ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

4月13日は「ステラおばさんの誕生日」 知られざる利他の精神とクッキーの物語 生誕117年

コラム&ニュース コラム
リンクをコピー
ステラおばさんとは

「クッキーやケーキを作るとき一番大切なのは、オーブンの温度ではなく、それを誰かのために作ろうという気持ち」。そう語ったのは、アメリカ・ペンシルバニア州の田舎町で愛された“ステラおばさん”だ。彼女のクッキーには、材料だけでは表現しきれない、温かく優しい想いが詰まっていた。4月13日、ステラおばさんの生誕117年を迎えるこの日に、彼女が残した「利他の精神」とクッキーに込めた思いに迫る。

 

ステラおばさんとは?

クッキーが好きな人は聞いたことがあるであろうステラおばさん。この人物は実在する人物なのだ。

ステラおばさんは1908年、アメリカのペンシルバニア州・ダッチカントリーで生まれた。ダッチカントリーは、ドイツ系移民が築いた田園地帯で、伝統的な生活様式を守る「アーミッシュ」と呼ばれる人々が暮らす地域として知られる。彼らは電気や自動車を使わず、質素な暮らしを大切にしてきた。

この地で幼稚園の先生をしていたステラおばさんは、子どもたちから親しみを込めて「アントステラ(ステラおばさん)」と呼ばれていた。彼女は日々、子どもたちに温かな心を伝え、時にはお尻を叩きながらも、同じ回数だけクッキーやケーキを焼いてふるまったという。彼女が作る大きくて香ばしいクッキーは、村のお菓子コンテストで優勝するほどの評判だったという。

クッキーに込めた「利他の精神」

「クッキーやケーキを作るとき一番大切なのは、オーブンの温度ではなく、それを誰かのために作ろうという気持ち」

これは、ステラおばさんが晩年に甥のジョセフに語った言葉。クッキー作りを通じて彼女が伝えたかったのは、「他者を思いやる気持ち」そのものだった。

ステラおばさんは、いつも村の人々のためにクッキーを焼き続けた。畑仕事で疲れた人、寒さに震える人、落ち込んでいる人。彼女のクッキーは、そんな人々に寄り添う存在だった。材料を計る手、オーブンの温度を見守る目、焼き上がったクッキーを丁寧に並べる指。そのすべてに「誰かのために」という思いが込められていた。

日本に広まった「ステラおばさんのクッキー」

1982年、甥のジョセフ・リー・ダンクルは、日本にクッキー文化を広めたいと考え、ステラおばさんのレシピを再現した「ステラおばさんのクッキー」を立ち上げた。日本の人々にクッキーを届けるため、彼は幼少期の思い出を頼りに、ステラおばさんに学んだクッキー作りの技術を忠実に再現したのだ。

「クッキーを焼くときは、必ず誰かの顔を思い浮かべる」。それがジョセフが最も大切にした言葉だったという。

この思いは「Warm Heart Communication(温かな心の交流)」という理念として、現在も株式会社アントステラの根底に受け継がれている。店舗では毎日15種類前後のクッキーが店内オーブンで焼かれ、訪れる人々に温かな香りと共に届けられている。

ステラおばさんの教えが生きる「生誕祭」

ステラおばさん誕生日
アントステラより

4月13日、ステラおばさんの誕生日に合わせ、「ステラおばさん生誕祭」が開催される。誕生日当日は「量り売りクッキー17枚1,000円」の特別イベントや、人気の「チョコレートチップクッキー」のキーホルダープレゼントなどが行われる。これらのイベントは、単なる販促ではなく、「感謝の気持ち」を伝えるために企画されているという。

特に印象的なのが、SNSでの「#ステラおばさんじゃねーよ!」コンテストだ。これは、ハリセンボン近藤春菜さんの「ステラおばさんじゃねーよ!」の突っ込みにちなんだキャンペーンだが、ユーモアの中にも「人とのつながり」を感じさせる温かみが込められている。

未来へ続く「Warm Heart Communication」

 

ステラおばさんがクッキーを焼き続けたのは、決して名声やお金のためではなかった。彼女が願ったのは、クッキーを通じて「誰かが笑顔になれること」。

その思いは、時代を超えて今も受け継がれている。忙しい毎日の中で、ふと立ち寄ったクッキー店から漂う甘い香りが、ステラおばさんの温かな心の伝承かもしれない。

「誰かのために」。その精神が込められたクッキーは、これからも多くの人々の心を温め続けるだろう。

【参照】
ステラおばさんと焼き菓子(株式会社アントステラ)
「ステラおばさん生誕祭」3月20日より開催(PRTimes)

Tags

ライター:

女性向け雑誌にて取材・執筆及び編集に従事。独立後は、ライフスタイルやファッションを中心に、実体験や取材をもとにリアルな視点でトレンドを発信。読者が日々の生活をより豊かに楽しめるような記事を提供し続けていることがモットー。

関連記事

タグ