
GMOビューティー株式会社は、セルソース株式会社(東証プライム:4880)の完全子会社である株式会社メディベースを分割会社とする吸収分割を行い、同社が運営する美容・自由診療向けクラウド型電子カルテ・予約システム「MEDIBASE」事業を承継することを決定した。
吸収分割の効力発生予定日は2025年5月1日で、2025年3月21日に開催予定のGMOビューティー社の定時株主総会における承認を条件としている。
吸収分割の背景と目的
本吸収分割は、GMOビューティー社の主力事業である美容医療検索・予約サービス「キレイパス byGMO」(以下:キレイパス)とのシナジーを強化することを目的としている。MEDIBASEは2016年に業界初の自由診療クリニック向けクラウド型電子カルテとしてスタートし、大手美容外科チェーンから個人開業院まで幅広い顧客基盤を持つ。GMOビューティー社は本事業の承継によって、キレイパスの集客機能とMEDIBASEの電子カルテ機能を統合し、サービスの付加価値を向上させる方針だ。
さらに、本吸収分割の実施により、GMOビューティー社のストック収益比率を高め、事業基盤の安定化を図る狙いがある。GMOビューティー社は今後、MEDIBASEの収益拡大を目指し、サービスの利便性向上や利用クリニック数の拡大を推進する方針だ。
セルソースの関与と取引の背景
メディベース社はこれまでセルソースの完全子会社として運営されていたが、本吸収分割によってGMOビューティー社がMEDIBASE事業を承継する形となる。セルソースは「膝の痛みに悩む人をゼロへ」を掲げる「セルソースビジョン」のもと、提携医療機関向けサービスの拡充を進めており、本取引はその一環として非中核事業の整理の意味合いを持つ。
セルソースは、整形外科領域での再生医療や幹細胞治療の展開に注力する方針を掲げており、MEDIBASE事業の譲渡によって経営資源をコア領域に集中させる狙いがある。一方、GMOビューティー社は本事業を引き継ぐことで、キレイパスとのシナジーを強化し、美容医療市場での競争力を高める。
GMOビューティー社の株主構成は、GMOメディアが50.1%、GMOインターネットグループが49.9%を保有している。これにより、同社はGMOメディアグループの一員として、美容医療分野におけるデジタルサービスの提供価値を向上させる戦略を進める。
吸収分割の詳細
吸収分割の対価として、GMOビューティー社はメディベース社に対し、300百万円を交付する予定である。また、GMOビューティー社は本吸収分割に際し、メディベース社が有するMEDIBASE事業に関する権利義務や契約上の地位を承継する。
なお、本吸収分割の実施後も、GMOビューティー社およびメディベース社の商号や所在地、代表者の変更は予定されていない。今後の業績への影響については現時点では未定だが、GMOメディアは影響が判明次第、適時開示を行う予定である。
今後の展望
GMOビューティー社は、MEDIBASEの既存顧客基盤とキレイパスの集客機能を連携させることで、美容医療市場におけるプレゼンスを強化する狙いだ。これにより、GMOメディアグループ全体としても、医療分野でのデジタルサービス展開を加速させるとみられる。