
公設秘書の給与を不正に受け取った疑いで強制捜査を受けた参院議員・石井章氏(比例代表)は1日、関口昌一参院議長宛に辞職願を提出し、受理された。所属していた日本維新の会は8月29日付で石井氏を除名している。
強制捜査から辞職まで
東京地検特捜部は8月27日、詐欺容疑で永田町の議員会館事務所や地元・茨城県取手市の事務所を家宅捜索した。勤務実態のない人物を公設秘書として届け出、国から給与を不正に受給した疑いが持たれている。石井氏は29日に「議員の職を辞し、捜査に全面的に協力する」との声明を発表していた。
石井氏の経歴
石井氏は茨城県取手市議などを経て、2009年に民主党から衆院選に初当選。2016年参院選ではおおさか維新の会から出馬し、現在2期目だった。政党を渡り歩きながら活動を続けてきたが、今回の疑惑で政治活動に大きな打撃を受けた。
今後の焦点
東京地検特捜部は不正受給の実態解明を進めている。過去の類似事件では、秘書給与詐取が有罪とされ、詐欺罪や虚偽公文書作成罪で懲役刑判決が下された事例もある。もっとも、多くは執行猶予付き判決となっており、量刑の行方が注目される。