「ドローンで学ぶSDGs講座」「バーチャル修学旅行」など教育コンテンツを共同開発
―株式会社BYDの井上創太代表から、株式会社ワールドスキャンプロジェクトさんは、「ドローン×教育」プロジェクトのパートナーシップを締結されていると伺っています。BYDさんとのつながりのきっかけを教えていただけますか?
株式会社ワールドスキャンプロジェクトは「世界をスキャンする」という目的で始めた会社です。創業こそ2020年1月ですが、それまでにドローンを活用して海底やエジプトのピラミッドをはじめ、多くの自然や遺跡を3Dスキャンするプロジェクトを手掛けてきました。3Dスキャンした画像・映像は「デジタルアーカイブ」として記録・保存しています。3次元データなので、どの角度からも鮮明な画像を見ることができるだけでなく、3Dプリンタで出力も可能です。
しかし、スキャンとアーカイブをしているだけでは企業として成り立ちません。デジタル化した素材を活用し、収益に結び付けていく必要があります。どのようにコンテンツ化していくべきかを考えた時、教育分野が一番高い親和性があるのではないかという結論になりました。これからの未来を担う子供たちに、3Dの立体で遺跡などの文化資産を見せるだけでなく、ドローンやVRという未来の技術に触れてもらうことは、純粋に楽しく好奇心や知識欲を刺激するだけでなく、新たな気付きをもたらすはずです。
方針を決めたのは良いものの、教育関係にツテもありませんし、素材をどのようにコンテンツ化して学校や塾などに提供すれば良いか、そのノウハウを持つものが社内には誰もいませんでした。そんな時、知人を介して株式会社BYDの井上創太さんと知り合うことができたのです。
井上さんは、ずっと教育分野でご活躍されている方で、教育業界への進出を考える企業のコンサルティングも行っていました。さらに、教育プログラムについても深い知見がおありです。井上さんが当社のドローン技術と3Dスキャンに深い関心を持って下さり、教育事業にドローンを絡めたプログラムの開発を行う流れになりました。それが「ドローンで学ぶSDGs講座」「バーチャル修学旅行」をはじめとするスクールへの教育コンテンツの提供です。
ドローンとVRは未来への入り口、教育分野が成長ドライバーに
当社は、ドローンとVRは「未来への入口」だと考えています。もはや誰もがその名前を知っているほどなのに、実際に見たり触ったりしたことがない。それがドローンとVRの知名度と普及のギャップです。当社は3Dスキャンを行うだけでなく、皆様に「未来の入口」に立っていただくため、ドローンやVRゴーグルなどの開発、提供も行っています。
もし、井上さんがいらっしゃらなかったら、当社の教育事業はこのように早く日の目を見る成長には至らなかったでしょう。一から事業の立ち上げにご助力いただいたおかげで、お客様である教育機関に対して、当社の事業をより良く伝えるための基盤を整えることができました。本当にありがとうございます。
BYDと共同開発パートナーとして、目指す方向に向かって手を携えたい
―この機会に井上さんに対して何か「聞いてみたいこと」はありますか?
株式会社BYDの今後の方向性をお尋ねしたいですね。もっと手を広げて企業規模を大きくしたいのか、それとも、専門的なところを深めたいのかということです。教育分野と言うのは非常に特殊な業界だと思います。当社の立場としては、これからも井上さんの力をお借りして、より大きな事業を展開したいという気持ちです。株式会社BYDもより大きな組織として、井上さんのマインドを受け継ぐ従業員の方が増え、当社のサービスを共同で開発し販売するという協力体制が築ければベストだと考えています。井上さんも同じ気持ちだと嬉しいですね。
―井上さんはiU(※)にて客員で授業を持たれるようになるなど、活動の場を広げていらっしゃいますね。
(※情報経営イノベーション専門職大学:学校法人電子学園が2020年に設置した私立専門職大学。「ICT・ビジネス・英語」の3本柱で創造力と実現力を高め、グローバルにイノベーションを起こす人材の育成を目指している)
当社も、井上さんからiUをご紹介いただいて、インターン生を取り入れようかという話にもなっていますね。
―今後もBYDさんと共同で様々な取り組みをされると思いますが、ワールドスキャンプロジェクトさんのビジョンをお聞かせいただけますか?
当社は、独自の技術を持っており、いま手掛けているプロジェクトもそうですが、他社にはないコンテンツを作れる会社だと自負しています。それらを教育分野の方に届けるためには、どのような味付けや組み合わせをすれば良いのか、それが井上さんに今後もぜひお願いしたいところです。できればもっと緊密に、モジュール作成の部分から携わっていただくことで、より一層、教育現場に即したコンテンツを作ることができるのではないかと思っています。さらに付け加えると、営業という面でも井上さんを非常に頼りにしております。
本当にいつも感謝です。これからも、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。