企業や団体におけるサステナビリティの追求として、SDGs達成に向けた事業や取り組みをアピールするケースが増えてきました。実際にSDGsへの取り組みを行うとなると、どの目標に向けてどのような施策を企画したら良いか悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
cokiでは、皆さまのSX(サステナビリティトランスフォーメーション)のお役に立つべく、SDGsに対して積極的な企業の取り組みをピックアップしてご紹介しております。
今回取り上げる事例は、横河電機株式会社です。
本ページをご参考に、事業におけるサステナビリティ、SDGsに関する活動を進めるヒントにしていただければ幸いです。
SDGsについては、“ 「SDGs」と「サステナブル」の意味|私たちはなぜSDGsに取り組む必要があるのか ”を、ご覧ください。
横河電機株式会社のSDGsへの取り組み
- 横河電機株式会社
- 業種:電気機器
- 創立:大正4年 (1915年) 9月1日
- 従業員数:17,715人 (連結)
- 参照公式サイト:https://www.yokogawa.co.jp/
横川電機では、「測る力とつなぐ力で、地球の未来に責任を果たす。」というYokogawa’s Purposeを制定。2050年に向けて目指す社会を、サステナビリティ目標 「Three goals」として定めています。
- サステナビリティ目標 Three goals
- Net-zero emissions 気候変動への対応
- Well-being すべての人の豊かな生活
- Circular economy 資源循環と効率化
また、サステナビリティ目標「Three goals」に向けて必要な変革についても以下の通り方向性を示し、これまで培ってきた自社の強み(品質、信頼、誠実)にプラスして変革に取り組むことを明記。情報開示にも積極的です。
- 変革の方向性
- Resilience 変化に柔軟に対応できる適応力・回復力の強化
- Regenerative value creation 循環型社会に適した価値の創造
- Co-innovation ステークホルダーとの価値共創
横河電機のサステナビリティ、ならびにSDGs目標への取り組みは非常に多岐に渡ります。ここでは最近の取り組み事例をピックアップして見ていきましょう。
※取り組み事例の中には、複数の目標にまたがる取り組みもありますが、代表的な目標を掲げて記載しています。
目標6「安全な水とトイレを世界中に」への取り組み
目標6の ゴール は「全ての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」です。
水がなくては人は生きられません。しかし、人間が利用しやすい河川や湖沼に存在する地表水はわずか0.01%。世界では3割の人々が安全な飲み水を利用できないといわれており、限られた水資源を効率的に供給し、循環利用することが求められています。
横河電機では、日本政府のODA事業であるマレーシア国ラブアン島の水道職員向けのNRW(水道料金の収入に結びつかない無収水)削減対策専門家の育成や、持続可能な水供給に向けた研究開発投資を行うシンガポールにて浄水場のプラント・シミュレーション・プロジェクトなどを通じて、上下水道の監視・制御、漏水モニタリング、プラントの運転支援や技術者育成、海水淡水化プラント向け制御などの技術やノウハウを世界各地で提供しています。
目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」への取り組み
目標9の ゴール は「強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」です。
製造業においては、生産設備の老朽化による事故の発生や製品品質の低下、プラント創業においては事故の未然防止や安全性の確保は課題となっています。横河電機では、AIを活用した設備や製品品質の解析・予測をソリューションとして提供。センサによって作業環境を常時監視したり、危険な作業をロボットで行ったりするなど、遠隔による監視やデータの解析による故障や不具合の発生防止、さらには品質向上・操業の最適化を実現しています。
他にも、コンプレッサなど、現場の機器から発生する騒音による作業員の聴覚障害が深刻な問題となっている洋上プラントにおいて、ノルウェーのエネルギー企業と共同で無線騒音監視システムWiNoSを開発。これまで手作業で測定し、作成していたノイズマップをデジタル化することで、より正確に騒音分布が把握できるようになり、作業員の聴覚障害リスク低減に貢献しています。このソリューションは、鉱業など他の産業分野への適用や周辺住民への騒音対策としての利用も期待されるソリューションです。
目標13「気候変動に具体的な対策を」への取り組み
目標13の ゴール は「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」です。
横河電機では、発電設備だけでなく、エネルギーマネジメントの分野においてもソリューション提供の拡大を数rことで、CO2削減に寄与しています。
例えば、2020年に運転を開始した日本最大の風力発電である「ウィンドファームつがる」。この制御システムを提供しているのは横河電機です。また、充電して繰り返し使えるリチウムイオン電池の高性能化と高安全化に寄与するシステムを開発したり、再生可能エネルギーの普及によって新たに生まれるエネルギーリソースの運用を管理するシステムの構築にも携わっています。私たちの目に見えないところで働くさまざまなシステムに関わっているのです。
横河電機では、2020年度の売上高の88.16%がクリーン・レベニュー(環境・社会貢献度の高い製品・サービスの販売による収益)に相当すると評価され、クリーンエネルギーの未来への道をリードする世界の上場企業200社を選定した2022年版「Carbon Clean 200(TM)(Clean200)」に8,480社のグローバル企業の中から選定されています。
SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」への取組事例~高砂電気工業株式会社
coki では、サステナビリティについて考え、実際に取り組んでいる様々な団体・企業への取材を行っています。今回は SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」について、高砂電気工業株式会社の記事をピックアップしました。ぜひご覧ください。
「細胞から宇宙まで」。流体制御の技術で新しい未来をつくる|高砂電気工業株式会社 代表取締役会長 浅井直也さん
高砂電気工業株式会社は、名古屋で創業62年の歴史を持つ流体制御の課題解決カンパニー。同社の技術は医用診断や環境測定をはじめとする分析機器のほか、大学発のプロジェクトなど最先端の分野で採用され、「細胞から宇宙まで」を支えています。2020年に社内カンパニー制を採用し、品質と供給責任を追求する既存分野、新技術でイノベーションを起こす新規事業の2体制をスタート。「これまで以上にグローバルレベルの目標をもち、流体制御の技術で世界の未来に貢献していく」と語る同社の浅井直也会長に、今後の事業展開や同社が目指す未来について伺いました。
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法人のサステナビリティを可視化するメディアcokiの目的は「社会の公器」を体現する企業を増やし、サステナブル社会を実現することです。cokiでは、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)支援の一環として、会員さまに個別インタビューを行い、サステナビリティの観点から企業価値を高める情報発信を行ったり、想いを同じくする会員の企業・団体・個人との交流を可能にするビジネスコミュニティをご提供しています。
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