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身も心も満足の「まんぞく弁当」が、“楽しさ”と“繋がり”にこだわる理由

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札幌市北区、市営地下鉄南北線の終着駅「麻生(あさぶ)」で目立ち、待ちゆく人々の足を止める「メガ盛り」「1kg弁当」と書かれたのぼりと看板。地元住民には名の知れたお弁当屋さん。それが「まんぞく弁当」です。

お弁当の容器に、漬物や総菜を入れるスペースまでご飯を敷き詰め、大ボリュームを実現した「1kg弁当」、唐揚げやおかか、漬物などをたっぷり詰め込んだ「2kgおにぎり」を販売して地元のニュース番組にも数多く取り上げられた人気店として知られています。

創業当時からX(元:Twitter)を積極的に活用し、現在は24,000人のフォロワーを獲得し、さらに2店舗目のオープンへ踏み切ることを決めたまんぞく弁当さん。

そんな、近隣住民に愛されるお店を営む店主、湯浅孝臣さんに「まんぞく弁当における繋がり」についてお話を聞きました。

宣伝OK。誰でも無料でコラボ。気軽に繋がる理由は「楽しいから」

ー今年の12月で創業して3年ですね。おめでとうございます。

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まんぞく弁当店主、湯浅孝臣さん。

ありがとうございます。

いろいろとやってたら、あっという間に時間が過ぎました。

おかげさまで、まんぞく弁当という名前も少しずつ知ってもらうことができたのでありがたいです。

ー創業当時から、メニューをいろいろ開発したり、他飲食店とのコラボレーションを積極的に実現してきましたが、商品開発で意識していることはありますか?

楽しさですね。

たとえば、今あるメニューで1kgチャーシュー弁当がありますけど「こんだけチャーシュー乗ってる弁当が売ってたら自分ならテンション上がるな」って考えて作りました。

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定期的に作り替えている肉弁当シリーズ。湯浅さんのお気に入りなんだとか。
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ファンからの要望で生まれた1キロおにぎりと、2キロおにぎり。最初作るのはかなり大変だったと湯浅さんは笑う。

おいしいものをどんどん取り入れるし、メニューで欲しいものも言ってくれたら実現できるか考えるし、メニューも定番以外はどんどん変えています。

あと、コラボも「面白そう」って思ったら、すごく気軽にコラボしています。私の性格上、楽しいだろうなって思ったらどんどんしてしまうんですよね。

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コラボ商品の宣伝ツイート。近隣の飲食店や、新規で出店して宣伝をしたい飲食店と、コラボレーション商品を続々と販売する。


直近だったら近くの飲食店「スイセイ食堂」さんだったり、本場の宮崎県から北海道に上陸したチキン南蛮の専門店「なんチキ」さんだったり、鮮魚の「カネイチ丸橋」さんとか。

あとは、「錦 平野」さんのだし巻きを、京都まで行って味見したら「おいしい」って思って気づいたら弁当にしてたり。

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無料ですごく気軽にコラボしていますね。コラボ相手の弁当を目当にまんぞく弁当に来てもらえれば「楽しそうなお店だ」ってまた来てもらえるので。

コロナの時には、オープンできない飲食店さんがいたので、うちに商品を置いてコラボしてもらったこともありますし、以前は食研さんのカレーとコラボしたんですが、今は定番メニューになったりしました。

こういう気軽なコラボから、新たな定番が生まれたりするので、これからも続けていきます。

皆にとって良い環境をつくることが、愛されている秘訣

ー2店舗目のオープンに踏み切ったきっかけはなんでしょうか。

麻生店(本店)をオープンした時もそうだったんですけど、漠然と「ここらへんで店できるといいな」と思って物件を日々探してて、いい物件が見つかったら、勢いで「始めちゃおう!」という感じですね。(笑)

今回も、偶然北13条駅の最寄りで、いい物件があったので借りてしまいました。今はアルバイトも増えてきて、店を任せることができる人がいるというのもありましたね。必要なピースがこのタイミングでそろったという感じです。

揃っちゃったので、やっと重い腰を上げたとも言えますかね。(笑)

次は、北大の近くで今とはまた客層が変わるんです。

なので、客層に合わせて新しいメニューを開発したり、店舗の設備を考えたりと、いろいろとバタバタしてますが、楽しいです。

ー以前にお話を伺った時は「やりたい人がいればFCでやってもOK」とのことでしたが、2店舗目も湯浅さん自身が手がけたのは個人的に少し意外でした。そこにどんな思いがありましたか?(※筆者はまんぞく弁当を創業1年目から追っている)

やっぱり、2店舗目を作るのが楽しそうって思えたことと、お客様との繋がりを消したくないからですかね。

たとえば、地下鉄沿線から外れた遠方から、まんぞく弁当に来てくださる方もいるんですけど「来たのに売り切れてて欲しい弁当が買えない」のは申し訳ないんです。

アルバイトを以前よりも増やして、弁当の数を増やしてますが、なかなか追いつかないですし、売り切れ情報は随時、SNSで流してるんですけど、向かってる最中にそう言われてもどうしようもないですからね。

なので、もっと弁当を作れる体制を考えて、遠方の方でも宅配サービスを利用して購入できるようになれば、少しは期待に応えられるのではないかと思います。

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所狭しと大きな弁当が並んでいる。

あと、時間がなくて飲食店に入れない人たちってコンビニで昼食を買うと思うんです。

でも、今は値上がりして「量は少ないのに高い」みたいな感じになっているので「すぐ買ってすぐ食べられて、安くて美味しくてちゃんとおなか一杯になれる店」が近くにあると自分だったら嬉しいから、そういう店でありたいし、そんなお店をもっと増やしたいなと。

こういう「こうだと嬉しい」という考えは、お客様という視点だけではなくて、若い人に「少しの間しか働けないけどお金欲しい」という、人の働ける場所としてもまんぞく弁当が受け入れられるようにマニュアルを作っています。

今働いてくれているアルバイトは、メキメキと仕事を覚えてくれたのと、新店舗のほうが家が近いので、次の店を出したら店長を任せるんです。私が死んだらまんぞく弁当の看板をそのまま渡したいなって。

皆にいい環境を作りたいというのが、根本にはありますね。そして、それが楽しいと思えています。

本当に考えることが多くて大変ですけど。(笑)

繋がりを無くさない。集まれる場所づくり。

ー人の要望とか、人の思いに応えて「いい環境を作ろう」という気概が感じられますね。

やっぱり面白がってほしいし、楽しんでほしいし、喜んでもらいたいんですよね。

お客様やコラボ先の企業とお店の縁で色んなことが回っている店なので、せっかくやるならサービスを提供する側とか、お客様側とか関係なく楽しいと思えたほうがいいと思うんです。

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様々なコラボや、ファンが「作ったので飾ってください」と持ってきたものまで幅広く飾られている。

そういう、みんなにとっていい環境を作ることができれば理想ですよね。

実は、それの延長線で2店舗目とは別に、バーもやりたいなって思ってたら、こちらも丁度バーだったところがその設備のまま空きまして、年内に開店することになりました。

もともとやりたかったのもあるんですけど、SNSを使っていろんな人とつながることができて、私はものすごく楽しくやらせていただいているし、特に「さっぴよ」の人たちと一緒に集まれる場所が欲しいなって。

※「さっぴよ」(札幌の商工業をSNSから元気にするため、SNSで相互に宣伝、集客活動をする「札幌Twitter会」のメンバーで構成された団体)

店長もSNSがきっかけでお世話になっている方になるんですよ。
ちなみに、今度照明を実物で見たいから東京に行ってきます。(笑)

2店舗目と同時進行なので、すごく大変なんですけどやっぱり楽しいし、関わってくれている人とか、お客様に話すと喜んでくれるので「楽しい」んですよね。

これはいい循環だと思うので、頑張って続けたいです。

ー最後に、湯浅さんの考える、「仕事で大事だと思う要素」ってなんでしょうか。

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やっぱり、楽しんでやることが一番になるんじゃないですかね。

「面白そう!」「これ楽しい!」って自分自身が心から思ってないと、人には伝わらないというか。

本当に楽しんでもらえる場を作るには、自身が前のめりになっていかないとダメなんじゃないかなと考えています。

そして、飽きちゃったら、また「面白そう」と思った別のことをやる(笑)。
なので、体が動くうちは、自分の中の「楽しい」という思いをどんどん追及していきたいって思います。

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往来の弁当屋さんと一線を画すような取り組みをどんどんと取り入れ、日々知名度を増やし続けているまんぞく弁当さん。

その人気の裏には「繋がりを作って続けられる場所作り」そして「お客様も、働く側も楽しめる環境作り」がありました。

まんぞく弁当さんは、今日も進化し続けていきます。

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◉店舗概要
店名:まんぞく弁当
所在地: 〒001-0045 北海道札幌市北区麻生町4丁目12−14
営業時間:11時〜14時、16時〜売切終了(最終19時)
休業:月曜日、木曜日定休。臨時休業あり
電話: 050-3188-0706

◉SNS
X(Twitter)
@manzokubt

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ライター:

1993年生まれ。AsunaroWorks代表。インタビューを中心に活動するライター。その他、カメラマンやホームページ制作者などとしてマルチに活動している。

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