
東証スタンダード市場に上場する自動車関連部品メーカーの株式会社ミクニが、海外連結子会社の従業員による不正行為を公表。2026年3月期通期決算の発表は延期され、株価も下落した。
海外連結子会社の従業員による不正行為が判明
ミクニは2026年4月27日、海外連結子会社の従業員による不正行為の判明と、2026年3月期通期決算の発表延期を公表した。みんかぶに転載された適時開示によると、公表時刻は同日15時40分で、同社は当初5月11日に予定していた決算発表を先送りした。延期の理由は、不正行為に係る影響額の算定、決算修正作業、監査手続が完了しておらず、適正かつ合理的な決算数値の確定に至っていないためとしている。
架空取引、支払書類、監査証憑に及んだ不正
株探によると、当該従業員は架空取引の計上などによって出金を偽装し、支払書類等の不適切な取り扱いにより資金を不正に取得した。あわせて、決算監査関連証憑の偽造などもおこなっていた。
架空取引の計上は、実態のない取引を会計上の処理に組み込む行為である。支払書類の不適切な取り扱いは、社内の支払承認や資金移動に関係する。決算監査関連証憑の偽造は、監査人が会計処理の妥当性を確かめる資料に関わる。今回の発表で示された不正は、出金処理、支払書類、決算監査の資料という複数の領域にまたがる。
通期決算発表が延期されたのは、この一連の処理が連結決算に影響するためである。海外連結子会社の会計数値は、親会社の連結財務諸表に取り込まれる。取引や支払の根拠資料に不正が含まれていた場合、対象取引の確認、会計処理の修正、監査手続の追加対応を経てから決算数値を確定する流れになる。
株価は一時343円、年初来安値を下回る
市場は公表翌日に反応した。4月28日のミクニ株は急落し、一時39円安の343円を付けた。これは1月5日の年初来安値357円を下回る水準である。終値は前日比28円安の354円だった。
決算発表延期は、上場企業の投資判断に直結する決算情報の公表時期を変更するものだ。2026年3月期通期決算では、売上高、利益、財務状態、連結子会社の会計処理などが投資家の判断材料となる。ミクニは、その数値を確定する前段階で海外連結子会社の不正行為を公表した。
燃料噴射システムなどを扱う老舗メーカー
ミクニグループは、四輪車向け、二輪車向けの燃料噴射システムを中心とする自動車関連品を扱う。公式サイトでは、ガス制御機器類などの生活機器関連品、運転補助装置などの福祉介護機器、航空機部品、芝管理機械の輸入販売事業も展開していると説明している。
同社は1923年に輸入商社の三國商店として創立し、1936年に工場を稼働した。現在の主要取扱品には、モビリティ事業の燃料噴射関連品、ポンプ類、補器類、気化器類、車輛用暖房機器類がある。ガステクノ事業ではガス制御機器類、商社事業では航空機部品類や芝管理機械類、その他事業では加湿器類や福祉介護機器類などを扱っている。



