
生成AI(人口知能)関連事業を手掛けるFIXERは、4月から鹿児島県鹿屋市にサービスの提供を始めたと発表した。市の職員が想定問答の作成など議会対応や文書・資料の作成などをできるようにする。市民アンケートのデータ分析を通じて政策立案にも活用する。職員の業務効率化に加えて、市民へのサービス向上にもつながる。
FIXER は生成 AIサービス「GaiXer (ガイザー)」を提供している。同社は、鹿屋市への生成AIサービスをインターネットと切り離した自治体専用回線「総合行政ネットワーク(LGWAN)」を通じて提供する。自治体では機密データの取り扱いへの配慮や情報漏えいへの懸念から閉域網であるLGWANを利用することが多い。
鹿屋市は生成AIを通じて会議の議事録・報告書の作成を迅速化する。また、市民アンケートなどの自由記述欄を分析し、データに基づいた政策を立案する。議会での想定問答の作成でも生成AIを活用する。
鹿屋市はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画でAI技術の活用を重点施策としており、FIXERと協力して市の業務を効率化し、生産性を向上させる。少子・高齢化や首都圏への人口偏在を背景に、地方自治体は慢性的な人手不足が課題となっている。自治体が生成AIを活用して業務効率化につなげる動きはさらに広がりそうだ。