「カメラのいらないテレビ電話」として始動したPOPOPO。サービスの実態を整理する。

2026年3月18日、新SNSを名乗る通話アプリ「POPOPO」が正式に始動した。POPOPOは「カメラのいらないテレビ電話」を掲げるスマートフォン向けアプリで、最大30人まで同時通話が可能。発話に応じてアバターの表情が変わり、話者をアップにする映像や対談風のカット割りが自動生成される仕組みも特徴だ。取締役には庵野秀明、西村博之、GACKT、川上量生の名が並び、代表取締役社長は矢倉純之介氏が務める。
POPOPOが突然話題化した理由
POPOPOが一気に注目を集めた理由は、単なる新サービスだからではない。発表会には佐藤健や手塚眞も登壇し、アプリの中身以上に「誰が関わっているのか」が強いフックになった。“ふつうの会話をエンタメに”をコンセプトに掲げ、エヴァンゲリオン、東方Project、すとぷりとのコラボ予定まで打ち出した。さらに、2026年3月19日から4月19日まで、通話すると抽選で1名に1億円が当たるキャンペーンの実施。このキャンペーンのCMキャラクターには、令和ロマンの高比良くるまが起用されている。
新SNSというより、最初から話題化を前提に設計された大型プロジェクトと見た方が実態に近い。
POPOPOとはどんなアプリなのか
POPOPOの売りは、顔出し不要で会話を“番組化”できる点にある。通話相手はアバター姿で表示され、会話に合わせて画面演出が変化。ライブ配信機能、突然着信が届く抽選機能、400種類以上の「ホロスーツ」着せ替え機能、アソビシステム所属アーティストのBGM利用などを備える。対応環境はiOS 18以上、Android 13以降、基本無料だが、アプリ内課金ありと案内されている。
つまり、便利な電話アプリというより、通話、配信、アバター課金、コラボIPをまとめて抱き合わせた“エンタメ型SNS”である。
庵野秀明・ひろゆき・GACKT・川上量生は何をしているのか
このサービスがここまで強く拡散した最大の要因は、やはり顔ぶれの異様さにある。庵野秀明、ひろゆき、GACKT、川上量生という、ネット、映像、音楽、サブカルの文脈でそれぞれ象徴的な人物が同じテーブルに並んだことで、アプリの説明より先に「何が始まるのか分からないが見てしまう」という空気が生まれた。この陣容は海外向けにもニュース化されており、POPOPOは国内の話題にとどまらず、“AI時代に人間が作る最後のSNS”という強い物語づけそのものが拡散装置になっている。
Xで拡散した好意的な声 「人脈がすごい」「意味不明で面白い」
Xの反応を見ると、まず目立つのは「意味が分からないのに気になる」というタイプの好意的な受け止め方である。ひろゆき本人の発信や、電ファミニコゲーマーによる速報ポストが大きく拡散したほか、「落合陽一と箕輪厚介が寿司で会話しているのが面白い」「これだけ色んな人を巻き込める人脈がすごい」といった声も挙がっている。
要するに、POPOPOは機能の便利さで褒められているというより、異様な企画力とキャラクターの濃さで「見物したくなるサービス」として受け止められている。リリース初日のSNSでは、この“理解はしきれないが妙に笑える”という感情が強い推進力になった。
Xで広がった批判 「課金が高い」「何が新しいのかわからない」
ただし、否定的な声もかなり強い。Xでは、「ひろゆきのアバターが1万5000円もするので消した」「完全にインターネット老人の同窓会用アプリ」「意味不明なキャラが動くだけで没入感がない」「Clubhouseを思い出すが既存アプリとの違いが分からない」といった批判ポストもバズっている。とくに価格面への違和感は大きく、寿司アバターが2万5000円という投稿も笑いと批判の両方を呼んだ。
話題化の初速は十分でも、実際に触ったユーザーが「高い」「重い」「何が革新的なのか見えない」と感じれば、バズがそのまま定着にはつながらない。ここにPOPOPOの難しさがある。
POPOPOは一発ネタで終わるのか、それとも定着するのか
POPOPOをめぐる評価が割れているのは当然でもある。日常の通話に派手な演出を求めない人から見れば、これは過剰で奇妙なアプリに映る。一方で、顔出しせずに会話をコンテンツ化したい配信者や、雑談そのものをショーとして消費する文化に慣れた層には刺さる余地がある。POPOPOは「普通の会話をエンタメに」することを明確に目指している。つまり勝負の場はLINEの代替ではなく、配信文化、コラボ文化、切り抜き文化の延長線上にある。
いまの段階で言えるのは、POPOPOが“便利だから広がるアプリ”ではなく、“話題だから触られるアプリ”として最高のスタートを切ったということだ。だが、話題性だけで居場所をつくるのは難しい。豪華すぎる参加者、1億円キャンペーン、エヴァや東方とのコラボ予告で集めた視線を、その先の継続利用に変えられるかどうか。賛否が真っ二つに割れている現状そのものが、POPOPOの可能性と危うさを同時に映している。



