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株式会社Figurout

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Figurout起業ストーリー ~なぜ「資本主義のアップデート」を目指して「IRのDX」を行うのか~(後編)

コラム&ニュース コラム
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こんにちは、Figurout 代表の中村です!
「資本主義のアップデート」をパーパスに、「上場企業向けIRのDX Saas」を展開しています。

前回に引き続き、「Figuroutの起業ストーリー」後編としてなぜ「IRのDX」で資本主義のアップデートが実現できるのかをお届けします!

前編は以下から読むことができます!

何故IRのDXが資本主義のアップデートにつながるのか

投資家も欲しいのは「幸せ」

人はみなお金が大好きです。
「収集欲」は人が持つ欲求の1つですが、これ自体は蓄積性のある動物も持つ、「食べ物や縄張りなど生存に必要なリソース確保されている状態を喜ばしく思う性質」の1つの形で、「ヒト」という動物種として根源的なものです。

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ほお袋いっぱいで満足するハムスター

物々交換の時代は、その「収集欲」を満たすものは人やシチュエーションで様々ですし、腐ったり災害で失われたり、「画一的な価値」として存在するものはありませんでした。

貨幣経済が誕生し、その万能性がどんどん向上し、資本主義経済により社会基盤化することにより、「お金」の万能性はどんどん高まっていきます。

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「お金で解決できるもの」の割合が増えた。
(マズローの「欲求」で「幸せ」を語るべきかはおいておいて便宜的に。。)

中世~近代においては西洋も東洋も商人は「私腹を肥やす」存在としてどこか卑しくみなされる部分がありましたが、事業会社が社会基盤を作り、社会課題を解決する存在になることで、「お金を稼ぐこと」の価値が社会意義といった本質価値も内包するようになったといえそうです。

あまりにも重要性が高まると手段の目的化が起こるのはヒトの常。
本来手段のための「お金中心」ではなく、もう少し「幸せ中心」の社会に戻そうよ、というのがESGをはじめとした様々な活動の裏側に流れる共通のBGMではないかと思います。

中でも、「投資家」は「お金を増やすこと」を目的化してしまいがちな場にいる最たる人たちです。
4段階の「承認欲求」までだけにとどまらず、「自己実現」まで「投資の神髄を解き明かすというゲーム」に身を置くこととなると、どうしても「お金が目的化」してしまい、場合によっては自らの「幸せの最適化」とは程遠い生き方をしてしまいがちです。
(もちろんそうでない投資家も多くいらっしゃいます)

株主として受ける「非財務価値」

投資家が株主として受け取るメリットとしては、「金銭的な利回り」だけだとみなされがちですが、本来株は「企業の所有権」を割り当てたもの。
「出資したお金」以上の責任はないため意識される機会は少ないですが、株式会社の最高意思決定機関として、重要な意味を持つ存在です。割合が少ないとはいえ、本来「金銭リターンだけ」を求めて株主でいることは、株主としての意義を実感しきれていない、味気ない部分を味わっているのではないでしょうか。
スポーツクラブのオーナーとか、馬主とかが、金銭収支だけ求めて出資しているとか言うと「何やってるんだろう」となりますよね。
もちろん、株式投資については金銭だけを求めても成り立つからこそ、そういうスタンスが成り立つのですが、この株主としての意義の「金銭リターン以外の残り半分」についてが、どんどん希薄化していっているのが問題の根幹にあると考えています。
(背景には、お金を増やすことを目的化した資金(保険・年金)と、その比率の拡大などもあり、このあたりも踏み込むと複雑なのでしょうか、ここでは割愛)

で、財務も非財務も含めてですが、投資家が「リターン」として認知するためには、その事実を認知して受け取る必要があります。
引き出せないお金に価値はないですし、「実はひそかにあこがれてました」とか「学生のとき好きだったです」とか言われても、その事実を認知するまでは、その事実を「幸せ」として受け取ることはできません

今の投資家が金銭リターンだけにフォーカスしてしまう理由として、「金銭収支以外の投資による社会インパクト」を認知する機会が極端に少ないことが挙げられるのではないでしょうか。

学生時代から利回りだけ考えていた株式投資と、金銭利回り以外の「投資家であることの影響度と、そのリターン」を認知することの多いエンジェル投資家とで、全く投資先に対して感じる感情が異なることを通じて気づいたことですが、持ち株比率だけの影響ではないと感じています。
クラウドファンディングなども、これと同じ構造にあるでしょう。

現状の企業と投資家のエンゲージメントの課題

問題①コミュニケーションコスト

一方、こうした「株主に伝わる非財務価値(≒エンゲージメント)」には別の問題もあります。コミュニケーションコストの問題です。
自身でもスタートアップを立ち上げ資金調達をした際に感じたことですが、出資いただいた方には本当に深く感謝をしつつも、人が増えてくるとどうしてもその方と具体的に形成できるエンゲージメントは、「時間」というリソースが有限である以上、かならず限られてきます。
上場企業においてはさらに桁違いの人数の株主と相対することとなるため、管理コストや問合せ対応などによってこのコミュニケーションコストはさらに膨れ上がるため、基本的に企業にとって株主は「保持するだけで何もエンゲージメントのない状態が最適解」となりがちな状態が続いてきました。

問題②エンゲージメント形成手段

また、個人投資家が自身の「株主としての状況」を確認するすべが証券会社の口座情報以外は、年に数回の法定郵送物だけになってしまっていることももう1つの要因です。法廷郵送物は非常に読みにくく、読んでいて特に楽しいものでもないため、多くの人にとって「感情リターン」を得られるものではなく、エンゲージメントをもたらしません。「株主であること」を実感するのは「証券口座の赤文字/青文字の損得情報」ばかり。こうやって株主である状態を「金銭収支」という情報だけで日常的に認知していると、「株=お金」という認識をしてしまうのは仕方が無いことだと思います。

非財務企業価値の可視化

一方、「企業価値を高めたい企業」にとって、本来的にはこうした「投資家とのエンゲージメント」は大きな意味があります。基本的に投資家はPBR/PER/ROE といった、「財務数値のマルチプル」で企業価値を判断しますが、この「マルチプル部分」については投資家の「期待値」により形成されるからです。
これは「のれん」であり、そののれんは「非財務資本」とそれを伝える「IR」によって形成されます。

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企業価値と非財務資本、株価の関係性

昨今日本企業のPBRが低いことなどが取りざたされていますが、上記のように「投資家との薄いエンゲージメント」や「政策株式の持ち合い」など、健全な対話がなされない状況ではこの価値が小さくなってしまうことは避けられないことではないかと思います。

マーケティングが解決するもの

これまで述べてきたような課題は、各企業の問題ではなく、株式会社と資本市場という構造のもと、近代社会の変遷とともに積みあがってきた課題です。
一方、これらの課題にもう一度目を向けてみると、「コミュニケーションコスト」「エンゲージメント形成」「データ化と可視化」。
これらはインターネットやテクノロジーの発達により、既にある程度解決されているものばかりではありませんか。

「インターネット」というテクノロジーによって真っ先にDXが進んだマーケティングが、この20年向き合ってきた課題そのものともいえます。

5年後のIRの姿をマーケティング業界の発展と見比べながら考えてみる(note)

今回の起業にあたり、こうした社会課題と、IRという業界が向き合う業界仮題がマーケティングによって解決できるのでは、と感じた私は、「企業にとっての投資家向けマーケティングSaas的なもの」が市場に浸透することが資本主義のアップデートに不可欠な1つのピースであることを確信して、Figurout を創業しました。

私は、キャリアとしてはずっとマーケティングをしてきていますが、好きなことばの1つにドラッカーの「測れないものはマネジメントできない」ということばがあります。
もちろんこうしたマーケティングの考え方やDXは手段の1つであり、万能ではありません。でも、こうしたインターネットやSNS、口コミサイトなど、「より低コスト、豊かなで、開かれたコミュニケーション」が、少しでも社会をよくすることに役立つことは間違えないと考えています。

資本主義のアップデートという”ムーブメント”

資本主義のアップデートは、誰かひとりや特定の企業、団体が成し遂げるものではありません。
企業、市場、投資家、消費者、労働者、行政、教育、研究、様々な立場の人が、「ムーブメントとして動く」ことによって成し遂げられるものだと思っています。
例えばLGBTがこれだけ社会にとって受け入れられるようになった背景に、「大きな力を持った存在」があるわけではありません。上記のような「様々な立場にある個人が、よりよい社会はそうあるべきだ」と心から感じて、一人一人の力は小さいけれど、本気で信じて動いたからこそ変えられた社会構造なのだと思います。

志の力は大きいです。
より良い資本主義社会を目指すという志を持つ小さな1個人ですが、この志をもつ仲間が増えて行けば、社会は変わると信じ、それにつながる事業をビジネスとしてインパクトが出せるよう、引き続きがんばります!

Figurout 代表 中村研太

株式会社 Figurout |資本主義の主役を、お金から人間に資本主義の主役を、お金から人間に。――投資家と企業、それぞれに向けたサービスを提供します。figurout.co.jp

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