
会社概要と破産の衝撃経緯
株式会社The TCGは2024年7月に設立された新興企業で、本店は東京都台東区元浅草に置かれていた。代表者は三村浩卯氏、資本金100万円。秋葉原の外神田に店舗を構え、2026年2月1日頃にプレオープンで買取業務をスタートさせ、3月頃に本格販売を開始したばかりだった。
主にポケモンカード、遊戯王、ワンピースカードなどの中古トレカの買取と販売を強みとし、高額査定を前面に押し出した宣伝で集客を図っていた。ところが4月16日、突然事業停止を発表。事後処理を弁護士の阿田川敦史氏らに一任し、東京地裁への自己破産申請準備に入った。帝国データバンクによると、負債総額は約2億円で、今後変動の可能性もある。設立からわずか1年9ヶ月、店舗オープンから2ヶ月半という異例の短期間での破綻に、業界内外から衝撃が走った。
町田の同名店舗とは別法人で無関係と強調されているが、被害者は混乱を極めている。
破産原因はトレカ相場変動か 自転車操業の悪循環
弁護士側の公式説明では、主な原因はトレーディングカード市場の急激な価格変動にあるという。高額買取をアピールして大量のカードを集めたものの、市場価格の下落で買取額が販売価格を上回る逆ザヤ状態に陥った。
在庫を早期に資金化するため、さらに安値で転売せざるを得なくなり、新たな買取資金を前の支払いに充てる自転車操業に突入。資金繰りが急速に悪化し、買取代金の未払いが表面化した。プレオープン直後から積極的に買取を強化していたが、相場の乱高下で在庫回転が追いつかず、約2ヶ月で資金が底をついた形だ。
トレカ市場は新弾発売や投資需要の影響で変動が激しく、買取専門店は特にこのリスクが高い。しかし、オープン直後の大量集客と即破綻のタイミングに、単なる相場変動で片付けられるのかという疑問の声は多い。
被害者続出 未払い買取代金億越えか
被害の核心は、買取品の買取代金未払いとカード返却不能にある。
SNS上では「520万円以上預けたのに1円も入金されない」「3月14日以降の取引がすべて未払い」といった報告が相次ぎ、総額数百万円規模の被害例が確認されている。一部では数億円規模の被害総額を指摘する声もあり、債権者約200名のうち多くが一般顧客だという。
店舗は4月10日頃にスタッフへの暴力行為を理由に完全閉店・出勤停止に追い込まれ、DM対応すら滞っている状況。預かったカードは他店への転売疑惑まで浮上し、被害者は「大切なコレクションが戻ってこない」と不安と怒りを募らせている。破産手続き内で債権者扱いされる見込みだが、回収率は低く、個別対応は極めて困難だ。
ネットで爆発 計画倒産疑惑と批判の嵐
Xやまとめサイトでは「計画倒産ではないか」「高額買取で集客して逃げた詐欺まがい」との批判が爆発的に広がり、炎上は収まる気配がない。オープンから破綻までの異常な短期間や、設立直後の積極宣伝が「最初から倒産前提だったのでは」と疑念を呼んでいる。
各サイトで【炎上】タイトルが連発され、Yahoo!ニュースにも倒産速報が掲載。被害者情報共有の呼びかけや警察・消費生活センターへの相談を促す投稿がRTされ続けている。一部では「スタッフ安全確保のため閉店した」という公式説明すら不信を増幅。
トレカファンからは「業界全体の信用失墜だ」との声も上がり、似た手口の過去事例と重ねて警鐘を鳴らす動きが活発化している。
トレカ業界で繰り返される類似破産 過去の教訓無視か
実はトレカ買取専門店の破産は今回が初めてではない。過去には大阪の「買取幸」が同様に高額買取を謳い、破産後にオーナーの詐欺逮捕歴が発覚し計画倒産疑惑が浮上した事例がある。他にも資金繰り悪化による自転車操業で倒産したショップが散見され、相場変動の激しさが業界の構造的リスクとなっている。
The TCGの場合も、市場拡大を背景に新店ラッシュが続く中での破綻だけに、教訓を生かせなかったとの指摘は避けられない。投資需要とプレイ需要の二極化が進むトレカ市場で、買取店は特に逆ザヤリスクが高い。被害者らは集団訴訟も視野に入れており、今後の破産手続きが注目される。



