
7人組ガールズグループ「XG」のメンバー・COCONA(20)が6日、公式インスタグラムで自身の性自認がノンバイナリーであることを公表し、胸の切除手術を受けたと明かした。世界を舞台に急成長を遂げるXGの存在感とともに、彼女の率直な告白は多くの反響を呼んでいる。
COCONAが明かした「ノンバイナリー」という自己認識
XGのCOCONAが6日に更新した公式インスタグラムで、自身の性自認について踏み込んだ思いを綴った。投稿の冒頭で「こんにちは、ここなです。今日で20歳になりました」と記し、節目の年齢を迎えたことを報告したうえで、「AFAB Transmasculine Non-binary」であると公表した。
AFABは「出生時に女性として扱われた人物」を指し、Transmasculineは「男性的なあり方で生きるトランスジェンダー」を意味する。
ノンバイナリーとは、男女どちらかの枠に明確に当てはまらないジェンダーのあり方だ。世界的にも理解が広がりつつあるものの、日本国内ではまだ言葉そのものを知らない人も少なくない。COCONAは「女性として見られることに強い違和感がある」と語り、胸の切除手術を今年受けたことも明かした。
「自分自身を受け入れることがいちばん難しかった」
COCONAは過去の葛藤にも触れている。「自分自身を受け入れて認めること」が最も困難だったと振り返り、0.1歩でも前に進むことで「新しい扉を開けた」と表現した。視野が広がり、物事の捉え方が変わり、心の成長につながったと語る言葉には、長い試行錯誤の積み重ねがにじむ。
その過程を支えた存在として、彼女はメンバーやプロデューサーのサイモン氏、そして家族の名を挙げた。「寄り添ってくれたおかげで『自分の中にあるものはダメじゃない』と思えるようになった」とつづり、深い感謝を示した。
XGが示してきた多様性 グローバル市場で広がる支持
COCONAの告白が注目を集める背景には、XGというグループそのものが持つ国際的な存在感も大きい。XGはJURIN、CHISA、HINATA、HARVEY、JURIA、MAYA、COCONAの7人で構成され、2022年にデビューした。
XGの存在感を語るうえで、多様性を受け入れるグループとしての姿勢は欠かせない。7人が異なるバックグラウンドを持ちながら、英語を基調とした音楽性と卓越したパフォーマンスで世界のオーディエンスを惹きつけてきた。全米ビルボード「Hot Trending Songs Powered by Twitter」で日本人アーティストとして史上初の1位を獲得した事実は、国境を越えて評価される彼女たちの実力を象徴している。
その支持は海外だけではない。
国内でもXGを高く評価する声は多く、音楽関係者のみならず、俳優の小栗旬ら日本の芸能界にも確かなファンダムが存在する。とりわけ圧倒的なスキルとセルフプロデュース能力、メンバーの個性を尊重し合うグループの姿勢は、業界関係者の関心を引きつけている。
XGはデビュー当初から、性別や国籍を越えた価値観を音楽に反映させ、ジャンルも文化も横断する存在として成長してきた。今回のCOCONAの告白が広く受け止められた背景には、こうしたグループ全体の文化的土壌があり、ファンもまたこの多様性を理解し、共に歩んできたことが読み取れる。
告白への広がる敬意と社会的意義
COCONAの決断には、ファンのみならず多くの読者から尊敬の声が寄せられている。ノンバイナリーという概念は、いまも誤解が多い領域だ。表明すること自体に勇気を要するなか、彼女は「この文章が誰かの心にそっと光を灯せますように」と締めくくった。
自分のあり方を言葉にし、公に発信する行動は、同じような葛藤を抱える人にとって一つの希望になり得る。また、エンターテインメント界の中心で活躍する若いアーティストが公表したことは、社会全体の理解促進にも影響を及ぼすだろう。
XGとともに描く未来
投稿の最後でCOCONAは、「XGとXGALXと作る未来が楽しみ」と明るい言葉を添えた。世界的な活動を続けるグループの一員として、自身のアイデンティティを一つの力として新たなスタートを切ったことが伝わってくる。
彼女の告白は、生きづらさを抱える誰かに寄り添うものであり、同時にXGが持つ文化的・社会的な影響力を改めて示す出来事にもなった。多様性を尊重し、自身のあり方を肯定する姿勢こそ、現在のグローバルポップの中心に立つXGが支持される理由の一部でもある。



