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法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

高砂電気工業株式会社

https://takasago-elec.co.jp/

愛知県名古屋市緑区鳴海町杜若66番地

052-891-2301

社員の個性が輝く高砂電気工業のダイバーシティ

ステークホルダーVOICE 社員・家族
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左からVenkatesh Adithyaさん、中野有香さん、内田圭亮さん
鼎談に参加した高砂電気の社員 左からVenkatesh Adithya(ヴェンカテシュ・アディティヤ)さん、中野有香さん、内田圭亮さん

名古屋にある高砂電気工業株式会社は1959年創業。流体制御に欠かせない電磁バルブ・ポンプの専門メーカーです。

ナノリットル単位の少量の液体や気体をコントロールできる精密部品の製造技術が世界的に高く評価され、顧客の要望に合わせ、カスタマイズして提供することを得意としています。

その技術は主に医療における生化学分析装置や環境分析装置に使われてきましたが、現在ではNASAや東京大学をはじめとする、高等研究機関の要請に応じ、再生医療や航空宇宙分野にも乗り出し「細胞から宇宙まで」幅広い分野で「流体制御の課題解決カンパニー」としての地位を確立しています。

既存分野を磨き上げつつ、新技術でイノベーションを起こす新規事業部門を強化すべく、2020年10月には社内カンパニー制を採用。

「流体制御システムカンパニー」と「未来創造カンパニー」の2社を新設しました。

「未来創造カンパニー」では「世界中のイノベーター達の夢の実現をサポートする」を合言葉に、さらなる飛躍を目指しています。そして、同社は職場のダイバーシティ推進にも取り組んでいる最中。

今回は同社の技術を支える設計・開発部門に所属する若手社員3人=技術開発課応用開発グループの内田圭亮さん、同新規開発グループの中野有香さん、設計技術課・設計グループのインド国籍のVenkatesh Adithya(ヴェンカテシュ・アディティヤ)さんに集まってもらい、日々の仕事ぶりから今後の目標、また同社の魅力について縦横に語ってもらいました。

三者三様の個性が光る、若手社員が語る成長企業の魅力

まず自己紹介からお願いします。

内田

2015年入社で、最初の1年は新人研修でさまざまな部署を回っていたのですが、それ以降は開発に所属し、開発品をいろいろ触っています。

なかなか開発品の説明は難しいのですが、(樹脂製の)マイクロ流路チップを作ったり、電気浸透流ポンプと呼ばれる、駆動部分を持たない特殊なポンプなどを担当しています。

内田圭亮さん
内田圭亮さん
中野

私は2018年入社です。入社して1年は研修でいろんな部署を回ってから、開発に配属になりました。

今はさまざまな部署のお手伝いをしていまして、これからやっていきたいと思っているのは粉を送るポンプを作ることで、その設計などをしています。

中野有香さん
中野有香さん

実現したら画期的ですね。では、次にAdithyaさん、アディさんとお呼びすればよろしいでしょうか? 

アディ

はい。2020年の入社予定だったのですが、コロナの関係で延期になって、2021年の2月に入社しました。4ヶ月くらいトレーニングを受けた後、設計部署でバルブやポンプ、チップの設計をしています。

私はインド出身で英語も得意なので、海外のお客さんとのミーティングに参加し、営業とのブリッジとしてファシリテートするなど、幅広く業務をしています。

Venkatesh Adithya(ヴェンカテシュ・アディティヤ)さん
Venkatesh Adithya(ヴェンカテシュ・アディティヤ)さん

皆さんが取り組んでいる業務についても詳しくお聞かせください。

内田

いろいろな製品を担当していますが、今一番力を入れているのはドローン搭載の噴霧装置などですね。スズメバチ退治なんかに使うことを想定しています。

農薬散布では使われていると聞いていましたが、害虫駆除にも使われているのですか?

内田

営業にドローン好きがいて、また社長からも『これからはドローンが伸びるかもしれない』とのインプットがありました。

高砂の軽量小型化の技術を活かすにはどういったものができるかなと、一緒に考えようよとメンバーを集めたんです。

そこで揉んでモック品を作って、広報にも手伝ってもらい、愛知県の中小企業のコンソーシアムでブースを出しました。

中野さんはどのようなテーマを取り組んでいるのですか?

中野

私は粉体ポンプの開発に取り組んでいます。現状は液体と気体を送るものしかないので、新しく作りたいと思っています。

構想自体は開発に配属された次の日ぐらいから考えていて、『液体と気体を送るポンプはあるのに、なんで粉は送れないのかな』と。

でも、粉が送れたら何ができるんだろう、というイメージがあまり湧かなくて、まだ検証段階です。

発表するまでに市場調査とか競合品調査とかもしようと思ってるんですが、まだ調べ切れていないという感じですね。

加えて、社長が社員に向けて関心の高いテーマを共有してくれるのですが、その中に3Dフードプリンターの話が出てきて、その原理検証にも取り組んでいます。

粉を送るポンプは存在しないのですか?

中野

調べた限り、今ある粉体ポンプは工場で使われるような大きなものだけで、もっと小さくして、例えば3Dフードプリンターなどに乗せて粉を送れたらいいんじゃないかなと思い、開発しています。

社長が各開発部員の興味関心にそこまで寄り添って、後押ししてくださるんですね!

中野

とても様々なネットワークをお持ちなので、何かヒントになりそうな情報をメールや口頭で伝えてくれますね。

そこから新たな事業が生まれていくことが高砂電気工業の強みの一つかもしれませんね。アディさんの取り組んでいるテーマは何ですか?

アディ

私は開発・設計や海外のお客さんとの打ち合わせ、またホームページの英訳を担当しています。

それ以外にもスキルアップ・プログラムとして、TOWING※という宇宙農業に関連するスタートアップ企業とのミーティングに週1回行っています。

スタートアップのスピード感とか新しいものをどう研究するのかとか、そういった知識を得て、社内で共有して何かいいことができないかな、と思っているところです。

まさに八面六臂の活躍で、ダイバーシティ的戦力と言えますね。皆さんのお話を聞いていると社員一人一人が新たなテーマを考え、新たな製品の開発に真剣に向き合っているんだなと感じました!

自由な社風で各部署の連携も密。垣根のない創発に挑む

皆さんはなぜ高砂電気工業を選ばれたのですか?

アディ

いろいろな日本企業のリサーチをする中で、先輩社員の声がホームページに載っていて、それを読んで社内の雰囲気がいいなと思ったからです。

加えて、高砂電気工業のミッションがすごく魅力的だと感じたことも理由の一つです。「世界中のイノベーター達の夢の実現をサポート」できるというのは、とても刺激的だと感じたからです。

高砂電気工業は基本的に電磁弁などの開発・製造をベースにしていますが、電磁弁でいろんな業界、例えば医療や環境分析などをサポートしているので、一つの会社からいろんな業界の情報が得られるのはいいなと思って、インドから直接電話して、仕事をしたいと希望を伝えました。

インドから直接電話とは、すごい熱意ですね!その熱意が伝わり、日本でも精力的に様々な業務をこなしておられるのですね。

もしアディさんがリクルーターで高砂電気工業の魅力を伝えるとしたら、どんな言葉で訴えますか?

アディ

日本語ではわからないですが、英語で適切な言葉があって、“Creative Freedom”が一番近いかなと思います。

周りの目をあまり気にせず、いい案があったら上司に話す。もし案がよくても、もうちょっとインプットが必要なら指摘され、最後のアウトプットまで責任をもって任せてもらえます。

“Creative Freedom”の精神でさらなる社内起業の可能性も出てきそうですね。

アディ

私はまだここに来て3年です。私より才能のある人も多いですが、将来的にはCEO人材、社長になりたいという希望を持っています。

それを狙うには設計だけではなく、いろいろな部署の経験をさせていただくほうがいいと思うので勉強の真っ最中です。

内田さんが高砂電気工業を選んだ理由はなんですか?

内田

大学では化学を専攻したのですが、やっぱり当時のホームページに『細胞から宇宙まで』と書いてあって、化学だけでなく、いろんな開発に携われそうだなと思い、高砂電気を選びました。

その業容のレンジの広さから、どの部署に所属することになっても自分はハマれそうだなとお感じになったんですね!

中野さんはいかがでしょう? バルブ・ポンプを大学で学んだ方はほぼおらず、皆さん、オン・ザ・ジョブで知識を吸収するそうですが、中野さんも同様ですか?

中野

そうですね。私も化学系出身で、物理化学の研究室でシミュレーションをしていました。

今の仕事との接点は少ないのですが、私自身が化学系なので、その強みとして、材料選定はできるかなというとこですね。化学を物理的に見るというか。

物理化学の考え方や材料の知識を使いながら、高砂電気工業でできることはたくさんありそうですね。ただ、開発部門に女性はまだ中野さんお一人だそうで、紅一点というところでしょうか。

中野

まぁ、そんな感じです(笑)。ただ、あまりその辺りは気にしていません。やっぱりその人自身がどうかというところが大きくて、女性だから男性だからで判断している人はいないと思いますね。

アディさんはマネジメントに携わりたいとの抱負も持っていますが、中野さんはいかがでしょう?

中野

私はあまり興味がなくて、向いてないのかなとも思いますし(笑)、どちらかというとせっかく高砂電気工業がいろいろな分野で製品を出していますので、いろいろ挑戦していくほうがいいのかなと思っています。

まぁ、1回ぐらいはやってみたいですけどね。

個性輝く高砂電気工業 外国人社員を採用し、国際化も一気に進む

個性的な社員が多いと周りを見ても思いますか?

中野

それはめちゃくちゃ思います(笑)。内田さんは基本的に真面目だな、と思います。ずっと私と同じ開発ですけど、遥かにしっかりしているな、とひしひしと感じています。

でも、そういうと、すごくカチコチしたイメージですけど、たまに相談に行ったりすると、面白いアイディアを出してくれますよ。

アディさんとも普段から交流があるのですか?

中野

事務所が一緒のフロアなので、すれ違ったりする時によく会釈してくれます。もともと日本語がお上手だったので、コミュニケーションが取りやすいなと思っていますね。

中野さんご自身についてはどう思われます?

中野

自分では普通だと思ってるんですけど、周りからあまり賛同は得られないかも(笑)。

無理して人と合わせようとしない、淡々と我が道を往く(行く?)という、研究者オーラは中野さん、内田さん双方から放たれていると感じます。
また、最近は外国人採用が多く、2対1程度の割合だそうですね。
社長の目線が海外に向いている結果とも伺いました。現在、外国人社員はどれぐらいですか?

アディ

10人ぐらいで、未来創造カンパニーに6〜7人います。インドだけでなく、イギリス、ブラジル、中国、香港など色々な国の出身者がいます。

コミュニケーションの取り方も鍵になりますが、英語も飛び交うような現場なのですか?

内田

現状だと日本語ベースですね。日本語で会話ができても文字認識が苦手な人もいるので、翻訳サイトで英語に変換してやり取りするという場面もあります。

外国人人材の比率が上がれば英語の使用頻度が上がりそうですね。

内田

実際、来年IIT(インド工科大学)から新卒採用される予定の4人は、現時点ではまったく日本語が喋れないと聞いていますし、将来的には英語でのやり取りが必要となってくると肌で感じています。

周到さと緻密さを求められる仕事ですから、皆さん、いかにリラックスするかも肝心だと感じます。最後にその辺りを伺わせてください。アディさんの息抜き法はなんですか?

アディ

私は音楽を聴くこととサッカー、後はジョギングが大好きです。

内田さんはリラックスの秘訣はお持ちですか?

内田

今は主にVRですね。見るというよりは作るのが好きで、モデリングをして、それを動かすためにプログラムをしてという感じです。

趣味まで理系っぽいですね。中野さんはどうでしょう?

中野

わりと平凡ですけど、読書とゲームと散歩です。

散歩は大事かもしれませんよ。カントやルソー、ダーウィンやアインシュタインも習慣にしていましたし、スティーブ・ジョブズもよく長時間、会社の近所を歩いていたそうです。

中野さんも歩きながら何か着想を得たりしているのですか?

中野

仕事のことも含め、いろいろ考えながら歩いてます。でも、仕事のアイディアはお風呂に入っている時のほうが湧きますね。

まるでアルキメデスの“ユリイカ(わかった!)”じゃないですか(笑)。

中野

滝行に似てるのかもしれないですね、シャワーを浴びてる時とか(笑)。

クリエイティビティはワークライフバランスとも大きく関わりますね。皆さん、本日はどうもありがとうございました。

※ 環境に配慮した人工土壌「高機能バイオ炭」を活用した次世代の作物栽培システムを開発・販売する名古屋大学発スタートアップ

◎プロフィール
内田圭亮
高砂電気工業株式会社 未来創造カンパニー 技術開発課 応用開発グループ所属。

中野有香
高砂電気工業株式会社 未来創造カンパニー 技術開発課 新規開発グループ所属。

Venkatesh Adithya(ヴェンカテシュ・アディティヤ)
高砂電気工業株式会社 未来創造カンパニー 設計技術課 設計グループ所属。

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ライター:

1966年長野県に生まれ、東京で育つ。法政大学文学部在学中より、出版社で雑誌編集に従事した後、フリーに転ずる。教育やビジネス分野に造詣が深く、著名な起業家との共著も多い。また、食べ歩きを密かなライフワークとする。『名門高校人脈』(光文社新書)、『全国創業者列伝』(双葉新書)、『東京B級グルメ放浪記』(光文社知恵の森文庫)、『リーダーになる勇気』(共著・日本実業出版社)、『コピーライターほぼ全史』(日本経済新聞出版)など著書多数

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