
11日、人気スマートフォン向けゲーム「あんさんぶるスターズ!!」(以下、あんスタ)の人気キャラクター・瀬名泉役などで知られる声優の伊藤マサミ氏が、自身のSNS上で不適切な行動があったとして謝罪文を公開した。同日には妻で俳優・声優の舞原鈴氏も声明を発表。
しかし、伊藤氏の謝罪文の内容が「ファンへの配慮に欠け、自己完結している」として火に油を注ぐ結果となり、事態は泥沼の様相を呈している。発端となった暴露系アカウントによる生々しいDM(ダイレクトメッセージ)の流出も相まって、SNS上では担当キャラクターの降板を求める声が殺到している。
「妻に叱責された」で自己完結? ファン不在の謝罪文が招いた大炎上
事の重大さに反して、事態をさらに悪化させたのは伊藤氏自身の「謝罪の仕方」だった。
11日午前に投稿された伊藤氏の謝罪文には、「この度は私の不適切な行動により皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしてしまい深くお詫び申し上げます」とあるものの、具体的に何をしたのかという説明は一切ない。そしてファンの逆鱗に触れたのが、「夫婦間で話し合いを行い、妻へは深く謝罪し厳しく叱責を受けました」という一文である。
続いて声明を出した妻の舞原鈴氏も、「主人の無自覚な行動により多くの方々を不快な気持ちにさせてしまい」と陳謝しつつ、「お相手の方にも軽率な行動を取りご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と第三者の存在を暗に認めた。その上で「夫として、父親として、劇団主宰として、今後責任を全うすることを約束いたしました」と、夫婦間での決着をアピールする内容となっていた。
しかし、この「家庭内の問題として処理しようとする姿勢」が、作品ファンからの猛烈な反発を招いた。「奥さんに怒られたかどうか等、他人にはどうでもいいし何の贖罪にもならないのに、まるで社会的に罰を受けたかのようにいちいち発表するのはなぜか」「暴露内容が全て真実ならば該当キャラの私物化に関しても謝罪するべきなんじゃないんですか?」と、SNS上には厳しい指摘が相次いでいる。
ファンが怒りをあらわにしているのは、彼が妻を裏切ったこと以上に、「声優という立場を利用してファンに手を出し、作品とキャラクターの信頼を失墜させたこと」である。それにもかかわらず、その本質的な罪に向き合わず、「妻に怒られたから禊(みそぎ)は済んだ」かのように受け取れる文面を発信したことが、危機管理の甘さとして露呈し、炎上を致命的なものへと拡大させたのだ。
発端は「DEATHDOL NOTE」の暴露。流出DMが暴いた「今日だけの夢の時間」
そもそも、この騒動はなぜ表沙汰になったのか。発端は、謝罪の前日である10日、X上の暴露系アカウント「DEATHDOL NOTE」による告発だった。同アカウントの投稿によると、伊藤氏は「ライブ後、ファンをホテルに連れ込む」というショッキングな見出しと共に、複数の画像が公開されたのだ。
流出した伊藤氏の公式アカウントとみられる画面からのDMには、女性ファンに対する生々しい誘い文句が記録されていた。「完全に2人で、今日だけの夢の時間です(笑)」「なので、本当にご内密に」と甘く囁きかける一方で、「着いたら入り口入ってロビーをスルーして、脇目もふらずエレベーターのって来て」「万が一(他の人と)バッティングしたら部屋探してる風で遠回りして」と、周囲の目を欺くための緻密な指示を出している。さらには「ハートンホテル心斎橋 本館402を取りました!」と、密会場所の実名と部屋番号までが白日の下に晒された。
「あんスタ」のライブという、ファンにとって最も熱狂的で神聖なイベントの裏側で、演者がその特権的な立場を利用してファンをホテルに呼び出していたという疑惑は、多くの人々に衝撃を与えた。
「110円のみたらし団子」と「アフターピル」が浮き彫りにする軽薄さ
さらに波紋を広げ、ネット上で嘲笑と嫌悪の的となっているのが、密会の事後を示す生々しい証拠写真である。
暴露された画像の中には、女性側が処方されたとみられる緊急避妊薬(アフターピル・レボノルゲストレル錠)のパッケージが写っていた。既婚者でありながら、ファンと避妊をしない関係を持ったという無責任さが浮き彫りとなっている。
そして極めつけは、女性に渡されたとみられる「みたらし団子」だ。画像に写っているのは、スーパーなどで買える110円(税抜102円)の安価なパック団子であり、関係者のやり取りの中では、これが伊藤氏からの罪悪感による贈り物、あるいは現物支給であったと揶揄されている。
SNS上では「今日だけの夢の時間です(笑)がきつすぎる」「安ホテルですなぁ…」「現物支給のみたらし団子は草」「有名だろうし金あるはずなのに……本当に汚らわしい」と、そのあまりの「チープさ」と不誠実な振る舞いに対して、呆れ声が殺到している状態だ。
「あんスタ」瀬名泉役の重責とキャラ私物化への強い怒り
今回の不祥事が、単なる一芸能人のゴシップに留まらない理由は、伊藤マサミ氏が株式会社Happy Elementsの展開する巨大IP「あんスタ」において、中心的な人気キャラクター「瀬名泉」の声を担当しているためである。
瀬名泉は、作中でモデルとしても活躍する美青年であり、ストイックでプロ意識の高いキャラクターとして描かれている。伊藤氏がDMで放った「今日だけの夢の時間」といったセリフは、キャラクターの影をチラつかせてファンを誘惑する「キャラクターの私物化」であると重く受け止められている。
あるユーザーが「キャラを私物化して好き放題した挙句、そのキャラと作品の名誉を傷つける。あんスタと瀬名泉のファンがかわいそう」と吐露するように、キャラクターの真似事をしながら不適切な関係を持ったことへの嫌悪感は凄まじい。「版権キャラを自分が声を当ててるからって私物化したのがほんとに許せない」「あなたのものじゃないんです」という悲痛な叫びは、キャラクタービジネスにおける声優の影響力の大きさと、それを裏切った罪の深さを物語っている。
殺到する降板要求。Happy Elementsの対応に集まる注目
伊藤氏の的外れな謝罪文によって、事態の収束どころかファンの不信感は決定的なものとなった。X上では「結局キャス変(キャスト変更)はしないの?」「罪のないキャラクターが何かする度に今後ずっとみたらし団子とかハートンホテル心斎橋本館402号室とかネタにされると考えて不快」「もう泉の声としてファンの目の前で現れることがダメだと思う」と、伊藤氏の降板を強く求める声が後を絶たない。
現在、Happy Elementsをはじめとする「あんスタ」運営陣からは、本件に関する公式な見解は発表されていない。しかし、キャラクターと不祥事のイメージが完全に結びついてしまった今、運営がどのような決断を下すのかに多大な注目が集まっている。
夫婦間の話し合いで幕引きを図ろうとした甘い見通しは、完全に裏目に出た。一度失墜した信頼と、踏みにじられたファンの夢を回復させる道は、もはや存在しないのかもしれない。声優という職業が担う責任の重さが、最悪の形で証明された事件と言えるだろう。



