2025年11月に東京で開催 社会課題解決の加速に向け、制度改革・経営支援の議論と連携を促進

認定NPO法人をはじめとしたソーシャルセクター関係者が一堂に会す日本初の全国規模カンファレンス「ignite!(イグナイト)」が、2025年11月7日から8日にかけて東京都内で開催される。主催は、コングラント株式会社が運営メンバーとして参画する「ignite!実行委員会」。寄付税制や制度改革、経営課題を共有し、社会課題解決の実装力を高めることを目的とする。
会場となるのは、東京商工会議所 Hall&Conference Room(丸の内二重橋ビル内)。全国から認定NPO法人100団体および企業の社会貢献担当者50社が招待される予定で、すでに招待・推薦の受付が開始されている。
Dan Pallotta氏が基調講演、日本の寄付文化に一石を投じるか
初回開催となる「ignite!」の目玉は、米国の非営利セクターに革命を起こしたDan Pallotta(ダン・パロッタ)氏の基調講演だ。彼はTED史上最も視聴されたスピーカーの一人であり、乳がん患者支援やエイズ予防啓発のチャリティイベントで合計720億円超の寄付を集めた実績を持つ。著書『Uncharitable』では、非営利活動の資金調達や評価手法における既成概念への挑戦が語られ、同書は後に映画化された。

ハーバード大学や国連、NASAなど世界的機関での講演経験も豊富で、Pallotta氏の登壇は日本のNPO関係者にとって刺激的な契機となることが期待される。
認定NPOは全国に1,300団体のみ。制度の限界に挑む議論も
そもそも認定NPO法人とは、国から一定の信頼性と公益性を認められた団体であり、個人や企業からの寄付に対して税制優遇が適用される。しかし、その数は全国のNPO法人のわずか2.6%にとどまり、約1,300団体に過ぎない(内閣府調査)。
一方、アメリカでは同様の税制優遇付き非営利団体が約149万団体(※Candid調べ)にのぼる。日本では制度上のハードルや人材・資金の不足が根深く、制度改革の必要性が認識されつつある。
本カンファレンスでは、こうした制度的制約や経営課題に真正面から向き合い、改革の議論と発信を加速させる。ピッチコンテストやトークセッションも併催され、課題解決の実践知や新たな連携の芽が育まれる場となる。
中長期的な波及効果を視野に、継続的な取り組みへ
ignite!は一過性のイベントにとどまらず、中長期的には寄付文化の醸成にも寄与することを目指している。認定NPOの数と質の双方を高めるとともに、寄付控除などの制度を通じて寄付経験者を増やし、社会全体に寄付が根づく環境を整備していく方針だ。
また、ピッチコンテストでは最優秀団体に使途自由な助成金が授与され、企業との協業が促される。社会的インパクトを伴う資金循環のモデルとしての役割も期待されている。
主な協賛企業・団体
開催パートナーには、EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(メインスポンサー)をはじめ、READYFOR、gooddo、ファンドレックス、リタワークス、そしてカンファレンスの発起企業であるコングラント株式会社が名を連ねる。
また後援には、日本ファンドレイジング協会、NPO会計税務専門家ネットワーク、NPOサポートセンターが参加しており、制度・税制・人材育成と多方面からの支援体制が構築されている。
「ignite!」が点火するものとは
カンファレンス名「ignite!」には、社会課題解決のための新たな火をともすという意味が込められている。その言葉通り、日本のNPO・ソーシャルセクターが変革と成長の炎を燃やす起点となるか。11月、東京の丸の内で社会課題解決の未来に向けた一歩が踏み出される。
公式サイトは下記より
https://npo-ignite.com/index.html