なる5月は、蚊が増え始める条件がそろいやすい時期なのだ。

 

都市の暮らしが蚊を増やす ベランダと排水口の盲点

蚊の発生源というと、田んぼや池、草むらを思い浮かべる人も多い。しかし、都市部や住宅地でも蚊は十分に増える。むしろ、家の周囲には小さな水たまりができやすい場所が多い。

ベランダの排水口に落ち葉やほこりが詰まっていれば、水はけが悪くなる。屋外の収納ボックスのふたに雨水がたまることもある。園芸をしている家庭なら、植木鉢の受け皿は特に注意が必要だ。見た目には清潔なベランダでも、数ミリの水が残っていれば、蚊にとっては十分なすみかになる。

さらに都市部では、コンクリートやアスファルトの照り返しで気温が下がりにくい。夜になっても暖かさが残るため、蚊が活動できる時間が長くなる。つまり、蚊は自然の中だけでなく、私たちの生活空間のすぐそばで増えている。

 

家の中で蚊が潜む意外な場所は「テーブルの下」

家の中に蚊が入ると、見つけるのは案外難しい。照明の周りを探しても、壁を見ても、姿が見えない。それなのに、気づけば足首やふくらはぎが刺されている。

見落としやすい場所の一つが、テーブルの下だ。日中でも薄暗く、人の足元が近い。食事中、仕事中、リビングでくつろいでいる時、蚊にとってはじっと待てば人が近づいてくる都合のいい場所になる。

蚊は明るい空間を堂々と飛び回るだけではない。カーテンの陰、ソファの下、家具のすき間、玄関の暗がりにも潜む。とくに素足や半ズボンで過ごす時期は、室内の足元が狙われやすい。

 

雨上がりの晴れに注意 隠れていた蚊が一気に動く

蚊に刺されやすい天気にも特徴がある。特に注意したいのが、雨上がりの晴れだ。

雨が降っている間、蚊は飛びにくい。小さな体に雨粒が当たれば大きな衝撃になるため、草むらや軒下、物陰でじっとしている。ところが雨が上がり、湿度が高いまま晴れると、隠れていた蚊が一気に動き出す。

梅雨の晴れ間、夕方の庭、ベランダでの洗濯物干し、子どもの外遊び。こうした場面では、雨の後だから大丈夫ではなく、雨の後だからこそ刺されやすいと考えたほうがいい。

 

足裏、汗、黒い服 刺されやすさには理由がある

蚊は、人間を目だけで探しているわけではない。呼気に含まれる二酸化炭素、体温、汗のにおい、皮膚の常在菌が出すにおいなどを手がかりに近づいてくる。

運動後や飲酒後に刺されやすいのは、体温が上がり、汗をかき、呼吸も増えるためだ。子どもが外で走り回った後に刺されやすいのも同じ理由で説明できる。

また、足裏のにおいも蚊を引き寄せる要因とされている。外遊びの前後や就寝前に足裏を拭く、汗をかいたら早めに洗うといった小さな習慣が、刺されにくさにつながる可能性がある。黒っぽい服も蚊が寄りやすいとされるため、屋外で長く過ごす日は明るい色の服を選び、肌の露出を減らしたい。

 

今日からできる蚊対策は「週1回の水たまりチェック」

蚊を減らすために、家庭で最も効果的なのは水たまりをなくすことだ。庭やベランダを週に1回見て回り、不要な水を捨てる。たったこれだけでも、蚊の発生を抑える力になる。

確認したいのは、植木鉢の受け皿、バケツ、じょうろ、古いプランター、雨どい、屋外に置いたおもちゃ、ブルーシートのたるみ、ペットボトルのキャップなどだ。小さな水でも、数日たてばボウフラのすみかになる。

室内では、網戸の破れを確認し、玄関や窓を長く開けたままにしない。帰宅時には、蚊を一緒に連れ込まないよう素早くドアを閉める。扇風機の風を利用するのも有効だ。蚊は軽いため、風がある場所では人に近づきにくい。

蚊の季節は、思っているより早く始まり、秋まで長く続く。だからこそ、5月のうちから対策を始める意味がある。テーブルの下、雨上がりの庭、ベランダの小さな水たまり。見落としていた場所に気づけるかどうかが、今年の蚊対策の分かれ目になる。

 

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Webライター。きれいごとだけでは済まない現実を、少し距離を置いて綴っています。

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