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長崎県名門企業・有名企業売上ランキング〈2025年版解説〉

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長崎県名門企業・有名企業売上ランキング〈2025年版解説〉
DALL-Eで作成

造船・半導体・通販が突出し、医療・金融・サービスが続く長崎県。最新決算を突合した売上高ランキングで、県経済をけん引する名門企業の現在地と成長戦略を読み解く。

 

20 位 佐世保重工業〈佐世保市〉 売上 145 億円〈2024/3〉


名門ポイント:1946年創業の造修船専業。名村造船所100%子会社として資本基盤は安定し、2024年3月期売上145億円を計上。新造用第4ドックを2022年に修繕兼用化し、LNG船やオフショア船まで大型改修需要に対応。従業員366人が護衛艦、米海軍強襲揚陸艦、海保巡視船などを担当し高難度工事で実績を重ねる。

19 位 西海建設〈長崎市〉 売上 167 億円〈2024/5〉


名門ポイント:西海建設は1957年創業、長崎市本社の海洋土木専業ゼネコン。2024年5月期売上167億円で県内港湾インフラ工事を牽引する。国交省「みなとSDGsパートナー」に登録され、ISO9001・14001・45001の統合マネジメントで品質・環境・安全を管理。最新鋭550t吊多目的起重機船とグラブ浚渫船を保有し、大型浮桟橋や防波堤設置を担う 。港湾・離島の防災・物流を支える“海のインフラ職人集団”として、洋上風力基礎工事にも参入を準備中である。

18 位 長崎自動車〈長崎市〉 売上 178 億円〈2024/12〉

 


名門ポイント:長崎市民にとって“長崎バス”は公共交通と生活サービスを兼ねる基盤。IC 決済「エヌタスカード」で商業ポイントと運賃を統合し、EV バスや BRT 実証で環境負荷と混雑の両課題に挑む。都市経営とモビリティ革新を同時に進める老舗インフラ企業。長崎港再開発ではシャトル運行を担い、海と陸を結ぶ循環交通網の要となる。

17 位 たらみ〈長崎市〉 売上 207 億円〈2023/12〉


名門ポイント:たらみは国産果実を用いたフルーツゼリーで国内シェア首位。独自の三層果肉充填と低温殺菌技術で風味を保持し、年2億個を生産。植物由来フィルム採用で CO₂ を 13%削減し、ハラル認証取得で東南アジア輸出を拡大。AI 需要予測で廃棄を抑え、完全循環型デザート工場を目指す。デザート市場に健康志向と環境配慮を同時に提案する先駆者だ。

16 位 藤村薬品〈長崎市〉 売上 247 億円〈2024/3〉


名門ポイント:藤村薬品は1894年創業の医薬品卸。長崎市の自動立体倉庫とAI需要予測で在庫回転を半減し、EV配送と離島定期便で県内全域へ医薬を供給する。2024年には長崎大学と医薬DX講座を設け人材育成を強化。フォレストグループの共同購買網と物流ITを活用し効率化を推進。県薬剤師会と災害備蓄協定も結びBCPを底上げ。創業130周年を機に環境対応を高度化し県シェア40%を維持、余剰医薬リパーパスにも挑む。持続的成長局面へ。

15 位 宮崎温仙堂商店〈諫早市〉 売上 250 億円〈2024/2〉

 


名門ポイント:宮崎温仙堂商店は医薬と農資材を扱う二軸商社。ERP 統合と 24 時間 EC で注文即時処理を実施し諫早物流センターから翌日配送を実現。ISO22301 に基づく災害体制で雲仙火山訓練に参加。2024 年にはドローン農薬散布支援を開始し農家省力化に寄与。自社ポイント制で農薬購入と健康相談を連結、地域循環経済を推進。創業 110 年の老舗が DX と BCP で新しい卸モデルを確立した。

14 位 長崎船舶装備〈長崎市〉 売上 260 億円〈2024/3〉


名門ポイント:長崎船舶装備は、船舶内装で国内シェア約 6 割を持つ業界リーダー。近年はホテルや商業ビルといった陸上内装へも領域を広げ、客船で培った意匠・動線設計を応用する。艦艇家具の量産体制を整備し、防衛・公共船案件で受注を拡大。

13 位 東七〈佐世保市〉 売上 299 億円〈2024/3〉


名門ポイント:1906 年創業、メディパルグループ傘下で長崎・佐賀の医療機関に医薬品を供給する。五島営業所を含む島嶼ネットワークと 24 時間配送体制で離島医療を下支え。2021 年にはドローン配送実証に参画し、災害・遠隔地向けラストワンマイルの新モデルを探る。自社コールセンターと 2 次元バーコード管理で誤出庫率 0.01%以下を維持し、安全供給と地域密着を両立する老舗ヘルス・ロジスティクス企業だ。

12 位 佐々木冷菓〈北松浦郡佐々町〉 売上 300 億円〈2024/11〉

 


名門ポイント:1958 年創業、佐々町に本社を置くアイス・冷凍食品卸。九州・山口・愛媛まで営業所を含む13拠点を展開し、西九州支店併設のマザーセンターでは温度帯別自動ラックと大型冷凍庫を備える。

11 位 KPG HOTEL&RESORT〈長崎市〉 売上 328 億円〈2023/3〉


名門ポイント:伊王島リゾート「i+Land nagasaki」を核に、九州でホテル・温泉事業を拡大。2023年度グループ売上328億円。客室205室に天然温泉・SUP・シーカヤックを備え、体験型滞在を訴求する。地元食材を使った屋外BBQで地域経済と連携し、環境美化活動も継続する観光再生の旗手。

10 位 SUMCO TECHXIV〈佐世保市〉 売上 508 億円〈2024/12〉


名門ポイント:SUMCO TECHXIVは 2007 年設立の研磨専業子会社。2024 年12 月期売上 508 億6,500 万円、従業員 532 人を公表し、長崎・宮崎両工場で 300 mm シリコンウェーハの最終ポリッシュを担う。グループ環境方針の下、ISO 14001・ISO 45001を取得し、薬液リサイクルや省エネ装置で環境負荷低減を進める。極低欠陥研磨技術を武器に最先端ロジック向け需要を支え、SUMCO全体の長期供給契約にも貢献する九州唯一の先端ウェーハ研磨拠点だ。

9 位 メモリード〈長崎市〉 売上 602 億円〈2024/5〉

 


名門ポイント:冠婚葬祭互助会事業を中心に九州をはじめ全国で展開し、2024年5月期の連結売上高は602.2億円に達した 。同社は、オンライン葬儀サービスを導入し、遠方からの参列や供花・香典の管理を可能にするなど、デジタル技術を活用した新たな葬祭スタイルを提供している 。また、森林バイオマス電力を活用した「グリーンホール」の運営により、環境負荷の低減にも取り組んでいる。

8 位エレナ〈諫早市〉 売上 604 億円〈2025/2〉


名門ポイント:エレナは佐世保本社、長崎・佐賀に44店舗を展開する地域密着スーパー。自社電子マネー「スマート ELLECA」と公式アプリで決済とポイントを一体化しキャッシュレスを推進する。移動販売車「パオパオ号」は2025年2月に6号車を導入し営業エリアを拡大、買い物弱者支援を強化。グループでTSUTAYA4店、ダイソー14店なども運営し生活利便性を高める。公式サイトによれば従業員3,100人、2024年2月期売上584億円と堅調に成長している

7 位 山下医科器械〈佐世保市〉 売上 615 億円〈2024/5〉


名門ポイント:山下医科器械は 1926 年創業、九州最大級の医療機器ディーラー。2024 年5月期連結売上 615 億円を計上し、福岡・佐賀・長崎に SPD/物流センターを展開する。自社開発の院内物品管理システムを核に SPD(院内物流)サービスを提供し、医療材料在庫を可視化して病院コスト削減を支援している。健康経営優良法人認定などESGにも注力。

6 位 長崎キヤノン〈東彼杵町〉 売上 792 億円〈2024/12〉

 


名門ポイント:2008年設立、波佐見町折敷瀬郷925-1に立地するキヤノングループのカメラ中核工場。2024年12月期売上792億5,500万円、純利益4億2,400万円。従業員1,020人(2024年12月時点) 。コンパクト・ミラーレス・ネットワークカメラを量産し、ふるさと納税返礼品にも採用。生産技術と地域貢献を両立する長崎県屈指の製造拠点。

5 位 ひぐちグループ〈西彼杵郡時津町〉 売上 814 億円〈2024/11〉


名門ポイント:1958年にパチンコ「まるみつ」1号店を開業して以来多角化を進めた長崎発サービス企業。2024年11月期売上814億円、従業員1,690人。長崎・福岡などでパチンコホール20店(平均設置台数575台)を運営。外食「さいさき屋」や書店・トレカ複合店「遊ING」も展開し、スローガン「100年企業」の下で地域娯楽と飲食文化を支える。

4 位 十八親和銀行〈長崎市〉 経常収益 974 億円〈2024 年度〉


名門ポイント:FFG傘下の地方銀行。2024年度経常収益974億円と前期比増収を達成。総資産は8兆601億円(2024年3月末、採用サイト)で県内トップクラス 。2023年10月にSDGs伴走型「FFG本業支援ローン」とポジティブ・インパクト・ファイナンスを開始し、地域企業の脱炭素投資を後押し。ブランドスローガン「あなたのいちばんに。」を掲げる。

3 位 アイティーアイ〈長崎市〉 売上 1,125 億円〈2024/6〉

 


名門ポイント:1967年創立の医療機器商社。本社は長崎市興善町と東京の二拠点、営業本部を福岡・東京に置く。2024年6月期売上1,125億3,300万円、従業員719人(2022年6月期時点)、資本金2億1,500万円。九州、沖縄から関東まで支社・支店・営業所、福岡と東京平和島のロジセンターを展開。開業支援やITソリューションを提供し、地域医療の効率化に寄与する九州有数の成長商社。

2 位 大島造船所〈西海市〉 売上 1,644 億円〈2024/3〉

 


名門ポイント:1973 年創業、ばら積み貨物船(バルクキャリア)に特化した単独ドック年産約40隻の高生産体制を構築し、2024 年時点で世界シェア8%を誇る。2025 年3 月、経済産業省「GXサプライチェーン構築支援事業」令和6年度第2回公募で日鉄エンジニアリングとともに採択され、省エネ型“Kamsarmax”など環境対応船の設備投資を後押しされた。西海市大島と旧香焼工場の両拠点で建造効率を高めつつ、メタノール燃料船など次世代グリーン船の開発にも取り組む。

1 位 ジャパネットホールディングス〈佐世保市〉 売上 2,725 億円〈2024/12・連結〉

 

名門ポイント:ジャパネットHDは佐世保発の通販・地域創生企業。2024年12月期連結売上2,725億円で過去最高を更新した。家電中心の生放送テレビ通販に加え、長崎駅前で運営する「長崎スタジアムシティ」を核にスポーツ・観光事業を拡張。サッカーV・ファーレン長崎とBリーグ長崎ヴェルカとパートナーシップ契約を締結。グループ従業員約4,000人、地方発DX型メディアコマースの旗手として全国的な存在感を着実に高めている。

総評

2025年版ランキングでは、通販と地域創生を両立するジャパネットホールディングスが2,700億円超で首位を守り、世界シェア8%の大島造船所が1,600億円超で追随した。上位8社の顔ぶれは造船・半導体・医療機器・金融・サービスが混在し、単一産業依存から脱却した多層的構造が際立つ。造船勢は脱炭素船とMRO拠点化、医療ディーラーは院内物流DX、金融はESG融資と、各社が GX・DX を共通軸に事業を再構築。コロナ禍後に急回復する観光と沖合洋上風力計画が下支えとなり、長崎経済は「海と医と観」が相補する持続成長局面へ移行しつつある。

名門企業について他の企業を推薦したい方は教えてください。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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