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「はじめの一歩」森川ジョージ氏 小学館マンガワン性加害事件で被害者支援寄付を呼びかけ

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はじめの一歩
週刊少年マガジン 公式サイトより
小学館の漫画配信アプリ「マンガワン」で、過去に生徒への性加害を犯した元教員の漫画家が別ペンネームで原作者として起用されていた問題が2026年2月下旬に発覚して以来、漫画業界と社会に大きな波紋を広げている。
被害女性への謝罪、再発防止策の発表に続き、漫画家・森川ジョージ氏(『はじめの一歩』作者)が被害者支援のための寄付を呼びかける動きが始まった。この問題は単なる個別の不祥事にとどまらず、教員による性被害の深刻さ、出版業界の人権意識、被害者救済の在り方を問うものとなっている。本記事では、森川氏の支援呼びかけを中心に、被害者の声、小学館の対応、SNS上の反応などを詳しく追う。
 

森川ジョージ氏が被害者支援の枠組みを発表

森川ジョージ氏は2026年3月11日、自身のXアカウント(@WANPOWANWAN)で被害者代理人弁護士(東京共同法律事務所の小竹広子弁護士、河邉優子弁護士)とのやり取りを全文公開した。

正式名称を「教員による性被害事件の被害者を支える会」(仮称)とする支援枠組みの設立に向け、寄付を呼びかけている。支援の対象は、控訴審中の主な被害女性、同じ加害者による他の被害者(代理人弁護士によると、女性より上の学年にも複数の被害者がいたとの情報が寄せられている)、さらに他の教員による若年性被害者まで広げる方針だ。

寄付金の優先的な用途は控訴審の裁判費用で、弁護士報酬、印紙代、交通費・通信費、診断書や専門家意見書・鑑定費用のほか、実費全般が含まれる。将来的には被害者の心身回復が進んだ段階で、学び直しに必要な学費などへの活用も視野に入れている。森川氏は被害者代理人とのメールを公開し、「被害者さんが自分の人生を取り戻すために支援を望んでいる」と強調。

小竹弁護士は「個人としてではなく、広く若い被害者たちにとって役に立つものにしたいというのが被害者の意向」とコメントしている。この呼びかけは、個人の救済を超えて、教員による性被害全体への支援を目指す「はじめの一歩」として、多くの注目を集めている。森川氏は日本漫画家協会常務理事としての立場からも、業界の責任を果たす一環として行動を起こした形だ。

 

被害女性が代理人を通じて最新メッセージを公表

被害女性は2026年3月8日、代理人弁護士を通じてメッセージを発表した。これが現時点で最も新しい被害者側の公式発言であり、被害者の複雑な心情と社会への深い願いが率直に語られている。

小学館取締役らから3月5日に電話で謝罪を受け、再発防止策の約束を得たことを明らかにした。加害者の別ペンネーム起用については「確かにショックでした」と率直に心情を吐露。

一方で、「前科がある人であっても絵を描いたりストーリーを考えたりすることはしても良いと思います」「発表の場を与えることも一概に悪い事とは考えていません」と述べ、犯罪を認め十分な対処・再犯防止の約束をした上で社会復帰の道を認める考えを示した。加害教員に対しては「本当に許せない」と強い怒りを表明しつつ、漫画家らへの配慮として「巻き込んでしまい申し訳ない気持ち」「マンガワンをなくしてほしいとは思っていない」と述べた。

さらに「これ以上、小学館への批判がインターネット上で炎上することは、望んでおりません」と訴え、冷静な対応を望んでいる。最も心から望むのは「被害の実相を広く知っていただき、社会全体で子どもを性被害から守る仕組みをつくること」だと強調した。このメッセージは、被害者の大人びた視点と周囲への思いやりが際立ち、多くのメディアで「立派な対応」「強い意志」と報じられた。森川氏もXで「全方向カバーしている文章になっている。素晴らしくて言葉を失う」と絶賛している。

 

小学館が公式謝罪と再発防止策を発表

小学館は問題発覚後、迅速な対応を迫られた。2026年3月9日、公式サイトに被害女性への謝罪文を掲載。「女性の人権を蔑ろにした行為であり、会社としての管理監督責任を痛切に感じております」と明記し、3月5日に取締役らが代理人弁護士事務所を訪れ電話で謝罪したことを報告した。

再発防止策として、新たな「人権ポリシー」の策定、定期的な社内人権セミナーの実施を表明。第三者委員会を設置し、作家起用時のプロセス、人権意識の欠如、内部チェック体制の問題点を徹底的に検証している。問題作品の配信停止、単行本の出荷停止も即座に実行され、編集部の体制見直しが進められている。

同社は「次なる被害者を生み出してはいけない」という被害女性の願いに寄り添い、「性加害、性搾取、あらゆる人権侵害を決して許さず、人権尊重は企業が社会の一員として活動するうえでの最重要課題」と位置づけている。これらの措置は被害者側の意見を尊重したものとして一定の評価を得ているが、初期対応の遅れや隠蔽疑惑に対する批判は根強く残っている。

 

SNSと漫画界で広がる賛否の議論

問題はSNS上で爆発的な議論を呼んだ。発覚直後、マンガワン連載中の多くの作家が作品の引き上げを表明し、100名を超える規模で抗議の動きが広がった。

高橋留美子氏やONE氏ら著名作家も参加し、編集部の責任を厳しく問う声が相次いだ。森川ジョージ氏の支援呼びかけに対しては、「被害者支援の重要な一歩」「行動が素晴らしい」「弁護士と連携して早いペースで実現した」との肯定的意見が多数寄せられている。

一方で、過去の発言を根拠にしたネガティブな意見も根強く存在する。特に、事件初期に森川氏が被害女性の主張を「おっしゃる通り」などと引用しつつ、冤罪や過剰反応を示唆するような投稿をしたと指摘されるものが多く、「被害者を冤罪呼びして批判の声も漫画で馬鹿にした」「二次加害の印象が強い」「今さら被害者支援を名乗るのは都合が良すぎる」「失言の言い訳に被害者を盾にしている」などという批判が相次いでいる。

また、「被害者を盾にするなと言いながら自分は身勝手な代弁をしている」「他の発表担当に値する人選がある中でなぜ森川氏なのか」「漫画家協会理事として小学館や加害者側にこそ圧力をかけるべき」「編集者の暴走を止められなかった業界の本質がぼやけている」との声も目立つ。

被害女性の「炎上を望まない」という意向を尊重する投稿が増える中、一部では「森川氏の前面出演が被害者にさらなる負担をかける」「八方美人で加害側にも被害側にもいい顔をしている」との厳しい指摘もある。被害女性のメッセージ公表後は「立派すぎる」「大人な対応」との称賛が急速に広がり、炎上を望まない意向に配慮する投稿が増加したものの、議論は依然として賛否が交錯。全体として被害者救済と再発防止を最優先に据える方向に集まりつつあるが、森川氏個人への信頼回復は容易ではない状況だ。

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ライター:

千葉県生まれ。青果卸売の現場で働いたのち、フリーライターへ。 野菜や果物のようにみずみずしい旬な話題を届けたいと思っています。 料理と漫画・アニメが大好きです。

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