
10月15日、NHK紅白歌合戦に3年連続出場している11人組ボーイズグループ「JO1」の大平祥生(25)と、同じ事務所の後輩である11人組ガールズグループ「ME:I」のSHIZUKU(飯田栞月・20)に“二股交際疑惑”が報じられた。
報道によれば、大平には一般女性の本命彼女が存在しながら、後輩であるSHIZUKUとも恋愛関係にあったという。所属事務所のLAPONEエンタテインメントは「重大な規定違反」として、両名の活動休止を発表した。ファンの間では「恋愛スキャンダル」以上に、事務所の管理体制や教育方針そのものに厳しい視線が注がれている。
二股疑惑がもたらした衝撃
JO1は2019年にオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』から誕生した11人組で、LAPONEエンタテインメントの初の男性グループ。ME:Iはそのガールズ部門LAPONE GIRLSから誕生した“妹分”グループにあたる。つまり、大平とSHIZUKUは“同じ社内の先輩と後輩”という関係だった。
報道が出るや否や、双方の活動休止が即日発表されるという異例の展開に。
SNSでは「紅白常連のJO1に泥を塗った」「事務所ぐるみで信用を失った」といった声が相次いだ。
ファンの多くは「本気交際ならまだしも、デビュー間もない後輩を浮気相手にしたのは許せない」と激しく反応。大平への批判が一気に拡大した。
一方で、SHIZUKUに対しては「宝塚音楽学校を目指していた現役音大生で恋愛経験が少なかったのでは」「芸能界に入って舞い上がってしまったのかも」といった見方も多く、「被害者的な立場では」との擁護意見も少なくなかった。
広がる事務所への不信感
ただ、今回の騒動の矛先はやがて所属事務所にも向けられた。
SNS上では「LAPONEは所属アーティストを管理できていない」「社内恋愛を防げない環境が問題」といった声が続出。「数年前まで一般人だった若い子たちに、プロ意識を植え付けられていないのでは」といった指摘もあがった。
LAPONEエンタテインメントは吉本興業と韓国CJ ENMの合弁会社として2019年に設立。
すべての所属グループ(JO1、INI、ME:I、IS:SUE)がオーディション番組出身であり、“素人からスターを生む”体制をとっている。
だが、デビュー直後から活動休止が相次いでいる現状を見ると、その育成と管理の脆弱さは否めない。
ME:Iでは2024年のデビュー以降、最年少のTSUZUMI、RINが体調不良で休養。続いてCOCORO、RANも療養のため活動休止し、今年10月にはKOKONAがイベント出演をキャンセルするなど、わずか1年半で5人が活動を離脱している。
一方のJO1も、メンバーの鶴房汐恩がオンラインカジノ問題で一時活動休止。後に賭博容疑で書類送検され、罰金刑を受けている。
こうした連続不祥事に、ファンの間では「教育もメンタルケアも追いついていない」「売り出すスピードに育成が追いつかない」といった懸念が広がっている。
対照的なJYPエンターテインメントの教育方針
今回の騒動を受け、比較対象としてよく挙げられるのが韓国の大手芸能事務所「JYPエンターテインメント」だ。TWICEやNiziUを擁する同社は、アイドル教育と自己管理の徹底で知られる。
代表のパク・ジニョン氏は「3年間恋愛禁止」「ルールを守れなければ活動停止」「練習生の段階から自己管理を徹底する」という明確な方針を貫いている。
NiziUはデビュー直後にMIIHIが体調不良で一時休養したものの、2か月で復帰。その後は9人全員が活動を継続し、恋愛スキャンダルもない。
2024年2月発売の1stミニアルバム『AWAKE』がチャート1位を獲得し、デビューから4作連続1位を記録。9月からは全国21都市で全32公演のツアーを展開中だ。
また、同じ事務所のTWICEも10周年を迎え、9人全員が現役として活動を続けている。恋愛報道があっても、事務所のルールと自己責任のもとで成熟した対応を見せ、ファンの支持を保っている。
JYPの特徴は、ルールを「抑圧」ではなく「意識の教育」として機能させている点にある。練習生のうちから「自分の行動がグループ全体やファンにどう影響するか」を理解させ、個々の自律と集団の調和を両立させる。結果として、スキャンダルの少なさやグループの長寿命につながっている。
アイドル教育のあり方が問われる
今回のJO1とME:Iのスキャンダルは、単なる男女問題にとどまらない。
「急成長型アイドル」の量産が進むなかで、芸能事務所が若者に対してどこまで責任を持てるのか、教育・倫理の問題が突きつけられた形だ。
ファンの間では「本人たちは努力しているのに、事務所が守れていない」「ME:Iが崩壊しないか心配」という声も多い。
若手アイドルの育成には、歌やダンス以上に“精神的な成熟”を育てる体制が求められる。
JYPのように、恋愛も含めた「自己管理」を教育の一環として明確に位置づけるか。あるいはLAPONEのように“自由と責任”に委ねるか。その違いが、グループの信頼と存続を大きく左右している。
今回の件を契機に、LAPONEが今後どのように教育体制を立て直し、信頼を回復していくのか注目される。