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B Corpこそ、日本の中小企業が取得すべき認証

コラム
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岡望美さん

岡 望美
日本で唯一、B Corp認証取得に特化したコンサルティング事業を展開、これまでに11社、創業0年~上場企業、従業員数1~800名規模まで、全国各地幅広く支援。各企業の状況に合わせて支援内容をカスタマイズし、きめ細やかなサポートを行う。

また日本語での情報が少ないなか、B Corpの概念や取得プロセスに関する情報提供をするウェブサイト(https://bthechgjapan.net/)を立ち上げ、希望者には認証取得に必要なアセスメントの日本語版を提供している。

B Corp認証とは

B Corp認証は、あらゆるステークホルダーに対してベネフィットをもたらす「いい会社」であることを証明するものであり、「ISO14001」や「えるぼし」などと同じサステナブル関連の企業認証の1つである。

世界80か国以上・5300社以上(22年8月現在)の企業が認証を受けており、パタゴニア、オールバーズ、ダノン、ボディーショップ、ネスレ傘下の複数のブランドなど、環境や社会に配慮していることで有名な企業をはじめ、従業員数名の零細企業から家族経営企業まで、業種・規模問わず様々な会社が取得している。

今日、環境や社会に配慮して経営することはもはや必須条件ともなりつつある。

事実、消費者・投資家などのステークホルダーから圧されて大企業が社会課題への取り組みを強化しており、それがバリューチェーン内の取引先企業にも波及していることは言うまでもない。

一方で、小規模な会社にこそ、大企業にはできない革新的な方法で環境や人体に負荷の低いものを開発する会社、働くメンバーを何より大切に運営しているスタートアップ、コミュニティを大事にしながら営む地元密着型企業など、すばらしい会社がたくさんある。

しかし動きやすい規模は保ちつつ、より多くの人に届けたいとスケールアップを目指すなか、提供する商品やサービスがどれだけ素晴らしいかを証明する認証を取得するには高額の審査料がかかったり、既存の物差しでは測りきれなかったり、会社経営のいろいろな側面で工夫してきたことを一気に評価することができない。

そこでオススメなのがB Corp認証だ。マルチ・ステークホルダーを考慮した様々な取り組みを第三者機関に認めてもらうことで、自社のプレゼンスや社会性を高め、より魅力的に表現することができる認証だ。

さらに、単にいい商品やサービスを売ることのお墨付きに留まらず、認証プロセスを経て企業としてしっかりとしたガバナンスや社内制度をも設計することができ、将来の資金調達や採用活動などにも役立つ、いわば中小企業向けの「英才教育」とした要素も兼ね備えた認証となっていることが特長といえる。

認証取得で終わらないB Corp

B Corp認証は2007年に誕生した。ESGやSDGsをはじめとした昨今のサステナブルトレンドに呼応して誕生したものではない。認証制度を運営するのは「B Lab」というNPO団体。

もともと「株式会社は株主に利益還元することが企業の第一の使命」という色が濃いアメリカの地で、過度な株主第一主義がもたらす弊害に気づいた代表らが、よりよい経済システム構築を目指そうと立ち上げたという経緯がある。

同団体は、システムの変革にはダイナミックな力が必要であるという信念を持っていた。

そのため、ただの認証制度に留まらず、関係各所へのロビー活動を積極的に行い「株式会社」や「合同会社」といった企業形態にかわる新しい形である、「ベネフィット・コーポレーション(以下、PBC)」という形態を法的に認めさせる大業も成している。

ちなみに、PBCは、様々なステークホルダーを第一に考えて意思決定を行う企業形態を指す。

こうしたB Labの一法人の取り組みという枠組みを越え、社会や国全体に働きかける利他的な在り方を活動の起点から志向していたという背景から、影響や共感がB Corp認証取得企業にも波及したのだろう。

B Corp企業同士には、互いが手を組み世界をより良い方向へ変革していこうというマインドが常にある。

それを象徴するのが、個々の企業が認証を取得して、取得企業となった事実を対外的に情報発信して終わりではないという傾向だ。これは他の認証には見られないB Corpならではの特徴といえそうだ。

事実、認証プロセスの最後に署名するのは「Interdependece(相互依存)宣言書」と明記されたもの。これは、事業規模を問わずB Corp企業たちがよりよい社会や未来のために力を合わせることを内外のステークホルダーに約束・宣言するものである。

認証取得企業同士の連携活動として、例えば、今やどこの企業も追随するようになったが、「2050年までの段階的な温室効果ガス排出削減」というグローバル合意に対する独自の対応がある。

B Corp企業は、2050年ではなく、20年早めた2030年までのネットゼロを目指すべく「B Corp Climate Collective(BCCC)」というイニシアティブを先駆けて立ち上げている。

実現するためのツールやアイディアを共有しアクションを加速することを約束したり、コロナ禍でも同じようにB Corp企業間でベストプラクティスを共有するなどしている。

また、コミュニティ内では、従業員へのケアや地域社会への貢献活動も積極的に推進している。最近は美容業界のB Corp企業が集まり「B Beauty」というイニシアティブが立ち上がっている。

日本のB Corp取得企業であるmayunowaも参画して、環境や社会に配慮した、業界をリードする取り組みについて研究しているという。

こうしたモチベーションでビジネスを行う企業集団に加わり、いつでもオンライン上で繋がることができるコミュニティ、もちろん生かすも殺すも自社次第だが、周りよりも一歩進んだサステナビリティ経営を目指す企業にとってはもってこいの認証である。

行列のできる国際企業認証・B Corp

認証を受けるには、まず自己採点アセスメントで自社の現状を評価し、その結果80点以上(200点満点)であれば、オンライン上でアセスメントを提出する流れとなる。

その後、B Labの審査員がアサインされる。提出内容をオンライン会議等で確認し、厳正なチェックを経て事実性を確認されたのちに、80点を越えていれば、晴れて認証取得となる。

認証に要する費用だが、売上高に応じたテーブルに基づいた認証料(為替レートとなっている。例えば売上高約2000万円までは約5万円、売上高約100億円で約200万円)を支払い、正式に「B Corp」となる。

これまでは提出後すぐにプロセスが開始され、早ければ数か月以内には取得できるものであった。

ただ、2020年頃から申請企業が激増し、2022年夏現在は、審査員がアサインされるまで1年以上待たなければならないほど、長蛇の列ができている。

なぜ今これほどまでに人気の認証となったのか。新型コロナの流行をきっかけとした働き方や生き方の見直し、異常気象による被害で気候変動問題がますます身近になってきたことなど、企業が社会課題や環境問題に対処することへの自覚が強まったことに起因していることは想像に難くない。

自社がよりサステナブルな方向にシフトするため、そしてサステナブルな会社であることを立証し他社と差別化して、自社の持続可能性を向上させるという経営戦略の観点からも、B Corpがこの世で最もピンポイントに表現できるものという認識が社会に広がっているのだろう。

こうした背景をもとに「B Corp認証」の取得を目指す企業が増えたと見ている。

日本企業の取得社数も数年で3~4倍か

そして例にもれることなく、日本企業で取得を目指す企業の数も確実に増えている。

これまでは「日本企業のB Corp認証取得はまだ数社」と紹介されることが多かった。だが、この1年でおよそ2倍に増え、2022年夏現在14社が取得している。

現在順番待ちしている企業は少なくとも20~30社単位でいると見られ、数年で3~4倍に増えると考えられている。 では、どういった企業がB Corp認証を取得しているのか。

世界的な分布で見ると、業種は様々で、ざっくりB to B(企業相手のビジネス)とB to C(消費者相手のビジネス)で半々である。また企業の規模では従業員数50名未満の企業で8割近くを占めている。

世界のB Corp認証取得企業・業種別分布
世界のB Corp認証取得企業・従業員数別分布

社会課題や環境問題へのアプローチから起業した、いわゆるソーシャルビジネスが台頭するなかで、例えば単に「エコな製品を売っている」だけではなく、従業員に対してもガバナンスの側面でも全方位にわたって「いい会社」であることを証明したい企業にとって、選ばれる認証となっていることは間違いない。

企業数としては圧倒的に中小零細企業がほとんどを占める世の中において、1社1社の行動が積み重なることで大きなインパクトを生み出していくだろう。B Corpにはそうした役割が期待されている。

B Corp認証を取ることで何が変わるか

お墨付きを得るということの良さは言うまでもないが、B Corpの場合はそれが世界で通用する。

パタゴニアやオールバーズなど環境や社会に配慮した経営を実践しているグローバル企業と堂々と肩を並べられ、そうした企業と取引できるチャンスがあるという、実利的な側面は大きい。

さらにお墨付きをもらった内容が、「サステナブル」や「SDGs」というテーマが幅広すぎるお題について、国際的な基準でトップレベルとはどういうものかを定義されたものさしで測ることができることも大きい。

ひいては、自社の活動に自信を持ったり、改善に向けた道しるべともなりえる。

これまで私が支援してきた企業は、経営トップ自らがB Corpの概念に共感し、取得を決意したケースがほとんどである。

きっかけはトップダウン。自社が「いい会社」であるためにどうしたらよいのかというフレームワークとしてB Corpを活用し会社を整えていくというモチベーションが多い。

ただ、それをきっかけに取得認証のために導入した新しい取り組みによって、「社員同士の意見の出し合いが活発になり、良い方向になっている」「これはB Corp的に大丈夫なのか?と社員から自発的に行動を見直してくれるようになった」「会社に対してより誇りを感じられるようになった」といった声が聞かれる。

なかには創業したての企業が、「初めからB Corpの概念で会社をつくっていきたい」と考え、認証を目指しているケースもある。

将来資金調達や採用活動などを見据えた準備としても、しっかりとした会社になるためにアセスメントを活用でき、一石二鳥とも言えるであろう。

そしてもちろん、これからは社員や取引先からの声をきっかけに取得を目指す企業も増えていくだろう。

B Corp認証は常に高い基準を維持しようと工夫されているが故、アセスメントに回答していくのは簡単なことではない。むしろアセスメントは学びのツールとも言われている。

何か月かかけて取り組むことになるが、企業が今後経済的に成長していく途上でよりよい選択を今からしておけば、後から変えていくよりむしろ効率が良いかもしれない。

B Corp認証の取得を目指そうと思い立ったら

アセスメントで問われるのは、例えば「排水の汚染物質混入量が〇mg以下」といった専門家の測定が必要なものではない。

社内外のステークホルダーの利益を守るための制度があるかどうか、社会や環境に対する影響について何らかの目標を置き、継続的に現状把握・計測をしているかなどを聞かれる。

例えば社内教育を行っているかという質問について、どれくらいの頻度で、そして「環境や社会問題」「職域を超えたスキルアップ」といったトピックが含まれるかどうかは問われるが、その内容が具体的に何の環境問題を扱っているか、どういう形式で行っているか(例えば全員集合型なのか、各自関連動画を閲覧して自己チェックをおこなうのか、毎月定例で講師は持ち回りでやるのか、など)は問われない。

というより、各々の会社が最適な方法を選択して実施すればよい。これはB Labが「世界統一基準」と「各地域・国の慣習」「業種や企業規模でできること」とのバランスを取って認証制度を磨いてきた賜物だ。

これによって、基本的にどんなに会社の規模が小さかろうと、もちろん大きくても取得にチャレンジできる。

アセスメントでは、日々のオペレーションで実践していることをガバナンス・従業員・コミュニティ・環境・顧客の5分野の枠組みで評価するが、さらにビジネスモデルそのものを高く評価する仕組みもあるため、いわゆるソーシャルビジネス事業であれば高得点を狙える可能性もある。

いずれにせよ百聞は一見に如かず、まずはアセスメントを覗いてみてはいかがだろうか。

アセスメントの日本語版ご希望の方やB Corpについて詳しく知りたい方は、https://bthechgjapan.net/inquiry/からお問い合わせを。

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